知人からの書簡(基本技術練習方法の一案に関連して)

先般掲載した「基本技術練習方法の一案」に関して知人から送付された書簡をご参考まで紹介します。


>「meet the ball」「pass and go」「look around」「communication」というサッカーの基本常識といわれる要素

以上がなぜ必要であるかは、説明しただけではわからないと思う。もちろん説明は大事だが、まずはゲームのなかで上記の個人技術(これはオランダでは個人戦術とは言わなかった)がなぜ必要かを理解させることであろう。

つまり、1対1で向かい合うインサイドキック練習に「敵」を付けることによって、必然、周りを見るであろうし、ボールにも寄るであろう。パッサーが味方の背後から忍び寄る敵を見つけ、それと遠い足にパスを送るだろうし、「man on」の声も出るだろう。


後から来る敵にボールを奪われる痛い思いをすれば、次からは何らかの工夫をするものだ。そこにコーチの適切なアドバイスがあれば理解と実行が伴うのではないか。


高校生に「首」振れ、「ターン」「マノン」と言え、「右足」狙え、と言っても実感としてなかなか理解してもらえないし、ゲームにも活きてこないという反省に立って考えたのだが。


サッカーはボールを奪い合うゲームという前提に立ち、マイボールを奪われないようにするためにはどんなパスをすればいいか、どんなトラップをすればいいか、そのために味方は何と言えばいいか…。そんなところから入るのも良いのではないかと最近つくづく思っている。


ボールを奪われないためのプレーがなぜ必要なのか。相手のプレッシャーが弱くチャレンジが遅ければ、左右どちらの足で受けようが、パスが弱かろうが、ターン・マノンの声がなかろうが関係ないのだから。

退屈な基本練習の一考として。

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