2002年5月1日号
人生はすべて勝負

少年剣道もいよいよ今年の勝負どころ、全国大会の各地区予選会が始まろうとしております。
今回は,団体戦での一本の重みについて考えてみました。
すべての動物は母体から出たその時から自分の力で生きていかなければならない宿命と言えよう。
自分の力で生きて行かなければならない、それは生きている限り,全て勝負(生きるか死ぬか)をし
勝たねば生き残れないと言う事ではないでしょうか。
ご飯を食べる,それも生きていく為の体力を付け勝負に勝つための力を付ける。
勉強をする、それも賢く誰よりも優れた人になり、勝負に負けない知識を付ける為など、
すべて、自分以外のあらゆるものとの勝負に勝つための努力と手段のの積み重ねでは無いでしょうか
「人は死して名を残し、虎は死して皮を残す」
と言う諺が有りますが、優れた先人は自分で努力をし、勝負に勝って現在の名訓を残していると
思うのです。
人間が生涯を終える時、自分で自分の生涯の勝負に勝ち、いかに満足して息を引き取り、後世にその名を残す事が出来るかでは無いでしょうか。

剣道の勝負では切るか切られるかである。

剣道の理念で「剣道は、剣の理法の修練による、人間形成の道である。」
と有りますが、その部分は常に切るか切られるかである。
切って学び、切られて学ぶの課程が修業です。
沢山、修業する事により技術が上がり、切るが多くなり強くなるのです。
修業の過程に、切り返しや掛かり稽古、技の稽古が有り、これらのの稽古の積み重ねが技術の向上
となり、技、肉体、精神が強くなり剣道が面白くなり、興味が出て来る事で、益々修業を重ね技術が
向上しその過程で得るものがあり、剣道理念である「人間形成」につながるのです。

勝負は鼻の差で勝て

「肉を切らせて骨を切る」と言う訓が有る
勝負はどんな小さな試合でも大きな試合でも、勝つことは大変な事です。
それは、人の個々の力はそれほど大きな差は無いのであり、いかにその勝負に対しての執念
と闘志を持って対処する・・・かでは無いでしょうか。
宮本武蔵は、生涯60余り戦いましたが負けたことがありません、1つ1つの戦いに大変な作戦を
持って臨み、勝利したのです。それが勝負に対する執念と手段と努力なのです。
勝負は首の差で勝つことの実力があれば幸いだが逆に首の差で負ける実力しかなくても
後は勝負に対する執念と手段、闘志・・・等あらゆる方法と知恵を駆使して鼻の差で勝てるように
力を発揮する事が必要なのです。

チームの中の自分のポジションを知る!!

剣道の試合は、個人対個人の試合ですが、数人が集り団体で勝率を競う団体戦も有ります。
その団体戦での中の自分のポジションの責任をいかに果たし、チームに貢献する事が出来るか
なのです。自分より先に出場した選手の勝敗を勘定して、自分はどの様な戦いをしなければならない
かを考えなければならないのです。
個人戦では引き分けは勝ちにはならず、絶対に勝たなければなりませんが、団体戦は引き分けでも
勝ちの内に入ることも知らなければなりません。
引き分けは1本取られて取り返す(その逆も)の引き分けでは無く、1本も取られない引き分けの方が
より良いでしょう。
皆さんも各大会のリーグ戦で又優勝戦で、1本の差で負け、悲しみの涙を流し1本の重みを感じてい
ると思いますが、1本を取る為、取られない為に常日頃どの様に心掛けて稽古しなければいけないか
覚えてください、さらに選手5名の戦いですが、選手みんなが一丸となって団結し、監督、応援、皆の
戦いなのです。戦い終わった選手、これから戦う選手は皆で今戦っている選手を応援し激励する、
戦っている選手は皆の応援により闘志を燃やして力以上のパワーを発揮出来るのです。
この団結と皆に対する思いやり、チームの為に一生懸命戦う、そして鼻の差で勝った時の喜びが
出来るようになって初めて、剣道の特性である「信義を重んじ誠を尽くし」が生きてくるのです。
稽古を休まないのはもちろんですが、1回1回の稽古に目標をはっきり立て、自分の為に真剣に
稽古に心しなければ成りません。

結び

常々、頭を働かせない人は勝負に勝てない、と言いますが。勝つために真剣に頭を働かせる、手段
を錬る、そしてこれでもかこれでもかと稽古に稽古を重ねるその過程での稽古が人間形成に繋がり
剣道という競技が現在の時代に必要とされるのです。
「今日の稽古の蓄積が明日の勝負の勝利に繋がる」
剣道は稽古をしなければ絶対に技術の向上は有り得ません、苦しくても、辛くても、こつこつゆっくり
で良いから継続する事が必要なのです。
お金は使わなければ減りませんが、剣道は稽古をサボれば技術はどんどん減ります。
人間は努力する事が出来る動物なのです、自分の力を信じて勇気を出して稽古に励みましょう!
       
                 
                文 一岡正紀 

勝負・一本の重みを知る

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