ここに掲載している内容は、のらねこ商会にも掲載して頂いています。
真空管の情報が詳しく書かれていますので、是非ご覧下さい。

TV球マジック超三結アンプの製作
TV用のコンパクトロン管で作る超三結アンプ。
オーディオ用の高価な球を使わず、駄球とも言われるTV用の真空管を用いたちょっと変わった
アンプです。

水平出力管とダンパー管が一緒に入っている「38HE7」を使ったものと、
垂直出力管と垂直発振管が一緒に入っている「6FM7」の2種類です。

掲載している回路の原典は、上條信一氏の発案・実装された超三極管接続回路を参考にした
ものです。是非ご参照下さい。尚、掲載回路においてプレート及びSGの間に挿入しているダイ
オード(1N4007)ですが、超三結アンプ固有のものではありません。このダイオードの効果は、
「手作りアンプの会」の皆さんの実験により推奨されているもので長年研究されておられる
「宇多 弘氏のHP(http://www2u.biglobe.ne.jp/~hu_amp/)」
にも詳細に解説されています。

38HE7のダンパー管は、大電流の整流管として使えますので、2本でAC100Vを倍電圧整流にし
ています。
ヒーター電流は450mAですので、初段管に同じヒーター電流の6U8Aを用いています。
ヒーター点火は12μ(50Hzの場合15μ)のコンデンサを用いてリアクタンスによる定電流点火回路
にしています。
コンデンサは、AC100Vが直接掛りますので、耐圧DC250V以上のフィルムコンデンサを使っ
てください。
電解コンデンサは使えません。

カソード電流は230mA流せますが、最大プレート損失10Wですので、今回のアンプでは60mA
の動作電流にしています。

調整時の注意点ですが、初段(6U8)のカソードに入れている可変抵抗を最小値の状態で電源
投入してください。抵抗値をあげて行くと、あるポイントから鮮明な音が出始めます。
出力段の電流値をその後決めてください。
最初から抵抗値を大きい状態で電源を入れると、出力管に大きな電流が流れ暴走することがあ
ります。
電源を切ってからすぐに再投入すると、初段管と出力管の熱容量(ヒータ加熱時間)の差から、
同様に暴走することがありますので、30秒以上おいてから入れるようにしてください。
ストッピングダイオード(出力段のプレート、SG供給に使用しているダイオード)は、R-ch、L-ch
各々独立で入れてください。

6FM7は、ヒーター電流が1.06Aと大きいので、ヒータートランスを使いました。
B電源は38HE7アンプと同様にAC100Vを倍電圧整流しています。
6FM7は、最近入手困難になってきています。同等管の6EM7/6EA7/6FD7等も同様に使え
ます。
6EM7と6FM7はソケットが違うだけで全くの同等管です。

調整方法及び注意点は、38HE7のアンプと同様です。

12AU7差動P-P QRPアンプの製作
出力管に12AU7を用いた小出力の差動P-Pアンプです。
定電流回路は、定電流ダイオード(15mA)を用いて簡略化しています。負帰還のみでな
く電流帰還も併用しダンピング改善した構成となっています。

出力は250mW程度ですが、音質的には小さな精巧な箱庭とでも表現したいような緻密
な音を奏でてくれます。

出力トランスも(株)イチカワから販売されているITPP-3W(真空管アンプ用出力トランス)で
十分です。

特別な部品を使うこともなく無調整でOKですので、試しに作ってみるには好都合のアンプ
と思います。

このページに掲載している3種類のアンプの製作等で質問がございましたら
こちらまでご連絡下さい。微力ながら協力させて頂きます。