わたしの好きなオルガン音楽



 私の好きなオルガン音楽(コラールなど)を紹介していこうと思います
   

その1:コラール前奏曲:目覚めよと呼ぶ声がきこえ(BWV 645)/J.S.バッハ作曲
Choralvorspiel : Wachet auf, ruft uns die stimme (BWV 645) / J. S. Bach

J.S.バッハは170曲以上にのぼるコラールを遺しています。コラールというのは、ドイツ・プロテスタント教会の礼拝式で用いられる讃美歌のことです。このコラールは、シュプラーがバッハの曲を「オルガンのための6つのコラール集」として編纂するにあたり、同名のカンタータ(BWV 140)の第4曲を編曲したものです。

何とも崇高で安らかに、花婿の前に進み出る白い花嫁の足取りのように優しい主題が呼び交わされ、とても清冽な情感に満ちた名曲だと思います。
また、そのカンタータは以下の聖書の記述にある「キリスト(花婿)と魂(シオンの娘にたとえられる乙女)の魂の契りを音楽にしたものといわれています。
「花嫁を迎えるものは花婿です。そこにいて、花婿のことばに耳を傾けている友人は花婿の声を聞いて大いに喜びます。それで、私もその喜びに満たされているのです。」(新約聖書・ヨハネによる福音書第3章:29節)
「彼らは来て、シオンの丘で喜び歌い、穀物と新しいぶどう酒とオリーブ油と、…主の恵みに喜び輝く。彼らのたましいは潤った園のようになり、もう再び、しぼむことはない」(旧約聖書・エレミヤ書第31章:12節)。

さて、個人的にお気に入りの録音をあげますと…有名なオルガニスト、ヘルムート・リリングの録音が一番良いかなぁと思います。この曲は奏者によってだいぶ演奏速度が違うと思うのですが、この方は私にとって丁度いいテンポで演奏されていると思います。
[ヘルムート・リリングのCD] 教会暦によるオルガン・コラール集(日本盤タイトル): (COCO-70451) P2002 : 日本コロムビア

ちなみにこの曲は、しおしおと私の結婚式の入場の際に教会のオルガンで演奏されました。とても思い出深い曲なのです。
さらにこの曲について追記しますと、教会暦の終わりの季節のためのコラールとされています。教会暦の1年は待臨節から始まり、クリスマス、イースター、聖霊降臨節…ときて終わります。
  
ピアノ用にはヴィルヘルム・ケンプらが編曲しています。私は時々ピアノ譜面、自宅のシンセサイザで弾いております。
その楽譜に記されていた、この曲に付けられたフィリップ・ニコライの詩を記しておきます。

シオンは見張りたちの歌うのを聞く。
彼女の心は喜びにおどり、
彼女は目を覚まし、いそいで起き上がる。
彼女の友は天より堂々と、真実により力強く来る。
彼女の光は明るく、彼女の星は昇る。
いざ来たれ、敬愛する王、主イエス、神の子よ!
お救いください!
私たちは皆、喜びの広間に従い行き、
晩餐を共にします。


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