熊本 相良のアイラトビカズラ
国指定特別天然記念樹
あいら          飛蔓
  所在地 熊本県山鹿市菊鹿町相良35-1
 交通機関 JR九州新幹線 新大牟田駅 車50分 
 駐車場 あり 
 
Link                 2024.11.07 
時期違いで殺風景。鮮やかな赤い花の写真が飾ってあった。
  相良のアイラトビカズラ   国指定特別天然記念物 
         
            
 学名:MUCUNA SEMAPERVIRENN(ムクナ センベルビーレンス)
中国名:常春油麻籐(じょうしゅんゆまとう)

飛蔓(トビカズラ)伝説  昔、源平合戦の頃の話である。壇の浦合戦に敗れた平家の残党が相良寺に立て籠もった。当時、この地には本堂ほか九十九の坊舍が立ち並んでいたというが、これを豊後竹田の源氏方武将 緒方三郎なるものが焼き討ちした。
 この時、観音様は飛翔してこのカズラに飛び移り危うく難を逃れたという。また、一説には、観音様がカズラに姿を変えて飛来され
、走落の坂を下る緒方三郎の乗馬の足にからみつかれ、落馬したところを残兵が討ち取ったとも伝える。
「トビカズラ」の名の由来について、この二つの話が伝わっている。
霊華「優曇華」(うどんげ)
 トビカズラの花は古来優曇華とよばれ「霊華時を隔てて開花することあり。開花すれば必ず国家的事変がある。」といい伝えられてきた。昭和4年5月、満州事変勃発の前年に35年ぶりに開花をみたという。優曇華は、仏教では3千年に一度花を咲きその花を開くときは金輪王が出現するといい、また如来がこの世に現れるといわれている。近年では毎年のように4月下旬から5月上旬にかけて暗紫色の房状の花を付けている。

付記  本町中原出身の作家 坂井龍輔(さかいりゅうすけ)は小説「油麻藤の花」によって昭和9年7月「改造」第7回懸賞小説に 
     入選し、文壇デビューした。
 「おい、おれが町で聞いた噂によるとなーと、中年の男が言った。阿比良ウドンゲは、古来トビカズラと呼ばれている一蔓樹の花だそうだ。それはすこぶる奇妙な花だそうだが、その花を目撃したものは立ち所に観音様の神罰が当たるといわれ、昔から禁制になっていたそうだ。云々」  (小説「油麻藤の花」より)               山鹿市教育委員会