わたしの好きな讃美歌(聖歌)



 私の好きな讃美歌(聖歌)や宗教歌曲を紹介していこうと思います
   

讃美歌第2編167番 われをもすくいし/聖歌229番 驚くばかりの/(アメイジング・グレイス)
Hymn (second edition) No.167 Amazing Grace

アメリカに伝わる黒人霊歌、と紹介されているCDもあるこの曲の歌詞は、ジョン・ニュートンという18世紀の奴隷商人をしていたイギリス人によって書かれました。
ジョン・ニュートンは11歳の時、地中海沿岸交易の商船で働き始めました。父親が船長を務めるこの船では過酷な労働条件に一度は脱走を図ったこともあったと言われています。父の死後は奴隷交易船で働くようになり、やがて船長になりました。彼はアフリカ南部から船の「棚」に「入れられて」到着する奴隷をまさに輸入品としてしか扱わず冷遇していました。幼い頃に亡くした母親は熱心に彼に聖書を読み聞かせたりしていましたが、子供だった彼の心には響かないままでした。
ある日いつものように船に乗っていた彼は大きな嵐に遭遇し、死に直面します。この時初めて「神様、助けてください。」と叫んだのです。幸い命は助かり、その後、亡くなった母が残してくれた聖書を読み始めました。生まれ変わりました。そのとき彼は23歳。彼は、「こんな愚かな者をも神は救って下さった。私にはかつて何も見えなかったが、今は見える」という感謝をこめてこの讃美歌の歌詞の原型を作りました。彼はその後奴隷船の船長をしばらく続けましたが、奴隷への扱いを大きく改めました。1755年、船長の職を辞して海運関係の別の仕事に転身した彼はメソジスト派の伝道家と出会い聖職者になることを決意。ロンドンの教会で副牧師になります。後に”ST.Mary Woolnoth”教区の正牧師として生涯を終えました。

St.Mary Woolnoth教会にある彼の墓地の墓碑には彼の次の言葉が刻まれています。
「かつて背信者であり放蕩者、奴隷を使用する者であったジョン・ニュートンは我らの主であり救い主であるイエス・キリストのゆたかなな憐れみにより赦され、救われ、そして、自ら長年排斥していた福音を宣べ伝える役割を受けた。彼は16年間オルニーで宣教し28年間この地で宣教した。」
さて、曲は誰がつけたのか…。"Loving Lambs"という「プランテーション・メロディー(奴隷が働く大農園での作業歌)」から取られた旋律とも、奴隷の使用人から牧師へと転身していったエピソードを知った黒人らが節回しをつけて歌い継いだという説やら、スコットランドのバグパイプ曲のメロディーに起源があるという説、さまざま知られています。どなたか詳しい情報をご存知でしたら教えてくださいm(_ _)m。

この歌詞に関連する?聖書の記述から: よい羊飼いのたとえ(ルカによる福音書15章1節〜)

羊が100匹いました。
羊飼いが数えてみたら、1匹足りないことが分かりました。
羊飼いは99匹を置き去りにして、その1匹を探しに行きました。
その羊が見つかって、羊飼いは、とても喜びました。

[おすすめCD] アメイジング!〜アメイジング・グレイス〜 ユニバーサルクラシック/UCCS-1045 P2003

ヘイリー、白鳥英美子らの録音を集めたコンピレーション盤。ジョルジュ・ザンフィルのパンフルート演奏も聴けます。

歌詞は以下です。 英語の歌詞が平易でよく親しまれていると思いますので、英語の歌詞を先に紹介します。

1.
Amazing grace! how sweet the sound
That saved a wretch like me
I once was lost, but now I'm found
(I) was blind, but now I see.

2.
'Twas grace that taught my heart to fear
And grace my fears relieved
How precious did that grace appear
The hour I first believed

3.
Through many dangers, toils and snares
I have already come
'Tis grace has brought me safe thus far
And grace will lead me home

4.
The Lord has promis'd good to me
His word my hope secures
He will my shield and portion be
As long as life endures

5.
Yes, when this flesh and heart shall fail
And mortal life shall cease
I shall possess, within the veil
A life of joy and peace

6.
The earth shall soon dissolve like snow
The sun forbear to shine
But God, who called me here below
Will be forever mine

1.
われをもすくいし くしきめぐみ、
まよいし身もいま たちかえりぬ。

2.
おそれを信仰に 変えたまいし
わが主のめぐみ げにとうとし。

3.
くるしみなやみも くしきめぐみ、
きょうまでまもりし 主にぞまかせん。

4.
わが主のみちかい とわにかたし、
主こそはわが盾 わがいのちぞ。

5.
この身はおとろえ、 世を去るとき、
よろこびあふるる み国に生きん。

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