クルマの試乗インプレッション
以下の評価はあくまで私見であり、決して断定的な結論を下すものではありません。
トヨタ IQ (DBA-KGJ10)
スバル インプレッサ S-GT 5MT(CBA-GH8)
日産 スカイライン250GT TypeP(DBA-V36)
スバル レガシィ 2.0GT spec.B 5AT(TA-BP5)
トヨタ ヴィッツ(DBA-KSP40 1L CVT)
BMW New 320i 330i(E90) 6AT
BMW MINI COOPER S 6MT , COOPER カブリオレ 5MT
富士重工 NewインプレッサWRX STi(GH-GDB) 6MT
トヨタ ヴィッツ(MC後、1.3L CVT)
日産 ティーダ 15M
日産 フェアレディZ VersionS
トヨタ セルシオ(H5年式)
日産 R33スカイライン25GT
日産 スカイライン250GT(GH-V35)
日産 ALL NEWプリメーラ 20L セダン
日産 R34スカイライン 25GT-X 4DOOR AT
富士重工 New Age インプレッサWRX NB 5MT
ホンダ アコード ユーロR
富士重工 ランカスター6
トヨタ 新型プリウス G
富士重工 レガシィB4 RSK 4AT(MC前)
トヨタ アルテッツア RS200 6MT Z EDITION
トヨタ ファンカーゴ 2WD 1500G
トヨタ プラッツ 2WD 1.5X ヴィッツ 2WD 1.0
日産 アベニール 2WDサリューX
トヨタ ビスタ アルディオ 200
富士重工 レガシイ ランカスター
マツダ ユーノスロードスター 1800 SERIES 2 S-SPECIAL TYPEII
マツダ ロードスター 1800 VS
日産 R34スカイライン25GTターボ
マツダ ロードスター 1800 RS
トヨタ プリウス
<車種別採点表>
採点表はエクセルでかかれています。このデータは、こちらからダウンロードできます。データ分析にご利用ください。
<注>
数字が大きいほど「良い」とみます。
数字は絶対評価であり、車格を基準とした相対評価ではありません。
車種ごとに各パラメータの数字を合計するのは無意味です。
上記の数字は予告なく変更されることがあります。
デザインやコンセプトなどは、世情や時代によって評価が変わります。良いと評されていたものが、1年後には悪く評されることがあります。また、その逆も当然あり得ます。
デザイン、質感、各種フィール等は、個人の嗜好によって評価がかわります。上記はわたくし個人の嗜好によってバイアスがかかっていることを、ご了承ください。
目次ページに戻る
トヨタ IQ (DBA-KGJ10)
試乗日:2008/12/6
- ボディ・内装
- このクルマは軽より小さいため、軽に対する優位性が気になる人が多いようだ。私も最初、どうやって売るのか、他人事ながら心配だったが、実車を見た瞬間にそれは払拭された。確かに全長は軽より短いが、横幅が大きい。2人乗りとして割り切れば前席は大型セダンに迫る空間が確保される。窮屈などころか、コンパクトカーより広々としている。
顔はキュートなスマートに対し骨ばったオヤジといった感じ。そんなデザインもあってか、団塊の世代に良く売れているという。
内装はドアトリム、ダッシュボードなど目に付くところもプラスチックの地肌そのまんまである。表面のシボは皮を離れてからおかしなものが増えた。このクルマの場合、合板を使って打ったコンクリートの地肌そっくりだ。しかし、マーチ、ビッツ系の梱包材の表面に見えるシボよりはましといえる。
ダッシュボードが高くせり出しているので、着座すると座面が低く感じる。フロントオーバーハングが短い割りに、下のほうが良く見えない。シートからみる視界の感じはスポーツカーに近い。
ドアの閉まり音は高級車そのもの、操作系のタッチも上質である。
空調の音は若干大きめ。内気・外気の騒音差はほとんどない。
オーディオも力が入っており、ラウドネスが利いた聞きやすい音色でクラスを超えた上質感がある。
収納スペースがとにかく無いので、収納系のオプションは可能な限り付けるべきだろう。
- 走り
- 3気筒エンジンの回転のフィールはアンバランスをよく打ち消して振動、騒音共に低く抑えられており、まるでBMWのような印象。3気筒も作り込めば良いものができることを、このエンジンが証明している。
しかし、アイドル時の振動は大きく、3気筒の宿命といえる。これをアクティブ制振でもやって打ち消せば、デメリットが消えてすばらしいエンジンになるだろう。
エンジン以外でも走行時のNVは低く抑えられていて、上質なサウンドシステムが生きている。ラジオを聴いているとき、エンジンの騒音は意識されないレベルだ。
ホイールベースはわずか2m、足がやや硬めのおかげで、ミッドシップを連想させる応答の鋭いハンドリングになっている。
アクセルは開度に対してリニアで、ビッツ系にみられる「チョイ踏みでガバっとスロットルを開ける」不自然な操作はない。ブレーキも同じで、制動力の立ち上がりがリニアで非常に好ましい。ビッツなどから乗り換えると「加速が悪い」「ブレーキの利きが悪い」と感じるかもしれない。
CVTのフィールは「もわー」という感じで、これがせっかくの応答性をスポイルしている。来年MTが追加されるというので、こちらに期待したい。
- 総合
- このクルマはスマートがライバルになる。となると普通は、スマートのデザインをコピーして、中身をスマートより少し良くして売る、いわゆる「後出しジャンケン」で計画されるのが常套だ。しかし、ヨーロッパ戦線ではこの手法が許されないためか、デザインを自分で考えたようだ。その結果、エクステリアは非常に良いものになった。それに、自動車業界が好景気の時代に計画されたものなので、中身にもかなり力が入っている。
操作系の応答がすべてリニアで不自然な点が無い。車体の応答も鋭く、これの1.3L,MT版はすばらしいライトウエイトスポーツになるかもしれない。アクセル、ブレーキも現状、非常に好ましい特性であり、MCで改悪されないことを願う。
スバル インプレッサ S-GT 5MT(CBA-GH8)
試乗日:2007/6/24
- ボディ・内装
- 外観は一見良いデザインに見えるがBMW3シリーズをモチーフにしたことは明らかだ。フロント、サイド、リアどこからみてもBMWのコピーだが、モロマネはなく部分似が多いため素人目には「マネ」がわかりにくいかもしれない。ドアノブの線に沿ってエッジを立たせたのが致命的で、これだけはやってはいけなかった部分。
内装デザインに見るべき点はなく、質感も大幅ダウンし軽自動車並になってしまった。皮シボ模様のパネルはいかにもプラスチッキーで、シルバーの部分もノッペリしていて質感がない。天井パネルも中身が無くなってボンつくし、バイザーも素材がグレードダウンしている。サイドブレーキにブーツがあろうが安く見える事に変わりない。
空調騒音は従来通り、問題ないレベルにある。オーディオの音質はオーディオレスだったため不明。
安い外観とは一転して、ボディやサスペンションなど中身には相当お金がかかっている。ドアの閉まり音やウインドウ上下作動音などは先代同様重厚感あふれるものだ。このあたり、「見た目」を優先し見えない所は徹底的にコストをケチるトヨタ車とは対照的だ。
コストの配分にムラがあることも気になる。ボンネットのダンパーやワイパー、ミラーのヒータがそうだ。こんな所を標準にする余裕があるなら内装にお金をかけるべきだろう。グローブボックスのダンパーも贅沢で、1.5Lクラスに付けるような装備ではない。
- 走り
- 以前、インプレッサはSTiでないWRXがベストと予測したが、近隣他県まで含めて試乗車がなかったため検証出来ないままだった。今回のS-GTはこのWRXに相当するものであり、モデルチェンジによってようやく検証の機会を得た。
実際走り出してみると、インプレッサの乗り味がしっかり継承されている事がわかる。一言で言えば「重装甲車」で、STiより100キロ軽くても重ったるい印象はあまり改善されていない。この車重であれば軽快なドライビングを味わえると期待していたがそれは無かった。
コーナを攻めてみるとハンドルを切った以上に曲がる感じで思い通りに走る。ただ4WDはスタビリティが高すぎる感じで面白みに欠ける面は否めない。タイヤ交換の機会が有れば、前輪のグリップを下げてオーバーステアに振るのも手だ。
エンジン音は従来とほぼ変わらずだが、ターボ補機類の音が若干被るようだ。高回転で音はかなり大きくなるが音色は破綻しない。予測通り低速から十分なトルクがありターボとのつなぎも割とスムース。アクセルオンから3秒待たないと加速が始まらないような、高圧縮ターボとは異なる。
クラッチはやや重めだがSTiほどではない。5MTはストロークが短すぎて入りがやや渋い。このあたり、何でも短めがよいと考えるのは間違いだ。とはいえ、STiのように「叩き込む」イメージではない。
乗り心地はとてもよく、乗用車並。17インチ50タイヤでも尖った感じは全く認められないし、ロードノイズもほどんと目立たない。
- 総合
- 新しいインプレッサは従来のスパルタンなイメージを捨て、より一般ユーザ向けに生まれ変わった。従来のインプレッサはパフォーマンスだけが売りで下位グレードに魅力は無かったが、今度は下位グレードがメインであり、しかも中身が手抜きされずしっかりと作られている。
クラス不相応に力の入った中身は、ラリーに出る事情があるからだろう。そのため新しいインプレッサはこのクラスの大衆車では絶対にあり得ない「走りの質感」を実現している。今時の大衆車は見てくれだけで中身が無いから、乗り比べれば一発で違いがわかるだろう。
ラインナップはとてもユニークで1.5LクラスにMTを用意しているところがいかにもスバルらしい。まるで、「MTで存分に走りを楽しんでください」と言っているかのようだ。この1.5Lは排気量に対して車重が重めだが、MTではギア比が低めに設定されており意外と「ハマりもの」かもしれない。
S-GTにはスポーツパッケージがある。17インチのタイヤサイズが205/50であり、轍にハンドルを取られない基準を満たしているからこれでも良かろうが、ホイールデザインがBMWにより近くなる。もともとボディがBMWのコピーだから、コピーをよりよく見せるための飾りなど意味がない。
そのうちSTiも出るだろうが、こちらは例のごとくマニア受けする無駄な装備をゴテゴテ付けて重くなってしまうだろう。ピークパワーを稼ぐために低回転トルクが犠牲になることも予測される。STiのようなチューンアップ(本質的にはチューンダウン)したグレードがメインでなくなり、S-GTのようなモデルが主力になったのは歓迎すべきことだ。
日産 スカイライン250GT TypeP(DBA-V36)
試乗日:2006/12/10
- ボディ・内装
- 外観はフーガの廉価版。多少差別化されているが、パッと見はやはりフーガで、クルマに興味の薄い人には区別が付かないかもしれない。
ドアの閉まり音も含め各種操作系のタッチは3.5L相応で高級感あふれる。空調の音はクラス不相応に大きめで残念。
座った瞬間感じていた高すぎるヒップポイントは改善され許容範囲に。
オーディオは調整をすべてフラットにしてもラウドネスを不自然にかけた低域よりのサウンドで、クラスにふさわしい繊細感、高級感に欠ける。
- 走り
- 出足やアクセルの応答は一見鋭く感じるが、実態はチョイ踏みで一瞬ガバっとアクセルをあける不自然なもの。2.5Lの非力さをカバーするためのチューニングと見られるが、これではヴィッツのカックンアクセルと同じだ。ブレーキもチョイ踏みで鋭く制動が立ち上がるカックンブレーキで微妙な制動力の調整ができない。実際コーナを攻めてみると、これらのせいでとても走りずらい。この特性はお年寄り好みのチューニングで、とてもスポーツとは呼べるものではない。
ロードノイズはとても小さく高級車にふさわしい静粛感がある。
ステアリングフィールは一級品で重たいクルマなのにそれを意識させない。カックンアクセル&ブレーキがなんとかなれば、そこそこ操る楽しさを味わえるだろう。
VQエンジンのフィールは進化。VQ固有のざらつき感を極力押さえ込んで高回転まで一定の音色をキープする。しかしVQ固有のガサツな音色は相変わらずだ。NVをいくら押さえても、高調波成分の出方を変える工夫をしない限り、「ガサツ」という評価は無くならないだろう。
5ATのマニュアルモードは今回も応答が遅すぎて役に立たない。ただマニュアルモードにするとアクセルの挙動が自然になって本来のパワーフィールが確認できる。これは「スノードライブモード」として使えるだろう。
- 総合
- 1.5トンを超えるのに意外に重たい感じを受けない。このあたり、スカイラインの名を冠することでチューニングの苦労が伺える。カックンアクセルは3.5Lになればまた様子も変わるだろう。
試乗した帰り道、日頃重く感じていた自分のクルマ(R34)が軽く感じた。やはり、V36は重たいクルマだったのだ。同じような経験が過去にもある。R34を試乗後、自分のR32に乗ったときだ。どんなに技術が進歩しても慣性の大きさはごまかし切れない。
今度のスカイラインもスポーツカーではない。スポーツの味付けをした「ラグジュアリーセダン」である。フーガのスポーツテイストバージョンと考えて買えばとても良いクルマといえる。
それにしても、アクセルやブレーキの過敏な挙動はどうしたことだろう。アクティブステアもかなりそれを意識させるセッティングになっているという。国産車のアクセル、ブレーキは初期操作を大きくする傾向といわれるが、これはあまりにひどい。もともとHICASなどスカイラインの走りの機能は、さりげない動作をするものが主体で、これほど極端なことはしなかった。
一番問題なのは、これらの特性・機能がスポーツテイストを演出する為のオマケであって、走りの性能を高めることには何の寄与もしていない、むしろ有害になっていることだ。これは結局、レースに出ない前提があるから許されるのだろう。
車重が1.5トンを超えると維持費の面からしても営業的に不利ではないだろうか。2.5Lならせめて1.4トン台に押さえてもらいたいところだ。
シートやステアリングのパワー機構も気に入らない。これらは足腰の衰えたお年寄り向けの装備で、高級車は年配のユーザーが多いから必須かもしれないが、スポーツを名乗る場合は軽量化を優先し撤廃すべきものだ。
スバル レガシィ 2.0GT spec.B 5AT(TA-BP5)
試乗日:2006/4/1
- ボディ・内装
- 外観のアイデンティティは健在だが内装のインパネやダッシュボード、メータ周りのデザインは相変わらずで、最近のクルマと比較するとかなり見劣りする。シートのホールドはいい方だがツヤのあるナイロン地は安っぽく感じる。
各種操作系のタッチはクラス相応、空調の音も相応といえるだろう。ドアの閉まり音はスバルの車種に共通してなかなかよい。
プレミアムサウンドシステムはレガシィ専用に音響設計をした形跡が無く、社外オーディオをそのまま取り付けたような音である。
- 走り
- ATでは低回転トルクの欠点が目立たずタコの針はスムースに上昇、加速する。カタログ上トルクは2400回転でピークに達するが実際の加速は3000回転から。ターボラグははっきり感じられアクセルを踏み足してから2秒くらいで所定の出力に到達する感じである。これだけラグが大きいとハイパワーのメリットは感じられない。
排気干渉が消されたボクサーエンジンのフィールは平凡で特徴が無く、最近の良くできた直4と比べると音色にざらつきがあり振動も大きめ。
ロードノイズもやや大きめで、最近の基準からすると静粛性に欠ける。
1.4トンを超えるボディはやはり重たく感じる。慣性の大きさをパワーで補うことはできない。
ステアリングフィールは軽く接地感が薄い。ブレーキフィールもスポンジーで今ひとつである。
- 総合
- レガシィは最近売れなくなったと言うが、乗ってみてその理由がわかった。走りが古いのだ。クラス不相応に高い値付けも問題である。昔はこれを「プレミアム」分として納得させることが出来たが、現在では他車が進化して相対的に魅力が薄れてしまった。
特にレガシィのGT系は、ターボラグを強く感じる下品なエンジンフィールや走りの質感からいって、とてもプレミアムと呼べる内容ではない。レガシィはよくBMWと比較されたが、最近の3シリーズとは比較対象にもならない。
レガシィは何度かFMCを繰り返してきているが、それはフロントのお面など見た目や装備がメインであった。外見をいくら新しくできても、エンジンが変わらないままでは、古くなるのは必然といえる。
レガシィはもともと走りの質感を高め、高額な値付けを正当化していく戦略ではなかったか。4WDはその手段であったはずだが、現在では、値段を高くして燃費を悪くするだけの余計な付帯部品になってしまった。未だ下品なターボが主力というラインナップにも問題ありだ。
トヨタ ヴィッツ(DBA-KSP40 1L CVT) 〜あのフラットな乗り味はどこに行ってしまったのか
試乗日:2006/1/29
- ボディ・内装
- 外観は先代のイメージを継承しつつオラウータン風、内装は安い素材を上手に利用してモダンで前衛的なデザインにまとめられている。黒とシルバーを基調にしているため一見スパルタンでもあり、このインテリアデザインは冒険的ともいえる。
シートはヨーロッパで売られることを意識しているのか、先代同様とても良い。
各種操作系のタッチは安物で空調の音も大きめ。ドアの閉まり音だけはよい。トヨタ車のドア閉まり音は、ヴィッツから高級車までほぼ同じ、こんなもんである。
- 走り
- 1Lのヴィッツはガラガラいうガサツなフィールで、音も大きい。エンジンフィールは軽自動車と同じか、軽の方がいいくらいである。
Dレンジのアクセルフィールは、チョイ踏みでガバッとスロットルが開く不自然なもの。ターボ車が信号スタートで置いて行かれるわけである。確かに直線の出足はいいが、交差点を曲がる途中で踏むと急に加速して怖い思いをする。これは、「カックンアクセル」と呼ぶべきか。
ステアリングフィールは先代MC後ヴィッツ同様センター付近に曖昧さのあるものの、クラスにしてはなかなか良い。
乗り心地はやや硬めでロードノイズや揺れも大きい。先代のMC後ヴィッツで見られたような、フラットな乗り味は消えてしまった。今回の新型はサス周りを徹底的にコストダウンしたようである。
- 総合
- トヨタ車は見えないところの手抜きが酷いというのが通説だが、今回のモデルチェンジでは、サスペンションを手抜きしすぎたのではないだろうか。エンジン音やロードノイズからすると、遮音材や制振材も相当、省略したようである。これまで、このような手抜きは、一般ユーザにわからないレベルで実施されてきたが、今度の手抜きはひどく、一般ユーザーでも解ってしまう。それでも勝算があるのか、わからないが、ちょっとユーザーをなめ過ぎではないかと思う。そのため、ヴィッツのドライブフィールは軽自動車と変わらないどころか、むしろ悪いくらいである。
ヴィッツは今のところ、先代のMC後1.3Lがベストといえる。今回の新型は、素人目に最もわかりやすい、「見た目」だけが勝負のクルマである。
BMW New 320i 330i(E90) 6AT
試乗日:2005/9/10
- ボディ・内装
- 格好悪い、デカいとかいろいろいわれているE90シリーズだが、実物はそれほど悪くないし、面の構成がより複雑なところからも新しさを感じさせる。これも結局慣れではないかと思う。幅が広いせいか室内はとても広く感じさせる。
空調の音は優秀、風量最大でもさほどうるさくならなず、内気、外気の切り替えによる騒音の変化も少ない。
オーディオのレンジはそこそこでクオリティも高くは無いが、聞きやすい音色に調整されている。330iではピラーにもツイータが追加されるが、もともとユニットが高い位置に配置されている関係上、指向性の問題も少ない為、ツイータが付いたところでそう大差ない印象である。
ドアの閉まりはカッチリとした剛性を感じさせるフィールで、国産車が模範にしているがなかなか超えられないもの。このフィールは、ドアヒンジやドアにヘナヘナ感が一切なく、閉めた瞬間振動が尾を引かない。そのため、ドアがまるで一枚の高剛性板のように感じるのだ。カッチリした感覚は、最後に金属的なロック音がするところに起因している。この感覚は4枚のドアすべて同質である。
シートはノーマルがベスト、革張りはホールドが悪く、この種のクルマにマッチしない。
パワーウインドウの上下フィールは標準的。
ウインカーとワイパーのレバーは国産車と左右が逆だが、タッチそのものは高級車らしい品位のあるもの。
330iで標準で付いてくる純正ナビは、はっきり言って使いにくい。手元に大きいジョグダイヤルがあってこれは便利なのだが、その機能の割付やメニューの構成が決定的にダメだ。画面も狭く、ボヤっとしている。ディーラオプションで用意さているものの方がずっと優秀だし、共同開発したという取り付けジグもまるで純正のような一体感があって好ましい。
パナソニックと共同開発したというBMW専用のオプションナビ。CN-DV155FDブラック+専用取り付けジグのセット。使い勝手が良く、視界も遮らない。まるで純正のような一体感がある。
- 走り
- 320iは4気筒2L、330iは6気筒3Lという違いがあるが、音色はどちらも「ジュイーン」というもので、モータに近い感覚だ。4気筒と6気筒の音の差は、爆発間隔の差に起因する音の連続性のみで、驚くことにベースは基本的に同じ音、音量である。4気筒は高回転でも音量があまり増大せず、まるで6気筒のよう。これを6気筒と言えば、誰も疑わないかもしれない。
ステアリングフィールは、どちらも車速感応による制御が弱めなのか、低速では重いが速度が乗ってくると軽くなり、まるでカミソリのように鋭い応答性を示す。それは反面、直進の不安定さや緊張感に繋がるのは事実だが、そこは適度な摩擦トルクがあって、不安を感じさせるほどのふらつき感はない。とはいえ、国産車から乗り換えると、「応答が敏感すぎる」と感じる人もいるだろう。これは結局ステアリングジオメトリによるものだが、国産車では絶対に無いセッティングである。
このステアリングフィールはつねに運転を意識させる、悪く言えば神経を使うもので、好きな人にとっては代え難いものであり、運転がおっくうで、出来るだけ楽をしたいと思う人にとっては、邪魔に思えるだろう。
320iはベースが2Lのため、踏み込むと加速が鈍いことを感じるが、6ATとのバランスが良く、普通に走る分には非力さを感じさせない。雑誌等でよく言われているように走りは320iの方が軽快で、330iは車体やエンジンが重い分、慣性の大きさを感じる。
剛性感の高い乗り心地や、フラットな乗り味は、サスの動きが大いに関係していると思われるが、これは最近の国産車も追いついてきている。
どちらもロードノイズは小さいが、エンジンがそれ以上に静かなため、Dレンジで走るとエンジン音はロードノイズに埋もれてしまってほとんど聞こえなくなる。
320iの乗り心地はスポーツと快適性がハイレベルでバランスされているが、330iの足回りは固められており、荒れた路面では突き上げ感がある。年配の人には、硬過ぎると感じる人もいるだろう。
6ATは変速ショックをまったく感じさせないスムースな加速を実現しているが、弊害もある。多段ATのメリットは燃費にあり、ATのプログラムもスポーツではなく燃費重視になっているようだ。そのため、大排気量エンジンとの組み合わせでは、つねに最適ギア(ハイギア)となり、キックダウンの応答も鈍いため、「パワー抜け」を感じる。
例えばDレンジで走り出すと330iでは2000rpm付近で勝手にどんどんシフトアップしていくためタコの針があまり動かなくなる。そこでもう少し加速したいと思ってアクセルを踏み足しても、クルマが応答せず、重鈍に感じてしまう。これは巡航速度からのチョイ加速でも同じで、その挙動は2000rpm付近に「トルクの谷」が存在するかのように錯覚させる。
6ATにはマニュアルモードもあるが、これも結局MTのダイレクト感には遠く及ばない。最初ちょっといじったら後はずっとDレンジに入れっぱなしになるだろう。
- 総合
- BMWはエンジンとステアリングフィールが突出した、とても個性的なクルマである。そのエンジンは相当ハイレベルと感じるが、どうやら、BMWはモータを目標にエンジンを開発しているようで、同じ直6でも、国産の直6とは音質が全く違って聞こえる。どちらがいいかは、個人の嗜好だろう。
3シリーズは乗り心地とハンドリングを高度にバランスさせた「ラグジュアリースポーツ」といっていいが、3Lと6ATとの組み合わせはラグジュアリーの面が突出してミスマッチだ。アクセルフィールが完全にスポーツで無くなってしまうし、マニュアルモードは解決手段になり得ない。滑り止めの無い革張りシートも同様で、「曲がる」ためのクルマの装備としてみた場合、不適当な仕様である。
2.5Lの325iは車重が1.5トンを超えており維持費の面で損である。E90が出るとき旧シリーズに駆け込み需要があったというが、E46シリーズの最終型を入手するのは賢い選択だったかも知れない。
BMWは3シリーズも重くなってしまった。BMWのコンセプトである「駆けぬける歓び」を味わえるのは、一番下に位置する320iのMTしかなさそうである。クルマの性格からしても、やはりMTが合っているし、4気筒のフィールは決して安物ではない。
BMW MINI COOPER S 6MT , COOPER カブリオレ 5MT
試乗日:2005/8/28
- ボディ・内装
- 前後を極力切りつめて4つのタイヤをコーナーに配置したデザイン、キュートなフロントマスクは万人が評価する通り。左右の窓が大きく、中が丸見えに近いため、乗っている人がよく見える。そのせいもあって、女の子が乗っていると、目立つ上にとてもかわいらしく見える。
室内は国産車離れしたレトロチックなデザイン。インパネは完全左右対称で、ハンドルがどちらについても変更が最小になるように出来ている。ただ全体的な質感は低く、ヴィッツやマーチとそう大差ない。大きなセンターメータは安物のアナログ時計を見ているようだ。
空調の音は優秀で、風量最大でもさほどうるさくならない。特に内気、外気の切り替えで全く音が変化しないのは立派である。
オーディオのレンジは広くないが低音を良く効かせており、走行中にちょうど良いバランスで聞けるような調整になっているようだ。オプションでパワーアップも可能なので、エンクロージュアはかなりしっかり作られているようである。
パワーウインドウの上下は標準的なもの。締めるときガラスが少し下がる余計な機構のため、ドアを締めたときの音はあまり良くなく「ベン!」という感じ。
シートはドイツ車らしくしっかりしたもので脊椎に確かな反力を感じる。リアシートはお尻を沈み込ませることで狭いながらもレッグスペースを確保しており、大人が乗っても窮屈な感じは少ないだろう。
ウインカーやライトのスイッチフィールはオモチャレベル。ウインカーとワイパーのレバーが左右逆のため、試乗中は間違えて何回もワイパーが動いてしまった。
アクセルとブレーキベダルの距離が離れすぎていて、クラッチに寄りすぎている。最初、ブレーキペダルが無くなったかと思ってあせった。ブレーキを踏みながらカカトを使ってアクセルを煽るような操作は最初から考えられていない。
- 走り
- エンジンは回転に比例して音は大きくなるものの、音色の変化はほとんど無いく優秀。
スーパーチャージャー付きのクーパーSは軽いボディとあいまってなかなか鋭い加速をする。低回転からトルクがありターボのような不自然なパワーの盛り上がり感は少ない。体感的には3.5LのフェアレディZに近い。パワーウエイトレシオを計算してみるとミニS(1180kg/220ps)と、Z VerS(1440kg/280ps)はかなり近い関係にある。
6MTのストロークは長いほうだが入りは悪くない。ただ5−6速のゲートに金属のエッジをこするような感触がある。やはり6速より5速のフィールの方が良い。いずれも操作によってゴトゴト音が出る。これは好みの分かれるところ。
クーパーSのブレーキはタッチが鋭く優秀、クーパーの方はごく普通である。
ステアリングフィールはどちらも優秀で重さも適度、余計な遊びも無い。
クーパーSのクラッチはかなり重いが、クーパーは適度な重さであり運転しやすい。
乗り心地はドイツ生まれということもあってかなり硬質でゴツゴツしており、優れた外見と裏腹に、クーパーに乗り心地の良さは期待できない。クーパーSは相当厳しい乗り心地といえる。クーパーも国産車と比較すると結構硬めで、ロードノイズも大きい。走りの質感はヴィッツなど最近の国産とは比べものにならない。まるで10年以上前の国産コンパクトカーのようである。
カブリオレのボディ剛性は明らかに不足、ちょっとした加振力でボディがブルブル、ワナワナと振れる。水漏れのトラブルも聞くし、これは選択しない方が無難だろう。
- 総合
- 見た目と機能だけが高級車並で、走りの質感は国産のコンパクトカークラスと同等以下のクルマである。走りの質感やクルマとしての完成度は、最近の国産車の方がずっといい。クラスに不釣り合いな付帯機能が沢山付いてくるおかげで、価格はかなり割高である。
クーパーSだけは特殊で、重い操作系、鋭い加速、硬い乗り味、ロードノイズなど、総合的なドライブフィールはフェアレディZと大変よく似ており、ミニZと言っても過言ではない。
最も下位のONEは屋根の色を選べないが、乗り心地は最もソフトで日本に適している。女性が買うなら、ONEがお勧めだ。
富士重工 NewインプレッサWRX STi(GH-GDB) 6MT
試乗日:2005/8/20
- ボディ・内装
- 前後を切り詰めたボディは小柄だが、以前と異なり安っぽい見栄えは払拭されている。飛行機をモチーフにしたといわれるフロントグリルの意見は分かれるところだが、実物をみると悪くない。背が高いため後席も狭い印象は無く、トランクスペースも十分と思える容積を確保している。
インテリアの質感も向上し、クラス標準といえるレベルになった。
レカロ風の深いバケットシートも改良され、堅いだけだった以前のシートに比べると座り心地もだいぶ良くなっている。
空調の音は相変わらず最大にしても不快な風切り音が小さいが、モータの回転音が一緒に聞こえるのがやや気になる。
試乗車はオーディオレスだったため音質は不明。
パワーウインドウの上下は重厚感があるタッチで変わらず。
ドアの閉めたときの剛性感と質感はかなり高いが、窓をあけた状態だと振動が尾を引く感じがして今ひとつである。
ライトなどスイッチ類の質感は向上し、クラス相応のレベルになった。
- 走り
- エンジンは回転に比例して音は大きくなるものの、音色の変化はほとんど無い。4気筒の中ではベストに近い。排気音もごく普通で以前のようなドロドロいう特徴はなくなった。
6MTのシフトレバ−は長めだが、数センチの極端なショートストロークとなっており、入りもややシブく、シフトチェンジは叩き込むイメージに近い。
ブレーキのストロークも極端に少なく踏み始めるとすぐに効いてしかもカッチリとしたタッチが感じられる。これは大変素晴らしい。
ステアリングフィールに問題はまったく無くなった。とてもなめらかで、重さも軽すぎることなく、余計な遊びも無い。
クラッチはかなり重い部類に入る。長時間ドライブでは、間違いなく疲労に繋がるだろう。
乗り心地は足回りの堅さを感じさせる割にフラットな感覚があり突き上げもキツくない。以前に比べるとかなり乗り心地は良くなっている。
低回転ではトルクが細くアクセルを踏み込んでも反応しないが、3,000rpmを超えたあたりからターボが効き始め、3,500rpmからターボらしいグッとくる加速感がある。ただエンジンは低回転トルクを犠牲にして最大トルクを稼いだ色合いが濃く、低回転時のパワーフィールは1.5Lクラスにも劣る感じがする。こういう低速トルクが弱いクルマは普通にクラッチをつないだ場合のスタートが遅く、信号スタートで普通にアクセルを踏んでいる軽のオバチャンにも負けるといった事態が起こる。
車重が1.4トンを超えるためR32 GT-Rのような軽快さは無い。ボディ剛性の高さと重さの両方を感じさせる走行フィールは、「装甲車」をイメージさせる。
履いているタイヤのせいもあるが、走行中のロードノイズはかなり大きい。この点だけは以前より退化しているようだ。
- 総合
- クルマとしての内容は前回の試乗車に比べ大幅に進歩しており、インテリアやエクステリアのネガはほとんど無くなった。しかし2Lクラスで1.46トンはいくらなんでも重過ぎないか。2.5L直6エンジンを乗せるR34スカイラインより重いのだ。
2Lのターボといえば運動性能と動力性能をバランスできる組み合わせといえるが、このような構成のクルマは今や希少になりつつある。これも結局ボディの大きさや重さが小さくて済むところから来ているのだが、1.4トンを超えてしまうとそのメリットも消え失せてしまう。
インプレッサを買うならノーマルのWRX 5MTがベストではないか。STiより100kgも軽いし、エンジンのトルク特性も好ましいカーブになっている。
トヨタ ヴィッツ(MC後、1.3L CVT)
試乗日:2004/11/1
- ボディ・内装
- MC後のインテリアは質感が若干向上しライバルに比べアドバンテージを持つようになった。エクステリアのデザインは素晴らしく、未だに色あせない。ただセダン版のプラッツはあまり売れなかったためか、ベンツのサルマネカーに成り下がり、デザイン的なオリジナリティは消滅してしまった。
今までの例からすると、トヨタ車はどこかを良くしたら、その分別のところを手抜きして原価をトントンにしているのが通例だ。今回も、目に見えないところや、一般ユーザーがわからないようなところを少しずつコストダウンしている。たとえばワイパーを駆動したときリレーの音がカチカチと聞こえ、ステアリングフィールもセンター付近に非線形な不自然さがみられるようになった。
ただ純正のCD&MDコンボはラウドネスがよく効いた聞きやすい音質に仕上げられており、このあたりは従来では考えられないくらいレベルアップしている。
- 走り
- 試乗車はCVTであり日産車のものよりタイムラグが少なくATから乗り換えても違和感があまりない。このクラスのクルマにCVTが乗るのは、CVTの製造原価が安いためである。
サスの動きが改良され、突き上げに対する緩衝が向上して乗り心地もレベルアップしている。特に、揺れが少なくスーッと前に進むようなフラットな乗り味は、高級車のそれに近い。
MCによって1.3Lが追加された。1.0Lの軽自動車的なフィールはなく、1.5Lに匹敵する質感を備えており、しかも燃費が良いという、最もバランスのとれたものになっている。低速トルクが太く軽い車重とあいまってキビキビ走り、高速以外では1.3Lの非力さを感じることはないだろう。
- 総合
- もともと完成度の高いクルマであり、すべてが限られたコストの中でバランスよく仕上がっている。ライバルのマーチは、外観にコストをかけすぎて内装が最上級にチーペストである。
ヴィッツ/プラッツの中では若々しいデザインからハッチバックのヴィッツが人気だが、限られたスペースの中で後席のスペースを確保しているためトランクスペースがかなり犠牲になっている。これはセダンのプラッツを選べば解消するが、プラッツはMCによってベンツのコピー商品になってしまった※。
※プラッツはヴィッツのセダン版なのだから、デザインを変えるなら、よりヴィッツに近づけるべきであった。ところが、こともあろうにベンツに似せてしまったのである。ベンツに似せれば、少しは売れるとでも考えたのだろうか。いずれにしてもこの安直なデザイン変更によって、プラッツはヴィッツのセダン版という立場を無くし、かといってカローラとの区別が曖昧という、中途半端なワケのわからないクルマになってしまった。
日産 ティーダ 15M
試乗日:2004/10/31
- ボディ・内装
- ティーダには5ドアハッチバックと4ドアセダン(LATIO)の2種類がある。5ドアの価格表にはステーションワゴンと書いてあるが、これはどうみても5ドアハッチバックである。これをステーションワゴンと呼ぶのは営業的な都合と思われるが、未だにレガシィの影響を引きずっているようで情けない。ティーダはレガシィとは全く違う新しいコンセプトのクルマなのだから、自信を持って5ドアハッチバックと名乗ればよい。
5ドアのリアデザインはヴィッツの延長にあるもので、若々しいイメージがある。LATIOのリアデザインはメルセデスのコピーだが、トランクルームは、LATIOの方が圧倒的に広い。
ドアの閉まり音をはじめ各種操作系は上級車に通じる質感を持っており、なかなかである。ナビを付けると操作系が統合され、まるでフーガのようである。センターにあるスイッチはスティックのようにみえるが可倒できず単なるジョグダイアルで、ボタンが分かれてしまっているため操作がややしずらい。
エアコンの空調音はかなり大きめである。
オーディオの交換は容易でないが、15Mについてくるオーディオの音はなかなかもので、これだけの音質であれば特に不満はないだろう。
シートはかなり柔らかめでドイツ車的な硬めのシートとは方向が異なるが、座り心地はなかなかよく、快適である。15Mの後席シートは左右分離しておりリクライニングが可能である。このクラスでは申し訳程度の一体シートしか付かないことが多いが、後席にこれだけのシートが付いてくるのは驚きである。長時間の長距離旅行にも不満はないだろう。
- 走り
- 試乗車はCVTでありアクセルを踏み込んでもワンテンポ遅れて加速するため違和感がある。フィールからいえば明らかに4ATの方がよいが、2WDだと4ATは最も下位グレードの位置づけであり装備の面で不満が出てしまう。カタログ上の燃費はCVTの方がよいが、これは最高変速比にカラクリがある。トランスミッションの効率は本来ATの方がよいので、乗り方によって逆転することも十分考えうる。フィールや効率の面で劣るCVTが上位モデルになっているのは、CVTの方が製造原価が安く、利益率が高いからだろう。
エンジンは4気筒で音は回転に比例して上昇し、音はやや大きめだが、音色は一定でまずまずである。
走りはロードノイズが低く押さえられ、サスの動きもなかなか上質で、まるで一昔前のビスタ、アルデオクラスに匹敵する。ただステアリングフィールは甘さがあり、この点はマイナーチェンジ前のヴィッツ/プラッツのほうが優れている。
- 総合
- ティーダは2Lクラスのドンガラにコンパクトカーのエンジンを載せたようなクルマである。コンパクトながら上級車的な雰囲気を味わえるが、回転数が上がるとエンジンノイズが上昇し、インテリアや乗り味の上質さとの間にギャップを感じてしまう。結局クルマというのはエンジンの排気量で決まる車格にふさわしいインテリア、乗り味というものがあり、その観点からするとティーダは中途半端な感じがしてならない。こういうクルマは、営業的にもかなり難しいのではないだろうか。
変速機は効率が悪く違和感のあるCVTを減らして4ATを上位グレードに追加してもらいたい。現状のラインナップでATを選び装備を満足させようとすると15M FOURしかなく、余計な機能(4WD)がついて最も高い買い物になってしまう。
日産 フェアレディZ VersionS
試乗日:2002/10/13
- ボディ・内装
- 前後のオーバーハングを切りつめたボディに大口径アルミはとてもスポーティな印象を受ける。レーザー砲を連想させるフロントライトは前をゆくクルマを威圧する。内外共に、本格スポーツを漂わせる雰囲気十分である。リアのデザインは特徴的だが、ソアラとよく似ていてクルマに関心の無い人には区別がつかないかもしれない。
ドアノブは内外共に金属製だが、メタリック塗装のせいでプラスチックに見えてしまい、安っぽい印象を受ける。ドアの開閉音もベ〜ンと振動が尾を引く感じで情けない。
インテリアはデザイン重視のためか、使い勝手は悪いほう。収納ボックスをはじめ、カップフォルダーは腰をストレッチしないと手が届かないし、ドアの開閉にしろ、自然に手が延びるところにあるべき物がない。これはロードスターにも共通する欠点である。
エアコンとナビのスイッチ操作感は高級なタッチ。だが純正オーディオのスイッチは今ひとつである。ドアロックのシーソースイッチは堅くて使いにくい。
空調騒音はこのクラスとしてはまあまあのレベルにある。スポーツカーはエンジンやロードのイズが大きいので、大して気にならないだろう。
傾斜の強いガラス越しに見るルームミーラーの後方視認性はかなり悪い。サングラスホルダーが上端に写り込むのもマイナス点。しかしZに乗ったら後ろを気にする必要などないからこれでいいのだろう。
- 走り
- 排気量が大きいだけあって低回転から十分なトルクがあり、どんな状況からでも必要にして十分な加速が得られる。絶対的な動力性能、加速感ではターボを搭載するクルマにはかなわないが、公道ではこれで十分である。
エンジン音を良く聞かせるためか、防音防振材を減らしたV6エンジンの音は、ガラガラいう感じで、スポーティなフィールはない。かといって高級でも、官能的でもない。悪く言えば、ガサツである。
エンジンの騒音に比例して振動も室内によく伝わり、特にクラッチに伝わってくるバイブレーションが結構大きいので、これで左足の血行が良くなるかもしれない。高回転になってもエンジンの音色そのものは変化しないが、振動でドアやボディがビビって不快な音が被さる。
シフトは手首を返すだけでカチカチ決まる心地よいフィールだが、走行中に操作すると引っかかりがあってやや入りにくい。これはZに限らず、6速シフトに共通する欠点のようだ。
乗り心地はゴツゴツした感じがあり、かなり固めであるが、公道上で使うことを意識して不快でないレベルに仕上がっている。
ブレンボ製のブレーキはフィールが素晴らしく、初期制動からカッチリ効くし効き方もリニアである。
シフト、クラッチ、ステアリングなどすべての操作系が重い。ただこの重さはスポーツカーとしてみる限り適当なものだが、こういった特性はゴツゴツした乗り心地とあいまって長距離ドライブでは疲労につながることも念頭におく必要がある。疲れを気にする人はATを選ぶといいだろう。
Zには革張り仕様もあるが、経験上滑りやすいのでファブリックをチョイスするのがベストだろう。
- 総合
- インテリア、エクステリア、ブレーキ、動力性能、操作感覚等、スポーツカー内容を一通り備えているが、ガサツなエンジンフィールは大きな欠点だ。
本格スポーツとはなんなのか、考えさせる部分もある。ガラガラいうエンジン音、クラッチに伝わる振動等がそうだ。ユーティリティの面でも細かい問題が多い。スポーツカーとは、使い勝手や、振動騒音を我慢して乗る車なのか。これで、気持ちの良い走りができるのか。疑問は尽きない。
トヨタ セルシオ(H5年式)
乗車日:2002/8/5、走行10万キロ以上
このリポートは約3時間程度乗せてもらった印象であり、実際に運転したわけではない。
- ボディ・内装
- フロントはベンツ、リアはBMWというトヨタおなじみのパターン。しかしこの種の高級車にふさわしいボディのボリウム感や押し出し感は一応備わっている。
セルシオは塗装がいいはずだが、さすがに9年目になると擦り傷だらけで日焼けもしている。
内装は最高級車にふさわしい内容、作りになっており、細かい部分にまで徹底している。
ドアの閉まり音にはそれなりの重厚感があるが、補強が徹底して入っているせいかドアそのものが非常に重たく、開閉がややしんどい。
フロント、リアシート共に特に広いというわけではなく、トランクルームも程々の容積である。この点で比較してしまうと最近のミニバンのほうがよほど広く、実用的といえる。しかし、高級車というのはもともとそんなものであり、同じお金を出すなら、人がたくさん乗れた方が、荷物がたくさん載せれた方がトクと考えるような価値観の人には、とうてい理解できないだろう。
エアコンの空調はHI,MID,LOとあるが、MIDの騒音は通常の乗用車のLOと同程度である。
ルームランプは徐々に光量を落としていく仕組みだが、光量の落ち方が階段的であり、今ひとつである。一般車のようにいきなり消灯するような無粋な切り方をしないための配慮かもしれないが、あまり成功しているとは思えない。
- 走り
- 自分で運転したわけではないので残念ながらエンジンやステアリングフィール、ブレーキフィール等は全くわからない。
高い静粛性を誇るセルシオだが、通常の速度域ではロードノイズが支配しており、あとは加速時とアイドリング時にエンジン音が若干聞こえる程度、風切り音は全く聞こえない。室内は測定上、どのクルマよりも静かなはずだが、ロードノイズが目立っているせいで、聴感上は、それほど静かという印象はない。しかし、衣服の衣擦れ音が結構聞こえることからすると、相当静かなことが伺える。
しかしこの静けさも、それに慣れてしまうと意識されなくなってしまい、ビスタ・アルディオあたりを乗っている人なら、自分のクルマと大して変わらないんじゃないかという印象を持つかもしれない。
エンジン音はアイドリング時が最もうるさく、こもり音に近いドロロロという音が室内に入ってくる。この点は、ストレート6のほうが静かに聞こえる。
リアスピーカのグリルが若干ビビっており、いかにセルシオといえど、9年10万キロの年波には勝てないのだろう。
- 総合
- 高いクオリテイと静粛性を備えるセルシオは、高級車としての資質は確かにある。しかし、実際購入を考えるユーザーは、これだけのお金を出して買う車に、ベンツに酷似したフロントマスクが付いていることについてどう感じるだろうか。
このクルマが買えるユーザーは、それなりのお金持ち、地位の持ち主であり、それに見合う価値観も備えていることを期待したいところだが、高価なクルマに乗っているというだけでステイタスを得ることが出来る、または他人からそう見られるだろう、と思う人は多い。そんな人たちは、フロントマスクが何に似てようが、まったく問題にしないだろう。
しかし、それなりの価値観を持つ人から見れば、どんなに中身が良かろうが、所詮、ベンツのニセモノでしかない。ある評論家が言うように、セルシオがベンツやBMWのマネから脱却しない限り、世界で高級車として認知されることは、難しいだろう。
日産 R33スカイライン25GT
試乗日:2001/9/22、走行6万キロ
- ボディ・内装
- インテリア、エクステリアともに破滅的であり、R32型と比べると2ランクはダウンしている。それでもディティールが明瞭にわからない黒系のボディ色ならまあまあみれる。最初は不細工に見えても、しばらく乗っていると見慣れてきて、それほど悪いとは思えなくなる不思議なところがスカイラインにはある。
空調騒音はR32より静かになっている。
ウインカーのレバーのタッチは安いファミリーカーのレベルに落ちている。
R33型で特によくなったと思えるのはオーディオである。ピラーにツイータの付くサウンドシステムの音は落ち着いた上質な音色で、R34に近いものがある。
ラジオのアンテナはロッドアンテナになっているため、とても入りがいい。
R32ではトランクルームが狭いと不評だったようだが、R33型でもそれほど広いとは思われない。
- 走り
- 走り出した瞬間に、おっ、スカイラインだ、と思わせるフィールを感じる。R33は、スカイラインの乗り味をしっかり継承しており、確かにスカイラインだと思わせるフィールを備えている。R32を乗ってきた人が、乗り換えても何ら違和感を感じさせない。この、スカイライン固有の乗り味は、R34に受け継がれ、そこで幕を閉じた。
ブレーキは初期制動が甘かったR32と異なり、しっかりと効くようになっている。
ロードノイズもR32より小さく押さえられている。
エンジンフィールもR32から若干進歩している。高回転の音色は変化するが、まあまあ許せるレベルにある。
しかし走りの質感、エンジンフィールも含めた全体的なフィールは、やはりR34には遠く及ばない。それほど、R33から34への進歩は大きいといえる。
ただ、このモデルも天井パネルから異音が出る。この問題は、R34になっても改善されなかった。
ある評論家が、「トランクが狭いというネガをつぶすためホイールベースを拡大した結果、すべての魅力を失い重鈍になってしまった」、などというものだから、それが通説になってしまっているが、実際乗ってみた感じからすると、どうも疑わしい。R32からR33のモデルチェンジに関して言えば、少なくとも重鈍になった、という印象はなかった。それをいうなら、R34についてだろう。
- 総合
- スカイラインが人気を落とした原因は、やはりこのインテリアとスタイルにあったと思う。不幸なことに、「重鈍」という誤った通説がそれに追い打ちをかけていた。しかし、その通説は、実際に乗ってみて間違いであることがわかった。やはり、乗ってみないとわからないものである。R33までは、キビキビと軽快に走るフィールを存分に味わうことができる。
日産 スカイライン250GT(GH-V35)
試乗日:2001/6/30
- ボディ・内装
- 従来のスカイラインイメージが残っているのはフロントバンパーだけであり、他の部分はまったく別のクルマと言っていい変わり様である。全体としては、プリメーラと同じく、新しい時代を感じさせるものになっている。しかし、フロントのイメージはどことなくメルセデスである。
燃料タンクを後部座席下におくことで、リアのオーバーハングを切りつめつつ、トランクルームの容積確保に成功している。リアのオーバーハングが切りつめているおかげで、スポーティなイメージが出ている。このあたり、間延びしたR34とは大違いである。
トランクのノブに手を入れるとラバーで覆われたスイッチがあり、ドアロックがはずれていれば開くことができる仕組み。ドアロックとトランクロックは共通化されており、トランクオープナーなるものは存在しない。
運転席に座って第一驚いたのは、ヒップポイントの高さである。これはもう、ふつうの乗用車と変わらない。シートはすべての調整が電動になっているが、最低にしてみてもまだ高すぎる。
エアコン、オーディオ、ナビのスイッチの操作感はプリメーラとは違って質感が高い。ウインカーやワイパーのレバーは、最近の日産車にみられるずんぐりむっくり形で、フィール的にも今ひとつである。
天井の内張には吸音材が詰まっていて、サンバイザーをあげても、R34のような無粋な音はしない。
メータはR34よりはいいが、平面的でもうちょっと高級感がほしかった。
ドアの閉まり感覚やウインドウガラスの上下はクラスとしてはちょっと落ちる。
エアコンの空調はR34よりは多少静か、クラス標準といっていいレベル。
ボーズサウンドシステムはひずみっぽい低音がよく利いたボーズの正統サウンドだが、このクルマにはミスマッチである。
- 走り
- 走り出した瞬間感じるのは、高い静粛性と揺れの少なさである。V6エンジンは、これまでのストレート6とフィールが明らかに異なるが、これはこれで、静かでスムースといえる。
路面がでこぼこしていてもクルマの傾きが少なく、突き上げもよく押さえられている。サスがヤワヤワかというとそうではなく、路面の手応えから、そこそこ固められていることが伺える。とはいえ、R34GT-Vよりはずっと柔らかいセッティングで、ロールも大きい。
ステアリングフィールはなめらかかつスムース。ただステアリングの重さはR34より軽めになっているので、曲がりやすい操舵感が強調される結果となっている。
ブレーキフィールはR34ほどではないが、必要にして十分といえる。
ハンドリングは一級品といっていい。この乗り味は、トヨタなど他のメーカにはない、日産車独自の味といえる。ただ、今度のスカイラインは、走りのスポーツカーではなく、あくまでラグジュアリーセダンである。このクルマにMT仕様の追加を望む声もあるようだが、キャラクターから言って、MTで乗るような車ではない。
- 総合
- 新しいスカイラインには、従来のスカイラインが持っていた走りの味は、ほとんど継承されていない。ちょっと足を固めたラグジュアリーセダンである。なによりも、高すぎるヒップポイントがそのイメージを強めている。新しいスカイラインに、これまでと同じ路線の乗り味を求めると、失望するだろう。
これまでのスカイラインユーザーには、今度のは、スカイラインではないという人がいるだろう。「これはスカイラインか?そうでないか」という議論をするには、「スカイランとは、こんなクルマである」という基準が必要である。仮にそれをR32とするなら、これは明らかにスカイラインではない。
スカイラインは、ラグジュアリーセダンとして、新しい道を歩み始めたといえる。これまでのスカイラインを新車で求めるとなると、当面GT-Rしかないことになる。そして、スカイラインだけが持っていた、その独特の乗り味は、次第に幻になっていく。日産がそのようなクルマを求めるユーザーを切り捨てたのは、少数派(マーケットが小さい)という判断からだろう。
とはいえ、新しいスカイラインの乗り味を好む人も多いと思う。このクラスのラグジュアリーセダンで、ここまでハンドリングのいいクルマは、おそらくスカイラインが唯一である。ただ、完成度がやや中途半端な感じもするので、購入を検討している人は、特別な事情がなければMCを待ってから買うのが得策かもしれない。
日産 ALL NEWプリメーラ 20L セダン
試乗日:2001/2/12
- ボディ・内装
- ボディスタイルはピシッとエッジを効かせながら大きな楕円を描き、終端で尖っているのが特徴。しかも、全ての面がきれいにつながっている。このボディスタイルは見るからに斬新であり、日産のクルマとはとうてい思えない、いいスタイルである。セダンだけでなくワゴンもなかなかいい。ワゴンのスタイルは、とにかく多いレガシィのサルマネ路線と離れた新しいものである。
このデザインはエクステリアのみならず、インテリアにも共通しており、内外の統一感がある。
オプションでエアロパーツが用意されているが、これを付けるとせっかくのボディスタイルが台無しになってしまう。おそらくは別々にデザインされたものだろう。
操作系はセンターに集中、統一されており、見やすく配置されたモニターと相まって、恐らく最も操作性がいい部類に入ると思われる。但し、スイッチ類の操作感は、安っぽい。そこまでコストがかけられなかったのだろう。スイッチを押すと「ピッ」という音が出るが、どうせ音を出すならもっといい音にするか、音階を付けると操作が楽しくなるに違いない。
センターに配置される3連メータは、メータだけを見ると安っぽさはなく、良くできている。ただし、全体としてみると大きな目玉を連想させ、いつもメータに見つめられているような感覚を覚える。これに嫌悪感を感じる人もいるかもしれない。
センターメータのメリットは目のピント合わせに負担がかからないよう距離がとれることであって、目の衰えたお年寄りに優しい配慮といえる。センターメータについて、トヨタでは視線移動が少ないという説明をしているが、目の前にあった方が視線移動が少ないのは明白である。プリメーラに載るセンターメータは、そのような配慮からではなく、デザイン優先の結果であるようだ。
20Lには標準でDVDナビが付いてくるが、これはスカイラインに載るものとほぼ同じものである。
交換不可能な純正オーディオの音は、クラスとしては普通のレベルだが、フロントスピーカが下向きに付いているので、高域が不足する。音にこだわる人は、オプションのホログラフィックサウンドシステムを付けるか、ツイータを別途追加することで、かなり改善できるだろう。
空調の音はクラスの中では標準的で、内気循環にしても音が大きくならない。
- 走り
- エンジンはCVTとのマッチングが良く、スムースによく走り、音も静かである。2.5Lのモデルがあるが、動力性能は2Lでも全く不満のないレベルにある。
ブレーキフィールは初期制動力がやや強めであるが、すぐに慣れるだろう。
ロードノイズ、室内の静粛性は、クラスの中でも静かな部類に入るだろう。
ステアリングフィールは素直で、とてもいい。シフトフィールも安っぽさが無く、なかなかいい。
足回りは、かなり煮詰められたいいものを備えているようである。やや固めに仕上がっているおかげで、プリメーラの伝統にふさわしく、キビキビとした操舵感を得ている。しかし、決して乗り心地が犠牲になっていない。上質なステアフィールとあいまって、ハンドリングは高いレベルに仕上がっている。
但し、全体的な走りの質感は高くなく、ライバルのレガシィやインプレッサに一歩譲る。
- 総合
- 日産で初めてみる21世紀を意識したセダン、ワゴンである。斬新なスタイル、クリーンで効率のいい自然吸気エンジン+CVTの組み合わせ、未来の先進機能をサポートするなど、このクルマは、見る人に新しい時代を予感させる。日産らしく走りにかなり力を入れいているから、ここにトヨタとは違った魅力があるのもポイントといえる。
日産 R34 スカイライン 25GT-X 4DOOR AT
試乗日:2000/9/10
- ボディ・内装
- スカイラインは8月EにMC(マイナーチェンジ)し、今回試乗したのはMC後の25GT-Xである。R34スカイラインは、およそ営業的にはほとんどメリットのない見えない部分にお金をかけすぎて、見える部分のコストをケチりすぎていたが、今回のMCではこのネガをつぶしてきた。
エクステリアで最大のウイークポイントは、安く作られていた一体整形のフロントバンパーであった。この部分はデザインを変更するとともに、十分お金がかかったものになった。センターの吸入口にはチタンカラーのメッシュが装着され、その中央にスカイラインのシンボルである'S'マークが輝いている。バンパー下部の口は四角形から横長に変更され、最初違和感を感じるが、見慣れてくればこれも悪くないな、と思わせるような微妙なデザインである。
4ドアセダンはリアトランクのエッジ部にBMW風の出っ張りが付いて、従来のカマボコのようなイメージが払拭されたかわりに、トランク上面がやや平面的なイメージになった。これも多少はレベルアップといえるだろうか。
デザイン的に定評のあったヒトデ形ホイールのカラーはチタンカラーに変更され、オプションで'S'マークのセンターキャップに取り替えができる。これにより、走りのイメージが大きく強調された。
リアのブレーキライト以外、ほとんどすべてのレンズがクリアレンズになった。スカイラインでも流行に媚びるのは、まあ仕方ないところか。
スポーツカーのインテリアカラーとしては違和感があったメタリック調塗装は撤廃され、黒とシルバー系に統一された。このインテリアは、写真でみるのと違って実物はかなりいい。これによりスポーツムードが大きく向上。メータ周りもシルバーツートンになり、安っぽいイメージが軽減した。
シートの黒地の部分はツルツルのナイロン調からR32と同じ、滑りにくいスウェード調になり、質感とホールド性が向上している。
中でも改善著しいのは、ステアリングセンターに追加された'S'マークのオーナメントであり、これによってインテリア全体のムードが劇的に良くなったといっていい。
オーディオはラウドネスが効いた聞き疲れしない音色であり、リアシートに座ってみてもうるさくない。このへんは良く研究されているようだ。
ドアの閉まり音はまあまあのレベルだが、トランクを強めに閉めるとトランクの内張が振動してビビる。
空調の音は内気循環にするとセンタールーバーからの風切り音がやや大きい。このあたりはR32からあまり改善されていない。
ハンドルから左右に伸びるウインカーやワイパースイッチのレバー、ツマミの操作感には高級感があり、見た目が同じでも他の車種とはかなり異なる。
- 走り
- 走り出した瞬間に感じるのはエンジンのスムースなことと、ボディのしっかり感、室内の静粛性であり、この印象は以前試乗したR34ターボと同じである。
25GTのエンジンはNAなのでそれほどパワフルではないが、このRB25は非常にスムース&静か&低バイブレーションであり、高回転でも音色が変化せず、音量そのものもあまり大きくならない。スポーツカーのエンジンとしては質感が高級すぎる感があり、そんな面は逆にATでも似合う要素になっている。同じスカイラインでも2LのRB20になると震動騒音が大きく、今ひとつである。
ステアリングフィールはスムースかつダイレクト感あふれるものだが、操舵に対する応答性はR32の方が若干上である。
乗り心地は剛性感あふれるダンピングの効いたもので、かつ静かであり、高級車の乗り味に近いものがある。
25GT-Xのブレーキフィールはターボ系よりは劣るものの、それでもこのクラスのスポーツカーでは最良といえるレベルにある。
- 総合
- スカイラインは世界トップクラスのFR技術を持つといわれる日産が、もてる最高の技術を結集して作り上げたクルマだろう。そこに妥協は一切無く、その走りは、もうこれ以上は望めないんじゃないかと思えるくらいの高いレベルにある。
これほど素晴らしい走りをもつスカイラインなのに、売れないのは、やはりスタイルやインテリアが原因だろう。このネガは、今回のMCによりかなり改善されていると思う。
スカイラインは、最高出力を誇示したり、実効の伴わないシロウト騙しの機能やパーツで目を引くようなクルマとは、まったく次元が異なる。スポーツセダンを考えている人は、最初から候補から外さず、一度試乗してみることをお勧めする。
富士重工 New Age インプレッサWRX NB 5MT
試乗日:2000/9/4
- ボディ・内装
- Newインプレッサは全体に丸みを帯びたスタイルで、前後のオーバーハングを切りつめてあり、小さく見える。ただ、どことなくダイハツかどこかの軽自動車のようにも見える。フロントの不自然に目の大きいハニカムメッシュや、丸形のヘッドライトがそんなイメージを強調している。腰高のリア周りのデザインは、どことなくプラッツに似ている。この種のスポーツカーにとって、より安いクルマに似ているというのはマイナスである。
インテリアの質感は低くはないが、軽自動車っぽいデザイン。左右のルーバとエアコン空調つまみなど、基本的に丸基調かと思えば、センタールーバーは角形になっていて、デザインの統一感がなく、中途半端。カップフォルダーがルーバーの前にあって、機能的に出来ているかとおもえば、カード入れが横に並んでおり、これも妙である。
シートはレカロ風の深いバケット型になっているが、あまりコストがかかっておらず、座り心地もかなり硬質である。
空調の音は最大にしても不快な風切り音が小さい。
オーディオはこのクラスとしては相当いい。設定ノーマルでもラウドネスが効いており、聴き疲れしにくい音質。
パワーウインドウの上下は重厚感があるタッチ。
ドアの閉めたときの剛性感と質感はかなり高い。
ライトのツマミの質感は、今ひとつ。
- 走り
- 試乗車はオプションマフラーがついており、アイドリングからドロドロと太い低音が車内にはいってくる。
エンジンは回転を上げていっても音色の変化が少なく、音もそれほど大きくならない。
シフトフィールはショートストロークでゲージのガタも適度である。
ブレーキフィールは富士重工らしからぬタッチで大変素晴らしい。スカイラインに迫るいいフィーリングである。
ステアリングフィールはなめらかで重さも適度。
乗り心地はB4のようにしっかりとしているが、サスが堅く締め上げられている。堅すぎるシートとあいまって、体に伝わる震動が大きい。
B4と異なり低回転からトルクがあり、3,000rpmを越えるあたりからターボらしいグッとくる加速感がある。走りそのものはかなりパワフルで加速も鋭い。
オプションマフラーのせいでロードノイズは低音が強いが、基本的に静かで、B4のようにタイヤノイズだけが目立つようなこともない。
- 総合
- Newインプレッサはピークパワーを250psに押さえ、低回転トルクを稼いだというが、これが正道だろう。2Lでは本来、このくらいの馬力が適当だと思う。
フィーリングは全体的に質感が高く、乗り味もたいへんしっかりとしたもので、パワフルでもある。走りに関しては、おそらくB4よりいいだろう。
ホンダ アコード ユーロR
試乗日:2000/7/16
- ボディ・内装
- 外観はアコードにエアロを付けて走りのイメージを強調したもの。ノーマルアコードに比べるとなかなかカッコいい。
インテリアもミドルセダン相応の質感があり、上質。ステアリングは握りやすいし、レカロのシートはカーボン調インパネ部分と共通色にまとめられ、ニブイ光彩を放ちいい感じに仕上がっている。
アルミ製シフトノブは夏場の炎天下に放置していると触れないくらい熱くなる。
エアコンの空調はゆっくりとファン回転数が上がる設定だが、音はかなり大きめで、外気循環にしても結構大きい。ファンがフル回転のときは後席と普通に会話はできない。
- 走り
- VTECエンジンらしくフケ上がりがよく、回転を上げていっても音色の変化が少なく好感が持てる。ただし、音は回転数に比例してリニアに大きくなる。
初期のVTECは低速トルクが細く、発進の際クラッチミートに気を使ったが、ユーロRでは普通に発進することができ、低速トルクも普通にあり、特に非力な感じはない。実用回転域でのパワー感は少なく、本領を発揮するのはやはり高回転域だろう。ただし、エンジン音は大きい。
シフトフィールはゴトゴトいう感じで操作したときの音が大きめ。ストロークやゲージのガタもやや大きめだがフィールそのものは悪くない。
ブレーキフィールはこのクラスとしてはごく普通。
EPS+VGRを搭載したステアリングフィールはやや不自然。センターを保持する傾向が強く、切り始めの反力がやや重い。
乗り心地はしっかりとしているが、ロードノイズはやや大きく、スカイラインやB4とくらべると室内の騒音は大きい。
レカロシートが肩をしっかりと支えるためホールド感は抜群にいい。このシートは魅力的。
- 総合
- ステアフィールにやや問題があるものの、インテリアはなかなかよく、乗り味もいい。全体としては大人しい感じのスポーツ「風」セダン。
VTECは高回転で本領を発揮するエンジンであり、それが魅力でもあるが、実際はあまり回転を上げる機会がないことを念頭におく必要がある。実用域のパワー感、走りのキビキビ感は、ロードスターの方がいい。
富士重工 ランカスター6
試乗日:2000/6/5
- ボディ・内装
- ホイールデザインは変更され、以前のような重厚感はやや薄れた。
ATシフトレバーの操作感覚は上質。
その他についてはランカスターの試乗リポートを参照。
- 走り
- 話題の6気筒エンジンは基本的に静かで振動が少ないが、2Lと同じく高回転になるとやや音色の変化が見られる。
音色は4気筒特有のボクサーサウンドとは根本的に異なり非常に大人しく、音色的な魅力は無いといっていいだろう。
走行時にエンジン音が聞こえるのは加速時だけで、アクセルを戻すとほとんど聞こえなくなる。車内騒音はこのクラスにしてはやや大きめのロードノイズに支配される。
トルクの出方は、ごく低回転では弱く、1800rpmあたりからやや急に立ち上がる感覚があり、右左折の最中アクセルオンすると急激に速度が出てハンドルの戻しが遅れがちになる。この種のエンジンにとって低回転トルクの出方は質感に関わる重要な要素なので、もう少しスムースな出方が好ましいと感じた。
6月のマイナーチェンジでブレーキのフィールが改善され、ようやく普通のレベルになった。ランカスターのブレーキはB4 RSKと共通するので、B4の方もおそらく同じフィーリングに改善されていることと思う。
- 総合
- 新しい6気筒は静粛性、低振動という面では4気筒をあきらかに上回る。フィールは世間の噂ほど良くない。この問題は今後の改良に期待したい。
6気筒の登場によって4気筒が格下エンジンになったかというとそうではない。音色や振動の出方でいえば4気筒は別の魅力を持っている。水平対向方式の4気筒は、振動騒音が他社の4気筒に比べると小さいので、乗り比べて4気筒のほうがいいという判断をする人も多いのではないかと思う。
トルクの出方でいえば、2.5Lの4気筒がベストのように思う。これはごく低速からトルクが出るため、ゴーストップが多い街中で使いやすいし、燃費も悪くない。
トヨタ 新型プリウス G
試乗日:2000/6/4
- ボディ・内装
- デザインはほとんど変わらないが、バンパーの樹脂モール部分が無くなって後ろから見たときのチープな感じがなくなった。
インテリアもほとんど変わらないが、全体的に質感が向上している。
ただ、エアコンの空調騒音やパワーウインドウの上下感は廉価なファミリーカーと同じレベル。
センターモニターはタッチパネルになったが、極めて使いづらい。パネル面がインパネのくぼんだ奥側に設置されているため、かなり手を伸ばさないと届かないし、手を突っ込んで爪の先で押すような形になってしまう。さらに、押すときこぶしに画面が隠れてしまってほとんど見えない。これはあまりにもダメなので、そのうち改良されるだろう。
- 走り
- 足回りは先代よりやや固められていてコーナリングの安定は良くなったが乗り心地は若干低下。
エンジンのノイズ、バイブレーションやロードノイズは、先代より若干大きくなってしまったようだ。どうやら防音材のコストをケチってその分を見栄えに回したようである。先代の方が静かだろう。
問題のブレーキは、先代のようにちょっと遅れていドーンと回生がかかるのではなく、徐々に回生が効いてくるように変更された模様。ただこれは、踏力一定でもじわじわと制動力が増えていってなんとも妙な感じ。結局効き方が変わっただけで、不自然なのは変わらない。
アクセルの対するレスポンスは極めて悪く、ちょい踏みではじわーっと微速前進、アクセルを若干あおってもほとんど変わりない。そこでエィ!と踏み込むとエンジンがかかってようやく普通に加速する感じ。先代よりパワーが向上し、加速がいいというが、それは全開時の話であって、常用域ではむしろパワー感が後退したような感じがする。
ステアフィールはセンターを保持する感覚が強く、やや不自然。
- 総合
- アクセル、ブレーキ、ステアリングなどすべてのフィーリングがノンリニアで不自然。外観はレベルアップしたが、見えない部分が相当コストダウンされている模様。総合的にはヴィッツ、プラッツのほうがよほどいい。燃費とハイブリッドカーという構成に特別魅力を感じる人だけのクルマだ。
富士重工 レガシィB4 RSK 4AT(MC前)
試乗日:2000/5/20,2000/6/10
- ボディ・内装
- スポーツセダンというには大人しい外観でスポーツイメージを周囲のクルマにアピールするようなことはない。ま後ろからの見た感じはファミリアのセダンに類似し、ほとんど目立たない。
ブラックフェイスメータは前面の透明板が黒い半透明板になっているメータで、昼間から文字盤を点灯して光っている部分だけを透過させて見せる仕組み。輝度調整が可能。点灯してみると、ややシンプルな感じ。ランカスターに搭載されているような普通のメータの方が上品なイメージがある。昼間から点灯するのでライトが付いているのかと勘違いしてしまった。
シートはブルーのスペシャルレザー仕様。ホールド感は結構いい方。パワーシートはノブ1つで上下左右の移動が出来る。ただ、レバーの根本に赤錆が浮いているのが見えた。
例によってマッキンのオーディオが付いていたが、音の方は普通。低域のエネルギーが弱く、マッキン特有の野太い野性的な音は期待できない。アンプがいくら良くても、スピーカとエンクロージュアをしっかり作らないと、よい音は望めない。音はデッキアンプよりもスピーカとエンクロージュア(特にバッフル板の作りと遮音)で決まる部分が多いので、他のオーディオデッキでもほとんど音は変わらないだろう。
空調の音はかなり静か、エアコンをつけるとファンの音が小さく聞こえるが、エアコンのON/OFFによって回転数が変化せず、違和感がない。 ATレバーの操作フィールは安っぽく、高級感はない。
- 走り
- エンジンをかけたときの音は非常に静か。ただ、エンジン音は回転数に比例して大きくなり、音色も若干変化する。
低速トルクが細く、重い車重が災いして出足の非力感が伴う。実用回転域において特にパワフルな感じはなく、ホントに260psあるのかという印象。出足のキビキビ感だけでみれば、プラッツにも劣ってしまう。
剛性感のある乗り味を持つ。ステアリングフィールは自然だが、わずかに遊びがある。トルクステアらしきものは感じられない。
走行中の音は同じレガシイでもワゴン系より明らかに静か。唯一タイヤのロードノイズが目立って聞こえる。
ハンドルはランカスターと同じくかなり軽い。アシストしすぎで路面の接地感はやや掴みにくい。
ブレーキフィールははっきり言ってかなり悪い。このクラスでは最低の部類に入ると思う。
シフトがATのせいでダイレクト感に乏しい。この種のスポーツカーは、やっぱりMTのほうがいい。
4WDのメリットとして良く聞かれることが雨の日の高速走行安定性である。4WDだと、ハイドロプレーニングに強く、周りのクルマよりスピードを出せるという。確かにその通りだと思う。しかし、ブレーキはどうだろう。これは4WDとは関係なく、雨が降れば制動力は落ちてしまうだろう。とすると、スピードを出せるのはいいが、危険なことになってしまう。だから結局、周りのクルマに合わせてスピードダウンせざるを得ない。4WDだからといって、雨の高速道路をとばせるわけではないのだ。
- 総合
- B4のウイークポイントはブレーキフィールと低速トルクの細さ、車重の重さにあると思う。スタビリティや乗り味がとてもいいだけに残念だ。
そもそも低速トルクが弱いのは2Lのエンジンから260psを無理矢理絞り出しているからであり、ピークパワーを220psくらいに押さえて、低速トルクを厚くした方が、いいクルマになると思う。
できれば、ランカスターに乗っている2.5L NA が欲しい。これが乗れば、相当いいクルマになると思うのだが。
トヨタ アルテッツア RS200 6MT Z EDITION
試乗日:2000/5/20
- ボディ・内装
- 全体的にスポーティでいいスタイルだとおもうが、透明きらきらのリアランプがイマイチ。試乗車はエアロバンパーを装着していたが、セリカと同じように合体ロボットのような顔つきになる。大型リアスポイラーも付けない方がいいのではないか?
ホイールの表面には真っ黒いブレーキダストが付いていた。ホイールは結構汚れそうな感じがする。
クロノメータはだいぶ見慣れてきたが、やっぱりオモチャっぽい。センターコンソールのデザインはスポーティな感じが良く出ているが、センターから両サイドに伸びてとんがっているメタル調塗装のラインがこれまたアニメメカチックでイメージダウンのもとになっている。
シートのホールド感はまあまあのレベルだがB4とくらべるとB4の方がしっかりしている。試乗車にはオプションの革製シートカバーが付いていたがあまりよくない。ペラペラのウレタンスポンジが入っていて、安物シートの質感になってしまう。
オーディオの音は普通だが、トーンコントロールにMID(中音調整)が追加され、3バンドグライコになっており、音質調整の自由度が高い。
吹き出し口から出る空調の音はB4より大きめ。最小にしてもやや風切り音がする。温度調整ダイヤルの操作質感も低い。
- 走り
- エンジンをかけると図太い排気音が結構室内に入ってくる。排気音に連動してなにかの電動機の音が聞こえ、やや雰囲気を損ねている。回転数に比例して排気音も大きくなるが、音色はあまり破綻しない。
B4と違って低速トルクがあり、実用域で扱いやすい。やや慣性の大きさを感じるが、キビキビとして動力性能に不満はないレベル。 足回りはそれほど固めておらず、乗り味は乗用車的でロールも大きい。
ブレーキフィールは普通で不満のないレベル。
6MTのシフトフィールはいいが、ギヤ比を見ると1-2、2-3の間隔が広すぎて、3-4が狭すぎる。バランスのいいロードスターの6MTとグラフを比較してみて欲しい。これではせっかくの6MTも魅力半減、街乗りでは不満は無いと思うが、ワインディングロードでは不満が出るかも知れない。あとバックに入れるのに左側に倒す仕様になっていて、腕を伸ばす方向なので力が入りにくい。
アクセル、ブレーキなどのペダルは戻したときに「ドコ」という結構大きめの音が出る。
試乗車は8千キロを越えており、特定の回転数で室内の何処かからビビリ音が聞こえる。トヨタにしてはややクオリティが低い感じがする。


- 総合
- 6MTのギヤ比といい、足回りのセッティングといい、どうも完成度が中途半端な印象。見た目スポーツセダン、中身乗用車といった感じ。本格スポーツと勘違いして買ってしまった人は、足回り、ギヤ比などいろんな面で不満を持つようになるだろう。そういったユーザーの要求を満たすためか、TADから豊富なアフターパーツが出ている。
B4やスカイラインがライバルとして引き合いに出されることがあるが、スポーツセダンとしての完成度、質感の高さは、B4やスカイラインとは比較にならない。アルテを検討している人が、B4を競合にと見積もりを取りに行って、試乗したら即決でB4に決まった、というケースも多いと聞く。
見た目スポーツなアルテだが、これに純正のエアロパーツを付けると内外共に子供受けしそうなアニメメカのようなデザインとなってしまう。これがトヨタ流の若者受けを狙ったデザインだとすれば、若者を相当子供扱いしているように感じる。
アルテにはLエディションのベージュ色があるが、こちらは大人の雰囲気を出している。これにエアロパーツをなにも付けないで、「スポーツ風セダン」として乗るのが最良の選択だろう。
トヨタ ファンカーゴ 2WD 1500G
試乗日:1999/9/25
- ボディ・内装
- 全長、幅ともに決して大きいわけではないが、天井が思いっきり高いのとリアの空間をめいっぱい取っているおかげで非常に大きく見える。運転席に座ってみても非常に広く、ガラス面積が大きいので周囲がよく見える。
デザインはメルセデスAクラスのような気もするが結構格好良いとおもう。
インパネは最近のトヨタ車のデザインに共通する新しいイメージ。床下に収納できる後部シートは弱々しく、シートそのものの質も今ひとつだ。このへんは割り切ってしまっているのだろう。
オプションはたいへん豊富で自分だけのオリジナルカーをデザインできる。妙な色の内装やイルミネーションや、スーパーウーハがあるのでこれらを付けまくってヤンキーワゴンっぽくもできる。ただ、ワゴンなら貨物スペースの排気ファンは欲しいと思った。載せるものによっては臭いが気になることがあるものだ。
- 走り
- 今回の試乗では1500CCに乗ったが結構パワフルで走りに余裕がある。座席位置が高いため運転も楽だ。ただロールが大きくコーナリングは苦手だ。
ステアリングのシフトマチックはボタンが小さく使いにくかった。この機能は飾りと見ておいた方がいいだろう。
ブレーキフィールはプラッツと同じでとても良い。
コラムシフトは堅く、少々レンジをあわせにくかった。
走行中のノイズや振動はプラッツより劣る。エアコンをかけたときの空調の音も大きめ。あくまで実用重視のワゴンという感じでシートの質も今ひとつだし長距離ツーリングには向かないと思う。
- 総合
- 高い実用性とカスタマイズ性、経済性を兼ね備える新しいクルマだ。市内で日常使う足としてはこれ以上のものは無いかも知れない。
ワゴンRなど他社のライバル車を良く研究していて比較するとファンカーゴにいくように作ってあるようだ。
トヨタ プラッツ 2WD 1.5X ヴィッツ 2WD 1.0
試乗日:1999/9/19
- ボディ・内装
- ヴィッツのスタイルは若い女性にも似合うかわいらしいもの。プラッツのスタイルは一見保守的だがじっくりみると実に良くできている。年輩層を狙ったクルマのように解釈されることがあるが、このデザインは若い女性から年輩層まで幅広く受け入れられると思う。 どちらも特別目立つようなスタイルではないが、空力や風切り音の低減など上級車の成果が反映されている。
内装はプリウスコンセプトをより洗練したような感じ。明るめのグレーを使ったツートンカラーで大きな円を描く未来的なデザイン。
スピードメータは最近のトヨタ車に多く見られるセンター配置、映像はホログラムで画像はやや遠方に定位する。これはメータを見て視線を戻したときの目の負担が軽減されることから、安全に寄与し高齢者にも優しい機能だ。ただ、助手席側から現在のスピードが見えないという欠点がある。
ホイールベースをめいっぱい取ったプラッツの後部座席は十分に広く、ヴィッツでもスペース的に狭苦しいような感じはない。この広さは外観からは想像しがたい。
- 走り
- プラッツの走行ノイズは小さく、エンジンも結構静かだ。信号ストップ時のアイドリング音や振動は非常に小さい。空調の音も静かでほとんど気にならない。
段差の突き上げもうまく吸収されておりなかなか乗り心地がよい。
シートはファブリックで座った感じが良くしかも滑りにくい。このクラスでこれだけのシートがあれば立派だと思う。
今回の試乗では1500CCに乗ったが意外にパワフルで走りに余裕がある。ちょっと不思議に思って重量を調べると非常に軽い。パワーウエイトレシオは驚くことに8.5、これは2500cc 167Psのレガシィ ランカスターを上回る数値だ。見かけ上のトルクウエイトレシオもランカスターとほぼ同等になっている。
ヴィッツの走りは燃費を重視しすぎたためか排気量が小さく馬力も小さいため加速感がない。走行音はプラッツよりうるさく、馬力が無い分エンジン回転数が高めになり室内はノイジー。走りのフィーリングは軽自動車に近い。
- 総合
- これはトヨタが提案する全く新しい21世紀のクルマだ。デザイン、装備、安全、燃費、経済性などよく考えられバランスされたものであり、安易な要素はほとんど見られない。
1500ccのプラッツは走りに余裕がありこのクラスとしてはかなり上質だ。スポーツパッケージもいいと思う。
プラッツに関する詳細はこちら。
日産 アベニール 2WDサリューX
試乗日:1999/9/19
- ボディ・内装
- 外観は部分的にレガシィと似たところがあるものの、全体的な印象はスタイリッシュなスポーツワゴン。リアハッチはガラスだけ開くという特徴があるがあまり意味のない装備と思う。これはたぶん、ユーザーニーズから作られたものではなく、開発者のアイデアだろう。そういう成り立ちの機能では、ユーザーの共感を得ることは難しい。
内装は全体的にスポーティな印象がある。インパネのデザインは情けないことにレガシィそっくり。ただ、そのデザインは最新のトヨタ車と比較すると古い印象を受ける。
- 走り
- 乗り味はいかにも日産といった感じでスポーツの意識が濃い。ただ、重たい車重が災いしてトルク感、加速感共にそこそこ、グッとくるような感覚はない。
サスの味付けはやや堅めでスポーティな感じ。ロードノイズは非常に少なく室内は静かだ。ブレーキタッチもなかなかよい。レガシィより上だ。
CVTの6速マニュアル変速はスムースで変速ショックがほとんどないが、ギア比の設定が今ひとつで同じ6速のロードスターに比べると面白みに欠ける。高回転で引っ張りながらテンポよくシフトアップし、グイグイ加速させるような楽しみはない。最初はちょっといじってみても結局Dに入れっぱなしになるだろう。Dに入れて運転したときがもっとも静かで快適だ。
あとマニュアルモードを使ってシフトアップすると時々カリカリというような小さな異音がするのも気になった。
- 総合
- アベニールはプリメーラワゴンと同一価格帯にあり、クルマの中身もよく似ていてデザインの好みで選択する感じになってしまっている。アベニールの必要性がどうもわからない。結局レガシィっぽいクルマが欲しくて用意しただけではないだろうか。ガラスリアハッチについては、営業マンが説明を強調していた。それしか特徴がないのだろう。
ワゴンブームが去ったあと、プリメーラワゴンは消えるだろうが、アベニールのエンジンは経済仕様が多いので営業車の用途として残るかもしれない。
トヨタ ビスタ アルディオ 200
試乗日:1999/9/16
- ボディ・内装
- サイズは5ナンバー枠に収まるが非常に大きく感じる。ボディデザインは価格相応だが個性がない。リアのブレーキライト周りはレガシィそのままだし、フロントはBMWという情けなさだ。このクルマを買う人たちはそのようなものは気にしないのだろう。なんだか後ろがレガシイみたいでカッコいいじゃないか。って感じか?
内装はプリウスコンセプト。シートやインパネなど同系色で統一されておりとても上品な感じがする。とくに、ベージュ系で統一されたものは柔らかい感じがしてとてもいい。
センターディスプレイは見やすいし、ナビの操作スティックは使いやすい位置にあり、エアコンなどのスイッチ類も大きくて使いやすい。
シートは質がよく座った感じがとても良い。肘掛けもちょうど良い位置にある。
- 走り
- アクセルを踏むとスッと動きだし、そのまますーっという感じで走る。走行中の騒音振動は極端に少なくエンジン音もたいへん小さい。前後左右の視界がとても広く、実に運転しやすい。同乗しても快適この上ない。
D−4エンジンの燃費は実質12Km/L前後だそうで、しかもレギュラーでOK、この重さにしてはかなり経済的な部類に入るだろう。
- 総合
- このクルマは4人以上の家庭で使う足として、相当よいと思う。運転はとてもらくちんで同乗者も快適でしかも経済的だ。運転のことは考えたくない、とにかく目的地までの移動を快適に過ごしたいという人にとっては最高のクルマだろう。
富士重工 レガシイ ランカスター
試乗日:1999/9/16
- ボディ・内装
- レガシイのスタイルはなかなかかっこいい。ランカスターのベージュツートンは気品があり、とても高級に見える。ワゴンと名の付く他のメーカ車の多くがレガシイのデザインをどこかしらパクっている。サイズは実車を前にするとかなり大きく見え、分厚いスポークのアルミホイールのおかげでどっしりとした重量感を出している。
内装、インパネ等はバブル後久しく見られなかった高級感があり、レガシイのラインナップの中では最も高価に見える。
試乗車にはマッキントシュのコンポが付いていた。オーディオマニアしか買わないマッキンがオプションで設定できるのはどういうわけだろう。それはともかく、伝統的なそのデザインは個性が強すぎて他との調和が今ひとつだ。また、ツマミ類に本来付き物の細かい縦ミゾが省略されてツルツルになっていた。本来のマッキンは写真のように淡いシャンパンゴールドのツマミについた細かい縦ミゾに光が反射して、独特の重厚感と美しさを出す。
- 走り
- 回転を上げても振動騒音はあまり大きくならない。高速道路でも車内は静かだろう。最高回転数は低いが2.5Lエンジンは低速トルクがたっぷりとあり、アクセルをちょこっと踏んだだけで1.4tを越えるボディがピョコンと飛び出し、スピードがすぐに乗る。
乗り心地はホイールベースが長く車重が重いためとてもよい。路面のおうとつを越えても不快な突き上げは感じられない。重厚感とダンピングを兼ね備えた、質の高い走りだ。
ステアリングはめちゃくちゃ軽く、路面の反力を全く感じ取ることができない反面、重い車重にかかわらず車庫入れ時などの取り回しの負担が少なくなっている。
走行中の室内はビスタアルディオには及ばないもののかなり静かだ。
ブレーキフィールはごく普通。
- 総合
- レガシイは確かに良いクルマだ。もはや確固たるブランドイメージを確立したと感じた。ただ、レガシイのエンジンは現代の風潮に反し地球環境と財布に優しくない。もうちょっと何とかして欲しいと思う。
レガシイはスポーツを意識しているものの作りがワゴンなので慣性モーメントが大きく、クルマを振り回すのは苦手だ。トルクやパワーは同じでも、ステアリング、ブレーキ、エンジンなどの、スポーツカーとしてのフィーリングは、やはりスカイラインには及ばない。
マツダ ユーノスロードスター 1800 SERIES 2 S-SPECIAL TYPEII
試乗日:1998/4
中古車屋の展示車で走行2万キロ。雨が降っていたのでソフトトップをかぶせたままの試乗となった。
- 所感
-
- 足周りはかなり堅くブレーキやコーナリング、加速で姿勢がほとんど変化しない。いつでもフラットなかんじ。
- エンジン音は1600ccタイプに比べほとんど変わらないが、1800ccの方が金属的な刺激成分が少しだけ多い。回転数を上げると騒音振動ともに大きくなる。このへんは4気筒の宿命か?
- シフトフィールは抜群によい。
- ブレーキやクラッチのダイレクト感が少し不足気味。中古なのですり減っているせいかもしれない。
- パワステハンドルはやや重めでスポーツカーらしい。路面の様子、タイヤのグリップ感が手のひらでもう少し感じとれればよいと思った。
- 足が堅いせいもあって車内の振動や騒音はかなり大きめ。走っているとミシミシという音が聞こえるが、幌のせいだろうか。
- 純正のサウンドシステムの音は結構よい。
- ビニールのリア窓は雨天でもそこそこ見える。これならガラスにしなくてもなんとかいけると思った。
- クラッチを踏んだり戻したりすると「ミュ」というような小さな異音がする。
- 総合
- このクルマは運転が疲れるかもしれない。試乗は2km位のコースだったが、乗り心地の悪さに少し酔ってしまった。走りに特別なこだわりがないなら通常の足周りのモデルを選んだ方がよいだろう。
マツダ ロードスター 1800 VS
試乗日:1998/4
新型ロードスター。ディーラーの試乗車で新車。
- ボディ
- 旧型よりおうとつのあるボディが美しい。ドアのカットやドアミラー、ヘッドライト、ドア内張りのデザインは現代風になっている。でも旧型のクラッシックなデザインも捨てがたいものを感じる。
タンカラーの内装はやはり汚れやすそう。長くよい状態を維持するのはオーナーの努力次第だろう。
ドアの閉まり音は「ズン!」といってなかなかの重厚感がある。
ボディカラーはそのほかソリッドの黒、オレンジと見てきたがソリッドの黒も内装色とマッチしていてかっこよいと思った。
- 走り
- ふけ上がりはまあまあでトルクもたっぷり。同じ1800ccでも旧型とはかなり違う。加速性能は215馬力のスカイラインの加速に慣れた人が乗り換えても不満を感じないレベルで、動力性能は十分。
6MTは機構が複雑なのか旧型よりちょっと入りが固いが新品なので使い込んでいけばよくなると思う。
エンジン音はなかなかよい。ただ4000rpm以上の高回転になると音も振動も大きくなる。
足周りや周囲からの走行ノイズはまあまあのレベル。
ハンドルを切った時のクルマの応答は早いが、それほど敏感ではない。このへんはタイヤの特性に支配されていると思う。
サスはやや固めで突き上げもあるが60タイヤのおかげか乗り心地は結構よい。これなら女性を乗せても不満は出ないと思う。
さすがは新車というべきか段差を越えてもクラッチを踏んでも車内に異音一つしない。
- 内装
- 旧型の平面的なデザインに比べよくなっていると思う。各操作スイッチのフィーリングに悪いところはない。
空調の音は最大にしても結構静か。
室内は革張りシート独特の臭いがする。好き嫌いが分かれるかもしれないが、私にはなかなかよい臭いに感じた。革張りシートは滑りやすいかと思ったがそんなことはなかった。普通に運転する分なら十分。普通のシートも出来がいいとは言えないのでスポーツするなら変えた方がよいかもしれない。
タンカラーの幌は内側もタン色で明るく、黒の幌をかぶったときのような閉塞感がない。
- 総合
- 1800ccはややオーバーパワーのような気がする。ひょっとすると1600ccのバランスが秀逸かもしれない。
乗り心地よし、サウンドよし、装備よしでオープンの楽しさを存分に味わえる。
このクルマは購入した。詳しいインプレッションをリポートしている。
日産 R34スカイライン25GTターボ
試乗日:1998/5/30
新型スカイライン。ディーラーの試乗車で新車。
- 外まわり
- デザインは全体的に角々しい感じ。リアは壁のようなハイデッキになっていてなかなかのボリウム感がある。
試乗車はフルエアロだった。フロントバンパーはノーマルもエアロも吸入口まで1体物なのでぶつけたら高そう。サイドやリアのエアロバンパーはアミ目がダミーなのがちょっと(^^;
ノーマルバンパーはエンブレムの下の吸入口整流板がボディと同色なので白だとやや違和感を感じる。
トランクルームの面積はR32よりずいぶん小さいが、そのかわり深くなっているので大物が積める。体積はR32と同程度とみてよいだろう。
前後の窓のモールはR32では一部ステンレスで覆っているが、R34ではすべてゴムむきだしなので紫外線による劣化が心配。
- 車内
- 車内も角々しいタイトなデザインで統一。天井内張り、シート、ドアトリム、インパネ等、素材やつくりなどあらゆる部分が安っぽく相当コストダウンされているというのが実感。プラスチックパーツの表面は質感のあるシボが使われているものの、メタリック調のものと混在されていてどうも違和感がある。
お皿のようなメータパネルはインテリアの中で最大のウイークポイント。コックピットに座ると安っぽい印象を強く与える。これはオプションのカーボン調パネルに換装すると多少は解消される。
- 走行感覚
- 走り出した瞬間から低回転トルクの太さとブレーキフィールのよさに驚く。エンジンはきわめてスムースでターボ特有のグッとくる感覚はなく全域にトルクがある感じで自然吸気エンジンのよう。しかしこのブレーキ、本当に素晴らしい。
走行中の車内はとても静か、エンジン音も静かなのでオーディオのボリウムが大きいと聞こえないかもしれない。エンジン音はきわめて質感が高くガサツな感じは微塵もない。高回転でも悲鳴を上げることはなく同じ質感をキープ。エンジンフィールも素晴らしいの一言。
シフトノブはやたら短くなくフィールもこれもまた大変良いもの。ステアリングのフィールもスムースで言うことなし。ただR32にくらべるとクルマ自体の慣性の大きさを感じる。R32より約100Kgも重くなっているので仕方のないところか。
試乗車はローダウンサスキットが付いており、足周りは確かに固いが乗り心地がまったく犠牲になっておらずダンピングの利いた物になっている。突き上げも全く気にならない。スポーツ性と乗り心地を両立させた足周りはスカイラインに共通する特徴。
- その他
- 気になる燃費だが、重い車重が災いしてかR32より悪い。2.5LのNAでもレガシィB4 RSK(ターボ)より悪いのだ。
- 総合
- スポーツカーとしてのフィーリング、すなわちトルク、パワー、ブレーキ、操舵感、走行音質、乗り心地などは、どれをとっても素晴らしく、R32より格段に進歩しているというのが実感。この点に関しては誰でも必ず満足いくのではないかと思う。
走りに関してはまったく非の打ち所がないが、内装がとにかく安っぽいのが難点。極論すれば、走りのために走り以外のものがすべて犠牲になっている。このスタイルと内装で果たして3年間飽きずに乗れるだろうか。
マツダ ロードスター 1800 RS
試乗日:1998/6/6
新型ロードスター。ディーラーの試乗車で新車。
- ボディ
- 試乗車は黒だった。ボディデザインについては前記のVSを参照して欲しい。
- 走り
- 試乗車の走行距離は1000Kmを越えており6MTの入りはなかなかよかった。
先のVSでもそうだったが、クルマが軽く低速トルクもありクラッチをつなぐと低回転から何のストレスもなくスルスルと動き出す。
ブレーキのフィーリングはこのクラスとしてはまあまあな方だろうか。R32より若干悪い程度。R34のブレーキが良すぎるのだ。ハンドブレーキの質感やフィーリングはいまひとつ。さすがにスカイラインのような剛性感はない。
今日はオープンで走ったが後ろからの排気音が低音が利いていて実に心地よい。幌をかぶると低音がやや押さえ気味になるもよう。ただ4気筒の宿命か、高回転になるほど音は大きくなり7000rpmでは相当大きい。町中でオープンだと外からの音が大きいので普通に乗っているぶんにはエンジン音がかなり控えめに聞こえる。通常に乗っている分には十分静かなレベルだろう。
RSの足はVSよりやや固めで突き上げもあるがダンピングが利いていて乗り心地は結構良い。これなら長距離も十分いけると思う。先代のSスペなどと比べるとやはり新型はボディ剛性が高くなったせいか全然違う。段差を越えると少しブルブルするがすぐに収まりほとんど気にならないレベル。
VS試乗の時にも思ったが1800ccの動力性能は十分でR32ターボから乗り換えても満足できるレベルにある。実際は215psターボに比べると非力で遅いのは確かだが、視線が低い分、実際の速度以上のスピード感があることと、ゴキゲンのエンジンサウンドにより、動力性能の差を体感的にあまり感じない。ただ、高速走行において5速でもぐんぐん延びていくような加速はないと思うので、不満が出るとすればそのあたりか。
トヨタ プリウス
試乗日:1998/6/12
- 外まわり
- スタイルはボックス型で背が高く未来的。真横から見ると側面がやや平面的な感じ。ホイールはスポーティなデザインのアルミホイルにわざわざプラスチックのカバーをかぶせており安っぽく見える。
つくりそのものは大衆車とそう変わらない。
- 車内
- デザインがなかなか未来的だがお金はかかっておらず質感は大衆車クラスとみてよい。室内は広く大人4人がゆったり座れるスペースを確保している。
デジタル表示のスピードメータ、シフトポジションの表示はダッシュボードの一番奥にあり視認性はよい。最初タコメータを探してしまったが考えてみればそんなものがあるわけなかった。
センターコンソールには液晶ディスプレイがありここにシステムのエネルギーモニターと燃費モニターを表示することが出来る。エネルギーモニターをみるといまクルマの動力がモータだけなのか、エンジンと併用しているのかわかってなかなか面白い。
- 走行感覚
- ブレーキを離すとAT車のクリープみたいに微速前進するが速度はちょっと速め。
走りも動力性能も1リットル以下の大衆車程度でのんびりとしたもの。パワステはやたら軽く、足はフワフワ、コーナリングはロールが大きくクルマも体も不安定になる。というわけでこのクルマに走りは全く期待できない(というかクルマそのもののコンセプトがそういうものではない)。
速度が上がると自動的にエンジンが始動、速度が落ちると自動停止するが、車内はいつも静かでほとんど意識されない。アクセルを踏んでいくとまったりと加速するが、無断変速なのでなめらか。普通のクルマと同じように運転できる。信号待ちなどで停止しているとアイドリングの振動騒音がなく異様に静かだ。
ブレーキは複雑なコントロールをしており、踏んでから遅れて回生制御がかかり、ググっとくるのでつい踏みすぎる。これは慣れれば問題ないと思う。
- その他
- 多くの人が気にするのがバッテリの寿命だろう。メーカではバッテリを含めたハイブリッドシステム全てに対して5年 or 10万キロの保証をしているそうだ。バッテリ交換は30〜40万程度と言うはなしだが、将来値下がりする可能性がある。とはいえ、4〜5年程度で買い換えることを前提に購入した方がよいだろう。
- 総合
- 今の時代、このクルマを所有すると賢くみえる(素人目には)。このクルマの生産は大赤字で原価の半分程度で売っているので超お買い得ではある(コミコミで260万程度)大衆車に比べると生産量が少ないから、(2000台/月)値落ちは少ないかもしれない。
目次ページに戻る