野草の森から2014(2)
4月18日 ミツバツツジの頃
遅れ気味だったコバノミツバツツジが咲きそろってきました。ミツバツツジが満開になる頃には、ギフチョウの季節も終わってしまいます。ありふれた花なので、有難味には欠けますが、桜やこの花が終わると、新緑の季節、初夏の気配が漂ってきます。
久しぶりに明け方に雨が降りました。曇り空の下で、この花の色もしっとりとして見えます。
周辺一帯、どこに行っても、この花が目を惹きます。
ヤマザクラは、あっという間に通り過ぎていきました。
ビオトープのサクラソウが、咲き始めました。だいぶ株が大きくなってきています。
枝垂れ桜・スミレが賑やかになってきました。
アケビも咲きそろってきました。雌花と雄花。
モミジイチゴとカキドオシ。やはり遅れ気味だったのですが、咲きそろってきています。
相変わらずイノシシの横暴が続いていて、モミジイチゴの根元がずいぶん掘られていました。引き抜かれていた株もあります。助かるかどうかは判りませんが、ビオトープの斜面に植えておきました。モミジイチゴは、この付近にはあまり多くないので、生き残って、ビオトープに増えてくれると良いのですが。
毎年楽しみにしているギフチョウですが、今年はビオトープでは見かけませんでした。幼虫の食草であるヒメカンアオイは確実に増えているし、ショウジョウバカマもずいぶん増えています。植栽したカタクリも、そこそこ順調です。コバノミツバツツジは、ビオトープでは殆ど増えていません。おそらく湿りすぎているのでしょう。いずれにしろ、ギフチョウの生息できる環境は良くなってきているはずなのですが、困ったことに気候変動で、春の訪れが年々遅くなってきています。ギフチョウが産卵する頃になって、やっとヒメカンアオイは新しい葉を出すのですが、これが遅れてくる傾向が認められます。ギフチョウの戦略は、非常にきわどいタイミングで成り立っているので、微妙にタイミングがずれると危ういように思われます。ビオトープ周辺では、今年はコバノミツバツツジの開花も、ヒメカンアオイの開花も明らかに遅れています。我々が気づかなかっただけで、無事に繁殖してくれていることを祈るしかありません。
ギフチョウについては、今年は付知川沿いに出向いて追いかけてみました。そちらもブログでご覧ください。
春の妖精舞う
4月6日 春の訪れ
例年通りなら、ギフチョウが飛び始め、花も賑やかになり始める頃です。エナガの鄙も気になるので、少し寒いのを覚悟の上で訪れることにしました。
相変わらず春の訪れは、去年に比べてさえ遅れ気味で、ヤマザクラなど例年ならば咲いているはずの花も見られないものもありますが、場所の影響もあるようで、一概にどの程度遅れているとも言えないようです。
ショウジョウバカマは、ほぼ咲きそろっています。
笹を刈ったくらいで、殆ど手を入れていませんが、年々賑やかになってきました。
ブログにもアップしましたので、そちらもご覧いただければ幸せです。
ショウジョウバカマ
毎年、ハルリンドウが最初に咲く斜面では、すっかり満開になっています。
こちらの様子も、ブログで紹介しています。
ハルリンドウ
ギフチョウの姿は見当たりませんでしたが、カタクリは無事に咲いています。キクザキイチゲも無事に咲きました。
ミスミソウは今年も無事に咲きました。キツネノボタンも咲き始めています。
春を感じさせるツクシ・フキノトウ。
早春の樹の花も咲き始めました。ウグイスカグラ・ヒュウガミズキ。
キブシ・シロモジ。
ハナノキの巨木も、赤く染まってきました。
久しぶりにキジ科の野鳥と出遭いました。コジュケイ・キジ。
なにはともあれ、春は確実に進んでいるようです。でも、今回もみぞれに降られたり、気象と気温の激変に襲われたり・・・。衰退傾向の野草は何を語りかけているのでしょうか?
3月21日 春めく
今年はなんとなく、春めいた浮き浮きした気持ちになれません。その予感が的中して、やはり春が遅れた去年よりも、一層ビオトープの春は遅れています。去年の今頃には咲き始めていた日当たりの良い斜面のハルリンドウも見当たりません。ウメもちらほらと咲き始めたばかりです。帰化植物の雑草であるオオイヌノフグリやヒメオドリコソウすらまだ寂しい感じがします。不安定な気候に、花たちも咲くタイミングを測りかねているようです。
湿地の植物は、水温が安定しているせいか、あまり遅れていません。ミズバショウが徐々に咲きそろってきました。
ザゼンソウも順調です。
ミスミソウも、咲き始めてきました。
四季庵では、今年も雪割草が咲きました。シュンランを探すと、一株だけ咲き始めています。
ヒメカンアオイも、咲き始めてきました。
アセビも、あちこちで咲いています。
ビオトープのヤマアカガエルの卵が、今年は異常に少ない気がします。それでも、オタマジャクシになりかけているものもちらほら。これからまだ産卵するのでしょうか?
翌日は、恒例のゲンジボタルの幼虫の放流です。成長は悪くありません。2cm程度の大きさに成長した幼虫も多く、元気も良さそうです。間もなく土中でサナギになって、6月中旬には飛び回ってくれるはずです。
珍しく嬉しいニュースは、四季庵の近くでエナガの巣を見つけたことです。こちらは、ブログをご覧ください。
子育て中:エナガ