リフティング(私・試作版検定付属)

リフティング(ボールつき、ボールジャグリング、お手玉の足版)は、ボールとお友だちになるという意味で少年期の大切な練習のひとつだと私は思っていますが、これには賛否両論あるようで、サッカーは顔を上げて周りを見ることが大事だが、リフティングは下ばかり向いて行うため視野を狭くするとか、ゲームの中でリフティングを使う場面はほとんどないからリフティングの練習などは必要ない、といった意見もあるようです。しかしながら、ボールの芯を足の芯でとらえることや微妙な強弱の感覚を養っていくこと、そしてボディバランスの向上などに効果のある練習だと思います。そして何より、誰でも練習すればするほど上達していきますので、目に見えて上手になっていくことの楽しさ、達成感を感じながら取り組むことができるという利点もあります。また池辺コーチが県トレセンの子どもたちを見て仰ってましたが、サッカーの上手な子はみなリフティングが上手という図式は当てはまるようです。(残念ながらリフティングが上手な子はみなサッカーが上手という図式は必ずしも当てはまりませんが・・・)

ではリフティングはどのように練習するのがよいのでしょうか。子どもたちはとにかく回数を多くリフティングすることを目指しているようです。しかしボールとお友だちになることが目的だとすれば、いたずらに回数を多く目指す必要はありません。回数はいつやっても最低30回は続けられるというくらいになれば十分です。回数を競うよりも足や身体のいろいろな場所でリフティングができる、左右の足を交互にあるいは片足のみを使ってできる、リズムを変えてできるといったことを目指すべきだと思います。

リフティングはひとりでできる練習です。私の経験では、@達成可能(段階的)な目標を持って練習することと、Aたまに思い出したようにたくさん練習するより毎日5分でも10分でもよいから少しずつ続けて練習することが、上達への近道だと思っています。そこで夏休みの課題にもちょうどよいかと思い、あまり深く考えもせず、私版・試作版のリフティング検定Ver1を作ってみました。(今後様子を見てバージョンアップをしていくつもりです。)

対象学年は4年生以上くらいでしょうか。2年近くコーチをやらしていただいての実感として、3年生以下の学年では達成感を求めるほどの集中力がまだ備わってきていないと感じています。3年生くらいから徐々に(一部の子どもから)できるようになりたいという気持ちが芽生え、それを達成するための地道な努力が可能になってくるような気がしています。

将来的には、各コーチの意見も取り入れ、チームとしてのリフティング検定を作成して、チームとして取り組む(例えば認定証を出すなど)ことができたらよいかなと思っております。ということで以下に「リフティング検定」私・試作版Ver1を記します。3級以上のところは私自身多少練習を要しますが、大体自分でできる(かもしれない)範囲での級設定をしてみました。これ以上難しいことは自分ではできないことも多くなりますが、設定だけならいくらでもできます。次の課題をちょうだいという子が出てきてくれるといいなと思っています。

 

「リフティング検定」私・試作版version

10級     10回(地面にワンバウンドしてもよい)
 9級       10回(地面に落とさないで)
 8級       30回(とにかく30回連続で)
 7級       「インステップ」または「もも」のどちらかだけで30回
 6級       「インステップ」だけで、「もも」だけでそれぞれ30回(両方)
 5級       右足、左足交互に30回(片足15回)
 4級       次のAまたはBのどちらかができる
     A:インサイドで30回
     Bスリーテンポ*で10セット(合計30回)
 3級       次のAまたはBのどちらかができる
     Aアウトサイドで30回
     Bスリーテンポ+胸トラップで10セット(合計40回)
 2級       次のAまたはBのどちらかができる
     Aヘディングで30回
     Bスリーテンポ+ジャンプして胸トラップで10セット(合計40回)
 1級       4級A・B、3級A・B、2級A・B全てができる。

*スリーテンポ:低く、低く、高くと強弱のリズムをつけてリフティング(最初の2回は胸より低く、3回目は頭よりも高く蹴り上げる)

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