岩上大権現スギの由来
 いつの時代か一人の修験者が葉山へ參詣の往路、この地にさしかかったところ大きな杉の木に、権現様のお姿が現れたのをみて、
 これは葉山権現のお姿まではないかと、その神々しさに深く心を打たれ、この地でしばらく修行をしたと伝えられている。以後、村人達は
 この杉を権現杉と呼び神木として祀るようになった。古くからこの辺りを三本杉前として伝えられていて、一本は手前左側に大きな切り株が
 昭和中期頃まで輪郭が現存していたが、残る一本の所在は確認できない。時代も過ぎて江戸時代の頃にこの一本の杉を伐ったところ、
 刈り終わっても倒れないどころか、切り口から血のような真っ赤な樹液が流れ出た。この光景を見た樵の棟梁は戦慄を覚え自らも神仏に
 念願し、やっと倒すことが出来た。この大杉を筏に組み川を下って酒田の港に運ぶことにした。途中何事もなく港につけることが出来た、
 船頭がホッとする間もなく、突風がにわかに起こり筏を上流へ上流へと押し戻したちまち見えなくなり、その後懸命に探したがとうとう
 発見できなかったという。この不思議な話を聞いた村人は驚き、残された杉へなお一層の信仰を深めろようになったという。
 残された現在の杉も昭和四十六年頃道路改修のため、伐られる運命にあったが、住民の根強い願いもあって残されたという。
 幹廻約七メートル、高さ約二十七メートル、また隣の絵葉の大木も、幹周り約十メートルを超す堂々たるものである。
 いまでも、旧四月八日(現五月八日)を祭日とし村人の信仰を集めている。     平成四年三月
岩上大権現のスギとクロベ
 
国指定・村指定天然記念樹
いわがみだいごんげん
 所在地 山形県最上郡大蔵村赤松
 交通機関  JR・山形新幹線 舟形駅 車20分 
 駐車場 道路
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2019.7.25