人間はもろいものだと思う。

過去の歴史を見ても 肉体的には勿論、精神の弱さによって多くの過ちを繰り返している。

例えば自分の身の危険を恐れて甥を殺し、王となった明国の古王。
例えば絶対的な力に焦がれ、世界を混乱に陥れた独裁者。

例えば
コーディネーターへの嫉妬に狂ったナチュラル共。


『奴ら』は、自分より優れた人種であった『コーディネーター』を
妬み、そねみ、恐れ
殺戮した。

見せ掛けだけの平和の中でさえも
少しずつ少しずつ、コーディネーターを苦しめた。

そして『俺達』は、ユニウスセブンをきっかけにこの弾圧から逃れようとした。

だから
戦った。

正当防衛だ。
『奴ら』への、当然の報復行為だ。
これ以上あのままだったら、きっと『俺達』が殺されていた。
大切なものを守りたくて
『俺達』は、必死に戦った。

それなのに。

ラスティが死んだ。
ミゲルが死んだ。
ニコルが死んだ。
たくさんの仲間達が、死んだ。

知らせを聞くたび彼ら一人一人の顔を思い出し 泣いた。
泣くという行為に意味はない。
解ってはいたが、屠られた友人達を思い出せば
涙は止まらなかった。
流した涙の量だけ、より一層『奴ら』が憎くなった。

『俺達』が何をしたって言うんだ。
悪いのは、『お前ら』だろう?
はじめに『俺達』を疎んだのは
『お前ら』だろう?
『俺達』を『創った』のは
『お前ら』なんだろう?
何の権利があって『俺達』から大切なものを奪う?

これ以上、何を奪う?




「・・・・・・・っくしょう・・・・・・」
抱きしめた赤い制服に顔をうずめる。
ほのかに薫る持ち主の匂いが、瞼の裏に彼の容姿や仕種を映し出す。

つい数時間前まで共にいたのに。
何があってもアイツとだけは、一緒生き延びようと思っていたのに。
アイツだけは、守りたかったのに。

戦線から離脱して、知らされた信じられないアイツの行方。
包帯を巻こうとする軍医師を突き飛ばして、コントロールルームへ飛び込んだ。

M・I・A。

軍で、それを意味するモノは。



「・・・・・・・・・・殺してやる」
地を這うような声で呟く。
銀の髪がさらりと鳴る。
ハラハラと、瞳から涙が伝い落ちる。

「一人も・・・・生きて、逃がすものか」

アイツを、何より大切なものをことごとく奪った『奴ら』から

今度は俺が奪ってやる。


「待っていろ、ディアッカ」



『奴ら』全ての断末魔を
お前への鎮魂歌にしてやるから。



END・・・?





■死んでませんってば。
いや、実際結構死にかけてましたがね!女2人の手によって!(笑…いごとじゃないよ)
やはりザフト側にもM・I・Aってあるんだろなぁと思ってコレを。
っつーか本編でちっともディアッカを心配するイザを描いてくれないんだもん(本音)
ディアが死んだと思い込んだら本当イザーク鬼と化しそうだ〜♪とドキワクしてたのに!
こんなときこそイザディアが燃え上がれるっていうのに!(は?)
早くディアとイザ、戦場で接触してくださらないかしら…