2014年8月   3泊 ぱしふぃっくびいなす 横浜→熊野→新宮→横浜

1 久しぶりのクルーズ



「今年の夏は休めるぞ!」

と、久しぶりに客船クルーズに行こうとしたのですが、困ったことに既に7月。
お盆前後はクルーズも人気で、どのコースも満席。

希望は

① 4日~5日のコース。 これくらいが、のんびり出来てちょうど良い。

② 花火を船上から見物できる。 花火が付くとお得感タップリ。

③ 横浜からの往復。 車を横浜港に置けるので楽。



最後まで迷ったのは、「飛鳥Ⅱ」の熊野大花火クルーズ と 同じく「飛鳥Ⅱ」の伊東花火。
「にっぽん丸」の下関花火&阿波踊りクルーズ。そして「ぱしふぃっくびいなす」(以下、長いので「ぱしびい」)の熊野大花火クルーズ。

飛鳥の熊野は、1日早く出航するので、仕事が心配。
にっぽん丸の、下関&阿波踊りも捨てがたいのですが、乗船が下関になり、お盆の始めに移動するのは面倒。そう思っていたら、キャンセル待ちで「ぱしふぃっくびいなす」が取れたと連絡が、

「よし、今年はこれに決定!」



乗船は18時半。ギリギリに着いても良いのですが、久しぶりの横浜なので早めに入りましょう。

18時になると、下関花火から帰ってくる「にっぽん丸」が入港してきました。
この船には、以前の「済州島クルーズ」と「熊野花火クルーズ」で一緒だったMさんが乗っています。

マニアックなMさんなので、この航海でも操舵室見学したり、最上甲板で海峡通過を見学していたことでしょ
Mさんをお迎えしたら、我々も入れ代わりに反対側に止まっている「ぱしびい」に乗船です。

今回の船室は6階。いつもの5階を希望したのですが、キャンセル待ちで6階になりました。値段が高いのですが、その代わり窓が大きくなっています。

船室に入り、荷物を整理していたら、突然船内放送が入りました。

「19時より避難訓練を行います。乗客の皆様は、船室の救命胴衣を着用になって、自室でお待ちください」

「なに? いきなり訓練?」

おそらく海洋なんとか法とかで、○○海里以上航行する場合は、訓練をしなさいとあるのでしょうが、今じゃなくても良いだろう。とりあえず19:15のディナーに間に合うように、荷物整理と着替えがあるので、楽しい訓練はパス。



我が家はいつも、夕食は「2回目」を希望。
ダイニングは300人ほどが定員のため、今回のように600人近い満席の場合は2回制になっています。

1回目だと夕食は17:15から。ちょっと早いですが、今回は夏休みでお子様連れが多いので1回目希望が多かったそうです。

(ちなみに1回目夕食の方は、16時以前の乗船)

初日の夕食は和食のコース






夕食後にメインホールでショーを見て、さんざん楽しんで部屋に戻って窓の外を見たら・・・
「窓の外に誰かいる・・・」

よく見たら、窓の外は海ではなく、大桟橋の展望デッキが。
手摺越しに、お見送りの人がこちらを見ています。
そうです出航は22時。まだここは、横浜でした。


    
乗船して夕食とショー、それに船内探検と、タップリ楽しんでようやく出航。

昼間の出航だと、出航セレモニーがあり、甲板ではシャンペンが配られ、港の送迎デッキにも大勢の見物者がいるのですが、
さすがに22時では静かな出港。


タグボートに引かれ、180度回頭した「ぱしびい」はベイブリッジをくぐります。
真下から見上げると、煙突がぶつかりそうですが、まだまだ余裕があります。

しかし、設計当時は「通れない客船は無い」はずだったのですが、その後客船はどんどん大型化。
今では10万トンを超える一部の客船が通過できません。



「夜食メニュー確認するか?」


すぐに夜食の時間。1日3食に夜食やオヤツなど、1日7食もあるので、無理に食べなくても良いのですが、
「元を取る!」が我が家の家訓。


「体脂肪増やせば、船が沈んだときに浮きやすくなるぞ」
変な言い訳で、肥るの覚悟で元を取ります。

2.熊野沖まで終日航海


翌朝は日の出と共に行動開始。

まだ皆さんが寝ているうちに、船内の写真を撮って廻ります。


「さあ、夜まで何する?」今日のイベントは、昨夜のうちに各室に配られています。


「外せないのは、10:30の操舵室見学」

「花火写真撮影の講義も良いなあ」

「その前に朝飯行こう」

朝食は7:00~9:00。自由に行けるのですが最初は込むので、時間をずらしていくことに。
早起きしたので待てないよ」という人のために、オープンバーでは6時からスナックが食べ放題。


「ぱしびい」では朝食は和食か洋食バイキングのチョイス。
チョイスと言いながらも、和食の後に洋食バイキングに廻っても可。

普段の生活からは想像できないような豪華朝飯。
「オムレツをミックスで!」とオムレツを焼いてもらいます


10:30からは操舵室見学。
短い航海ではなかなかチャンスがありませんが、本日は終日航海(寄港せずに走るだけ)

操舵室もそれほど忙しくなく、天気も良いので45分間に限って公開。
しかし・・・予想通り今回は子供連れ多く、満席に近いので、時間前から操舵室の入り口には大行列。

こんな時には、閉店間際を狙うべし。
案の定、30分も経過したら、行列は無し。

久しぶりに「ぱしびい」の操舵室に入ります。
以前は勝手にレーダー画面触って、近くの船を捜したのですが、今ではスマホのアプリで簡単に探せます





熊野花火の会場に到着すると、「飛鳥Ⅱ」が既に停泊中。
我々より1日早く横浜を出航し、清水に寄って早めの到着です。

スマホで「にっぽん丸」を探したら、全速の18ノットでこちらに向かっているようです。
まだ10海里ほどありますが、水平線を見るとそれらしい点が見えてきました。

我々の乗船のときに横浜に入港した「にっぽん丸」
乗客を降ろして、急いで愛知の四日市に回航し乗客を乗せて、全速で追いかけて来たようです。

これで日本の客船3隻がそろい踏み。



夜は花火があるので、夕食は早めにセットされています。
メニューも早く食べやすい海鮮丼



さあ、花火見物の時間が近づいてきました。

「ぱしびい」は後甲板に大きなスポーツデッキがあるので、浜に船尾を向けます。
しかしアンカーを下ろして停泊中。船は風を受けて風見鶏のように、浜には関係なく風上を向きます。

「どうやって、船尾を浜に向けるんだ?」

3.花火大会の始まり


 「ドーーーーん」

まだ西の空が少し明るいうちに、挨拶代わりの、1発目が上がりました
いよいよ熊野大花火の始まりです




以前の飛鳥Ⅱの時は、船首のアンカーと船尾のタグボートで真横を向くように調整していたのですが、今回の「ぱしびい」にはタグボートが付いていません。
そのため船首にアンカーを入れ、エンジンで後進かけて舵で調整します。

風と潮の流れで角度が変わるたびに、「ゴゴゴゴゴゴ!」とエンジンが唸り始めます。
しかも無理やり後進かけているので、船尾の振動が激しい!
花火を写そうと三脚構えていたのですが、写真はブレブレ。

最初はカメラの調整をしながら見物していたのですが、だんだんカメラどころではなくなり眼は花火に集中。
後半に行われる 「3尺玉の海上自爆」


海岸のアナウンスが聞こえます「カウントダウン 5・4・3・2・・・」
導火線に火をつけて急いで逃げるので、カウントダウンは当てになりません。

          「・・1・・」    


「どおおおおおおおーーーーん!」

火花は直径600mに広がるそうで、空気の衝撃は船までやってきます。
火薬量は250キロだそうで、1発当たれば「ばしびい」も轟沈しそうです。


花火大会は2時間半。最後の大仕掛けも終わりました。
「いや~ 凄かった!」「ん? あの光は何?」

浜では無数の小さな光がチラチラ動いています。「帰る人たちの懐中電灯か?」と思ったのですが、後で聞いたら、見物者が、花火師さんに感謝の意味で、スマホを振るんだそうです。

「ブオーーーーーー!」 船も汽笛を鳴らして 花火師さんに感謝です。

余韻に浸りながら、自室に戻ります。この後、夜食に行くのもよし、バーで飲むのもよし。
「楽で良いな」 これが花火クルーズの醍醐味。

「浜の人たちは、これから大渋滞で、帰るの大変だぞ」と、ちょっと上から目線です。
夕食が早かったので、今日の夜食は肥るの気にせず食べられます。

4.新宮入港


3日目の朝。今日は新宮に上陸。
甲板出ると、朝日の中をタグボートが近づいてきます。

多くの乗客は、オプショナルツアーで熊野古道に行くようですが、我が家は特に予定無し。
とりあえずシャトルバスで新宮駅に行き、そこで考えることにします。


「朝飯、間に合うのか?」

朝食は7時からなのですが、入港は8時。
オプショナルツアーの集合時間も早いので、7時にはダイニングは一気に込むでしょう。

我々は良いのですが、オプショナルツアーに行く人はちょっと大変。
あと30分は早めてくれたら良いのですが・・・。



今回も和食のセットに洋食バイキングを追加します。





「ゴゴゴゴゴゴゴ!」
また、エンジンが後進かけてます。
接岸のためにブレーキかけているのですが、最後部にあるダイニングには振動が直接伝わります。

お茶の入った湯飲みを見ると、振動の周期に合わせて、不思議な模様が次々浮かんでは消えます。
お茶の中のトンガリが3つになったり、1つにまとまったり。




さあ、歓迎セレモニーを甲板から見物し、我々も上陸しましょう。

新宮駅まで無料のシャトルバスで行き、そこからはJRとバスで、本州最南端の串本まで向かいます。
青春18切符の利用も考えたのですが、元が取れそうも無いので普通に切符を購入。

串本の駅から最南端の岬まではバスで向かいます。
そこそこの観光地だと思うのですが、バスはガラガラ。

最南端の土産物屋も、展望デッキも閑古鳥。
大丈夫なんでしょうか。



旅先での昼飯は、地元の寿司屋になる場合が多いのが、我家の旅
串本でも、もちろん地元の寿司屋さんにGO。

「船の昼飯は何だったっけ?」
上陸しないで船に残っていれば昼食は無料。寿司を食べながらも、ちょっと気になります。

「天ざるソバと かやくご飯」
「さすが、チェック入ってるね」

朝食時に昼のメニューも、当然のごとく確認済みです。



「お客さんたち、次は何処に行くの?」
寿司屋の女将さんが、電車の時間を調べてくれました。


「新宮方面は特急しかないね」 普通電車だと集合時間ギリギリになります。
「特急だと、勿体無いなあ」 豪華客船で来たのに、根が貧乏性ですね。

「お客さん、バスならあるよ」
「結構バスも使うんですか?」

「通しで乗る人いないから、運転手さん驚くよ」


時刻表を見たら、路線バスが新宮まで走っています。
まるで最近流行っている、「路線バス乗り継ぎ旅」の 蛭子能収か 太川 陽介になった気分で、1時間半ほどのバス旅にいざ出発。

ちょっと小型のバスは、相変わらずガラガラ。
ノンビリ海岸線を走るので、電車より楽しめます。

「あれは? どこかで見たこと有る島だな」
たしか、無人島生活とやらで、芸人さんが魚を捕って 「とったどー!」と叫ぶ番組。

どんな孤島かと思ったら、こんな海岸に近かったんだ・・・


「船に一番近いバス停で停めて下さい」
と運転手さんに頼んで、港の入口でバスを停めてもらいます。

バス路線を見つけたおかげで、予定より早く帰船。
オプションの乗客が帰って混雑する前に、無料のオープンバーでサンドイッチを頂きます。

5.新宮出航



お見送りの太鼓に送られて、新宮を出航します。
タグボートの背景に 虹が出ています。


夕食は 
① タコのブルギニヨン
② 夏野菜と生ハム ディルサーモンとモッツアレラチーズのサラダ
③ コンソメスープ (グリーンピースポタージュも選択できます)
④ 真鯛のベルモット蒸し トマトクリーム添え
⑤ レモンシャーベット
⑥ 和牛サーロインのロースト(めばるのグリルも選択できます)
⑦ 桃のコンポートとラズベリーのムース



夜食も忘れちゃいけません 山菜ソバに雑炊。ケーキにフルーツ・・・・ もう食えません。

6.横浜帰港


毎回悲しい、最終日の朝。
クルーズでの日の出はウキウキするのですが、最終日の太陽だけは昇らないで頂きたいものです。

例によって、帰りの荷造りを女房に任せて、甲板を散歩。
浦賀水道を入り、速力を12ノットに落とし、あと2時間もすれば横浜入港。

久里浜→金谷 のフェリーは、「ぱしふぃっくびいなす」の前を横切って進みます。



荷造りを済ませ(女房が・・・) 朝食に向かいます。

我家のことをいつも覚えてくれている、ウエイターの「ジェフさん」ともここでお別れ。
(しばらく会わないうちに、彼はシニアウエーターに出世していました)

3食続けた オムレツともしばらくお別れ。
悔いが残らないように、明日からの粗食の栄養補給にと、何度もお代わりします。


ベイブリッジをくぐると、同じ時間に入港予定の「飛鳥Ⅱ」が、回頭終わって後進で接岸中。
バックには富士山も綺麗です。

さあ、「ぱしふぃっくびいなす」も入港です。
お盆休みも終わり、世の中は忙しく動いているはず。

船から降りたら、頭のスイッチを切り替えて、仕事モードにしなきゃ・・・