いわて長泉寺の大イチョウ |
所在地 岩手県久慈市門前第一地割り111 交通機関 三陸鉄道リアス線・JR八戸線久慈駅 徒歩20分 駐車場 あり LINK |
国指定天然記念物 長泉寺の大イチョウ 昭和六年指定 このイチョウは、昭和五年十月八日の文部省の調査により、推定年齢は1,100年で日本一のイチョウの名木であると評価され、翌年の昭和六年には国の天然記念物に指定されました。 その後、台風により主幹の一部が失われましたが、樹勢は今なお旺盛で、日本屈指のイチョウです。樹齢1000年をこえる巨樹には樹精が宿るといわれますが、まさに威厳に満ちています。長泉寺には、このイチョウに関する因記が左記のとおり伝えられています。 寛永七年(一六三〇)長久寺(現在の田屋町にかってあった寺)の住職に就いた密傳長参和尚は、知徳の高い人で、修行に熱心につとめた高僧でした。ある夜、和尚の夢に異装の霊が現れ、和尚に「余は公孫樹の精霊です。この樹が刈られることがないよう、当代有徳の高僧である和尚によって樹を永遠に守ってほしい。できれば公孫樹のそばに寺を建立し、仏得を永劫につたえてほしい」と告げました。それを聞いた和尚は、精霊に問いかけようとしましたが、精霊はたちまちにして消えてしまいました。以来、和尚はその樹をさがすようになりました。 ある日、托鉢して小道を歩いていたところ、怪しげな鳥が大樹の梢に止まり、異様な声で鳴きました。和尚は怪訝に思い、樹下に立ち止まり根元に座込んで回想したところ、過日夢に現れた樹の精霊のお告げを思い出し、この樹こそがあの精霊の宿る大公孫樹であることに気づきました。和尚は、精霊のお告げ通り寺を現在の場所に移し、山号を銀杏山と称し、寺号も近くに泉があることから長泉寺と命名しました。大公孫樹の枝には棒状に垂れ下がったコブがたくさんあり、乳の形に似ていることから、それを削って煎じて飲むと産後の乳の出がよくなる妙薬と言われ、以前はよく削られてました。 久慈市教育委員会 |