野草の森から2013(16)

9月28日 いよいよ本番

こちらでは、朝晩は上着が必要なほどに冷え込むようになりました。それでも、昼間は半袖でも暑いくらいです。激しい気温の変化に人間も戸惑い勝ちですが、この標高の花たちも戸惑っているのかもしれません。秋本番の主役たちは、まだ僅かに姿を見せ始めたばかりです。


湿地のスイランは、ずいぶん増えてきました。
  
傍らでは、赤とんぼが産卵を始めています。
  
クルマバハグマも、ずいぶん賑やかになってきました。
  
アキノキリンソウも登場。
  
イトイヌノヒゲとイヌタデが、見違えるほどに増えてきました。
  
ひっそりと咲くツルリンドウ。ノコンギクも咲き始めてきました。
  
ヤマハッカも盛りのようです。
  
道ばたにはヒヨドリジョウゴ。
  
暗紫色の花をつけるセリ、ノダケも終盤です。魚を狙って、連日、アオサギやダイサギがやって来ます。
  
オヤマボクチの蕾も膨らんできました。
  
ムラサキシキブやコバノガマズミの実も、鮮やかに色づいてきました。

つい先日まで満開だったツリフネソウも、すっかり実になりました。ゲンノショウコやツリフネソウは、自ら弾けて種子を遠くへ飛ばします。すでに弾けているものが多いので、その様子を観察してみましょう。

  
良く熟した実。種子は莢の中に詰まっています。 串で突いてみると、あっという間に弾け飛びました。ぼやけていますが、莢のかけらが飛び散っています。
  
反り返って、コイル状になった莢の断片。自然に弾けた実を観ていると、時々、茎に残っているものもありました。

秋に咲く野草は、わりと分布域が広いものが多いので、種類は春ほど多くはありません。特に珍しいというものは少なくなります。面白い生態のものがあれば、それを追うのも一興かなと考えています。


9月21日 秋到来

山里では、稲の収穫もほぼ終わり、クリ拾いの看板も途中で見かけた。収穫の季節、真っ盛りである。


ススキの穂が、銀色に輝く。
  
一昨日は中秋の名月だった。明け方の空に残るのは、十七夜の月? 雨が削った月の谷?
  
シラヒゲソウは、湿地周辺に順調に広がっている。
  
アケボノソウは、今年も無事に咲いた。
  
ミゾソバも広がってきている。
  
シモバシラが、今年も咲いた。
  
常連のクルマバハグマ・ヒメジソ。いよいよ咲き始めた。
  
近くの湿地ではスイランが咲き始めた。アイナエは、今が盛りのようだ。
  
アキノノゲシ、秋空に輝く。
  
秋の七草、萩も盛りだ。マルバハギ・ヤマハギ。
  
遅れ気味ながらスズメノトウガラシも咲いた。ミミカキグサはまだ盛りのようだ。
  
カメバヒキコシ・ヤマハッカも咲き始めている。
  
ヤクシソウが、もう咲き始めた。ウドは花盛り。
  
クヌギのドングリや、クリの実も落ち始めている。
  
近頃、ツマグロヒョウモンや赤とんぼの憩う姿をよく見かける。里の秋が静かに進んでいる。


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