1対1に強くなろう

県トレセンで1対1の練習が行われたと掲示板に書き込まれた池辺コーチのレポートにありましたが、おそらく小学生年代では1対1の練習はきわめて重要なんだと思います。以下池辺コーチのレポートを読んで思い出したことも含めて1対1について記してみます。

サッカーはどんなゲームかといえば、11人対11人で相手チームより多くゴールすることを競うゲームです。ではゴールするにはどうしたらよいか。ゴールするにはシュートしないといけない、シュートするには自分もしくは味方がボールを保持しないといけない。つまり「サッカーとは相手ゴールへのシュートを目的として、ボールを自分たちのものにするための相手とのボールの奪い合いである」と定義することも出来るのではないかと思います。そしてボールの奪い合いはその局面を切り取れば1対1の争いということになります。このように1対1の状況で相手に勝る能力はサッカーというゲームにおいて、きわめて大きな意味を持っていると考えられますが、これは日本サッカー協会でもジュニアからユース世代で力を入れていこうとしていることのようです。少し古いのですが、雑誌に興味深い記事が出ていましたので紹介します。

雑誌「サッカークリニック」3月号に昨年12月にJヴィレッジで行われた2002年度ナショナルトレセンU−12の指導内容が報告されています。2002年度トレセンのテーマは「1対1に強くなろう!」でした。以下に雑誌「サッカークリニック」で報告されたトレセンテーマの解説の抜粋を記載します。
(あまり詳しくないのですが、ナショナルトレセンとは千葉県トレセンの上の関東トレセンのさらにその上の全国トレセンということだと思います。)

◎2002年度ナショナルトレセンU−12のテーマ

「1対1に強くなろう」


1対1はサッカーの基本的な部分。この年代では将来大きく成長するための基盤を作ってあげることが重要。戦術うんぬんよりパーフェクトスキルの獲得を目指し、個人をレベルアップさせることが第一になる。1対1で勝つか負けるかがチームの勝敗を大きく左右する。

◎サブテーマ
「フェイントを使って相手を抜こう」
早熟型や足の速い選手はフェイントやステップワークがなくても、今は身体能力だけで相手をかわすことが出来る。しかし数年後もその特徴が生かされるかどうかの保証はない。だからこそ、そういう選手にも相手を突破できるフェイントを身につけさせ、スキルを上げることが重要なのだ。

「身体を上手に使おう」
コンタクトスキルの向上を狙ったもの。今までのサッカー指導現場で「手を使うな」という声があちこちで聞かれた。確かに「相手をつかむ」「押す」「引っ張る」といった行為は許されないし、反則に値する。けれどもバランスを保ったり、身体を守るために腕や肩を使うことは積極的に行うべきだろう。日本人は「フィジカルが弱い」とか「華奢だ」といわれるが、外国人選手に倒されるのはそれだけの問題ではない。中田をはじめ欧州で活躍する選手たちを見ていてもわかる通り、身体接触は一つの技術。身体の使い方次第で倒れずにプレーを続行できる。

「まわりを見ながらボールをコントロールしよう」
サッカー選手にとって基本中の基本。ゴールデンエイジの選手には必ず習得してもらいたいポイント。

以上雑誌の記事を紹介しましたが、その中で私が印象に残ったのは「身体を上手に使おう」です。これはファウルとの兼ね合いもあって、なかなか教えるのが難しいような気もしますが、3年生を担当していて、最近の試合で完敗したときの敗因の一つはこれかなという気もしています。(すでにパスを使える相手に負けた試合もありますが。)今後の大きな課題にすべきと認識しています。

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