欲しいものがある。
鎖が欲しいと思う。
長くて、バンドが付いていて
何より黒いヤツがいい。
血が通ってないのでは、と勘繰るほど
白くて細い、彼女の手首に映えるよう。
太さはどうでもいい。
血管の色すら解る彼女のか弱い腕じゃ、到底鎖なんて千切れそうにないのだから。
でも、少しゴツイヤツの方が 彼女をより華奢に、綺麗に見せるかもしれない。
ジャラジャラと耳障りな音を立てるヤツなら尚いい。
少し身じろぐたびに音を上げて、彼女の動きを俺に知らせるよう。
彼女に、俺に縛られているのだと何度も認識させるように。
自分の『家族』である少女のような能力ならば
彼女を綺麗に繋ぎとめておけるのかもしれない。
傷もつけない。怯えもさせない。
殺さなくったってもいい。
あの禍々しい箱庭の中で、わけが解らずキョトキョトする彼女と一緒に
途方にくれた『振り』をすればいい。
でも俺が居るから平気だよね、と ゆっくり微笑んでやればいい。
彼女は綺麗で優しくて、そしてたまらなく愚かだから
少しそわそわしながらも
『そうですね』と『ごめんなさい』と一緒に言って
大人しくそこに座り込むだろう。
後は居心地悪そうに周りを伺う 彼女の薄い肩を
やんわりと抱いてやればいい。
でもお生憎様。
俺にはそんな便利な能力はないもんだから。
怯えられながら、涙を流されながら
彼女を縛り付けるしか出来ないんだ。
それはとてもとても悲しいことだけど
でも実を言うと
俺はそんな彼女の表情がどんな顔より好きだから
それはそれでいいのかもしれない。
誰にも知られない ずっと深淵で
伯爵にも『家族』たちにもAKUMAにも
あの銀や赤や、黒のエクソシストにも
『神』にすら解らない ずっと遠くで
ごつくて長くて真っ黒な鎖に繋がれた
哀れな彼女の啜り泣きを聴きながら
日がな一日眺めてみたり
たまにそのほつれた髪をすいてみたり
うっすら色付いた唇や瞼にキスしてみたり
俺らの敵である『証』を ビリビリにしてみたり
大切に大切に 壊したいから。
欲しいものがある。
それをいつまでも繋ぎとめておくために
鎖が 欲しいと思う。
■Dグレ第一弾がコレですか。(うわぁ)
文章も内容も、久しぶりすぎてあいたたたです。アイタタタ…
ティキミラが好きです。
なんにももわかってないミランダと 何もかも解ってる狡猾なティキが好きです。
エロエロな位の関係でよいと思います。
でも、我が家のティッキーは エロを通り越して変態なのかもしれません。
…超ごめんなさい!(脱兎)