コーチ(私自身)のための覚書

サッカー関係の雑誌や本などをたまに見たり読んだりしていますが、雑誌「サッカークリニック」10月号に私自身にとって参考になる記事が2つ掲載されていましたので、いいか悪いか良く分かりませんが、以下に一部を無断転載します。いろいろな情報に触れる機会があると直ぐにどこに書いてあったか分からなくなってしまいますので、しばらく経っても忘れてしまわないように、このコーナーに掲載しておこうと思います。他にも参考になる方もいるかもしれませんので。

7月に行われたナショナルトレセンU−12指導者研修会でのナショナルトレセンスタッフ山口隆文氏による「コーチング法」の講義の内容を紹介する記事の一部抜粋です。

まずコーチングの目的とは、子供たちにサッカーの楽しさを伝えることである。
「サッカーの楽しさの要素には、動く楽しさ、関わる楽しさ、できる楽しさ、分かる楽しさがあります。選手が自分の目で見て、自分で判断し、自分から能動的にプレーできることがサッカーの楽しさなのです。もしも指導者が『こういう状況では、こうしなさい』、『こうしなければダメだ』と教え込んでしまったら、それは子供たちから楽しさを奪ってしまうことになります。」
選手自身が、見て、考えて、判断する。そのプロセスが何より大切なのだ、と山口氏は強調した。
こうした指導を可能にするため指導者は、現象の本質を分析する目を持たなければならない。
「科学的トレーニングは、分析することから始まります。
例えば、ある選手がミスをしたとします。表面に表れた現象としては、単純にその選手が、その場でミスをした、ということになります。しかしその根本的な原因は、それ以前にあるものです。オン・ザ・ボールの状態で生じた問題の原因は、実はオフ・ザ・ボールのところに潜んでいる。あるいは、ミスをした選手本人とは別のところに、本当の原因がある場合もあります。指導者は、そうした部分を見抜ける分析眼を持つ必要があるのです。」


次に、今年の全日本少年サッカー大会で優勝した埼玉県代表「江南南サッカー少年団」の松本代表のインタビュー記事より一部を転載します。テレビでたまたま後半戦から観戦しましたが、これが小学生なのかと驚いてしまうような大人びたサッカーをしていましたね。再延長戦での決勝点は今でも脳裏にはっきりと焼きついています。壁パスを用いたすばらしいパスワークからのファインゴールでした。ではそのチームの代表者の方のインタビュー記事の一部抜粋を以下に掲載します。

ジュニアの指導で大切なことについて、松本氏はこう語る。「最初、低学年のうちはサッカーを楽しませること。そして、一番大切なことは、その子の良さを見付けてあげることだ。子どもの足りないところは誰でも見付けることができる。親も、子どもの不足しているところは目に付く。
しかし、いいところは、なかなか見付けることは難しいものだ。そこを見付ける“目”を持つことがコーチの仕事である。足が速いとかそういうことは分かりやすいが、一人の選手のところに球が来たとき、その周りの選手がサポートの動きがしっかりできているか。その動きに対して、『いいカバーリングだった』と評価できるかどうかで大きく違ってくる。
いいカバーリングをしてもパスが来ないときもある。でも、そのカバーリングの動きをコーチがしっかり見ていて、その動きができた子に対してコーチが見逃さずに言ってあげられるかどうか、そのタイミングがすごく大切だと思う。
子どもがシュートミスをする。それが決定的な場面だった場合は、ベンチも親もため息をつく。だが、そういう対応をしてしまってはあまり良くない。そこで『だめだ』と叱ってしまうと、子どもは同じような場面でシュートを打たなくなってしまう。
シュートをはずした場面でも、そこで『ナイスシュートだったよ』と言ってあげる。もちろん、子どもは『ナイスシュートだった』とは思っていないから、次の場面では、子ども自ら、何が悪かったか考えるようになる。だから『いいタイミングだったよ』と言ってあげる。
シュートが入らなかった点については、試合が終わった後にコーチがメニューを組んで練習すればいい。なぜ、入らなかったかということをコーチと一緒に考え、シュートを決めるための練習をしていく」

中略

技術面のトレーニングは、リフティングと1対1からのシュートがほとんど。リフティングは主として土曜日に行なわれ、平日は1対1とミニゲームというのがだいたいの練習メニューだ。その中で、パス回しに課題が見付かった場合に4対2を取り入れたりしている。

中略

「サッカーは基本的に遊びで、それを大人が管理しすぎてしまうと面白くなくなってしまう。ウチの3年生までは、試合をしてもほとんど勝てない。よそのチームは開いてフォーメーションをつくるが、ウチの子どもたちはパスをしないし、みんなボールのところに行ってダンゴ状態になってしまう。だけど、ダンゴ状態をあえてやらせて、指導者が我慢することが必要だと思う。」

コラム目次へ