2006年10月  2泊 ぱしふぃっくびいなす 博多→奄美大島→博多

1 2泊3日で奄美大島?
 
東京か横浜からのクルーズで2泊3日と言えば、北は三陸あたりまで。南は伊豆諸島。西は紀伊半島。
時間と予算があれば、もっと遠く、行った事の無い場所に行けるのですが、2泊ならもうこれが限界。

「変わり映えしないなあ」 と悩みながらパンフをみていたところ、2泊3日で「奄美大島」の文字
「あれっ? 2泊3日で奄美大島?」
奄美までは片道だけで2泊かかりそうだが・・・



やはりパンフをよくよく見ると出発地は博多。
「なあ~んだ」と思ったのですが、博多なら飛行機の便数も多く格安チケットも多い。

「よし。博多まで行くぞ。次は奄美だ!」

一口に2泊3日と言っても、前回の「飛鳥Ⅱ」は 夜出航の朝帰り。
今回の「びいなす」は 午前出航の午後帰り。

「昼飯2回分お得じゃん」

価格設定も今回は安い。


博多往復の飛行機代を入れても、充分に元は取れそうです。


さて、そんな訳でやって来ました博多港。
午前10時からの受付は「国際ターミナル」

国際ターミナルからは、韓国釜山行きの高速船「ビートル」が1日数回往復し、フェリー「カメリア」も就航。
建物内は日本語とハングル文字が混在しています。

福岡に住んでいたら、日帰りで韓国旅行も可能。
身近に海外にいけるとは、うらやましい話です。

11時に出航した「ぱしびい」は、玄界灘を航行。
久しぶりの「びいなす」なので、復習のために船内を軽く周り、ダイニングへ。

昼食は

  前菜3種盛・菊菜とぶなしめじのピーナッ和え・マナガツオ柚庵焼。

  ソバと松茸の信州蒸・栗ご飯。

  小柱と野菜のかき揚げ。

昼食後、船室で荷物を整理していたら、いきなり携帯電話が・・・・
夕方までは九州に沿って航海するので結構電波が入ります。

「お疲れ様で~す。 今チョット出先なんですが・・・」 と、ここまで話したところで、

「ピンポンパンポン! ご乗船ありがとうございます、船長の由良でございます・・」
あわてて船内放送のボリュームを絞ったものの、時既に遅し。

今回は船内で仕事をするつもりで、パソコンも持ち込んでいました。
夜になると九州沿岸から離れてしまうために、急いで終わらせて電波の届くうちに送信しなくてはなりません。
電話のおかげで、夕食までは仕事タイムに。



お待ちかねの夕食は。


 焼き豚とサツマイモのタプナード・トースト添え。 (焼き豚が絶妙!)
 鮪と小野菜 アルファベットパスタのマリネ。   (アルファべットパスタが笑える!)
 牡蠣のムニエル・サフラン風味のスープ。     (牡蠣が美味い!)
 真鯛のロースト・バルサミコ風味。        (ソースが美味いぞ!)
 牛ヒレの胡麻風味。               (お肉様が柔らかい!)


実は今回。最近あまりにも仕事が忙しく、今回の旅行は全て女房任せ。
奄美大島がいったい何処にあるのか、どの程度の大きさか、なにが名物か、まったく知識がありませんでした。

「島では何するの?」 と女房に聞かれても 
「歩いて1周すれば」 と、まったく頭が回りません。




でもご安心を。船内では奄美の「マングローブ公社」山田氏が観光の相談にのってくれます。

シアターで観光案内の講義を聴いて、早速相談窓口へ。
歩いて周ろうと考えていた奄美ですが、講義を聞いたら周囲は490キロ!
車でも1日半周だそうです。

そこで慌てて山田氏にレンタカーの有無を確認します。
山田氏は早速携帯で島に連絡。 「山田価格で頼んでおいたからね」と嬉しいお言葉。

さあ、明日はいよいよ奄美大島上陸です。



                
2 暑いぞ奄美大島

福岡から南に680キロ。
やって来ました奄美大島。

入港は8時ですが、ここの港はかなり大きく、大型客船が直接着岸する事が可能です。
今年の夏に神津島に行った時、「飛鳥Ⅱ」は沖に停泊。
漁船での上陸となったため、朝一番の上陸時には順番待ちの列が出来ていました。

今回は接岸なので、停泊中はいつでも出入が自由になります。
そんな訳で、落ち着いてダイニングに行くことに。


当然のように、和食を一通り食べた後に、洋食のバイキングにも走ります。
まあ、今日はこれから上陸して島の料理を食べまくる予定なので、これで軽く終了。

上陸後は「山田価格」で借りたレンタカーで島の北側を回ります。
入港時は曇っていた空も、雲が切れると日差しが強い!

「日が出ると暑いよ!」

いやいや、とにかく暑いです。白い砂浜と青い海。
海パン持ってきたので泳ぎたいのですが、仕事仲間には「福岡に出張」となっているので、こんなところで焼けてしまうと後が大変です。


 

さて、昼飯は奄美名物の「鶏飯」(ケイハン)

なんとも不思議なご飯です。
お店の人に「どうやって食べるの?」と聞いたところ、回答は次のとおり。

1・ お椀にご飯をよそいます
2・ 錦糸玉子、鶏肉、シイタケなどの具を乗せます。
3・ 熱いスープをザッとかけます。

言われたとおりに食べてみると 「美味い!」
もう少し詳しく言うと 「ジャンクな感じが美味い!」「懐かしい感じで美味い!」
と言った感じ。

味は、インスタントのチキンラーメンの残りスープに、ご飯を投入した味。
自宅でも試せそうです。


奄美の名物と言えば忘れてならないのは「黒糖焼酎」
焼酎工場を見学し、試飲もすることに・・・・って、私は運転手なので飲めません。

「これ何? アッこれは?」と 女房はテーブルに置いてある全種類を試飲。
全種類飲んだ後も 「もう1回復習」 と2周目に突入。

 


焼酎でほろ酔いになった女房を乗せて、レンタカーは南に向かいます。
最初の予定ならこのまま港に帰る予定でしたが、奄美大島は道も走りやすく、交通量も少ない島。
一気に距離を稼ぎ、かなり早めに島の中心地に帰ることができました。

このまま帰るのは勿体無く、港の南側のマングロープ園へ。
もう少し時間が有ればカヌーを漕ぎたかったのですが、これは次回のお楽しみ。

港に帰ったのは出航1時間前。
18時の出航の時には、島の人たちが岸壁で輪になって踊ってくれました。


これからまた北に680キロ。「びいなす」は一路福岡を目指します。




3 驚きのディナータイム
  
18時。奄美の皆さんの踊りに送られて、「ぱしびい」は出航です。

ディナーは2回目を希望しているので、19:45分から。
それまでは「上口龍生」氏のマジックショーを楽しみます。

さて、本日のディナーは「ぱしびい」お得意の和洋折衷。


前菜    ハムと胡瓜のパパイヤソース・豆腐田楽2種
メイン魚  鰆の酒粕グラタン
メイン肉  鶏もも肉の香味焼き・大根と人参のサラダ 


メイン料理が運ばれてきたあたりで、ダイニングの入り口が急に賑やかに。
食事中の乗客も一斉に入り口に注目です。

そこにはケーキを持ったスタッフを先頭に、バンドの一行が。
「HAPPY BIRTHDAY TO YOU~」 

賑やかな一行は段々こちらに近づいてきます
「あら、どこかしら?」
同じテーブルのご婦人が一行の行方を気にします。

ダイニングにはざっと200人以上の乗客。
だいたい毎回1人は誕生日の乗客に当たります。

「HAPPY BIRTHDAY TO YOU~」 
ケーキの一行が段々近づいてきました。

隣のテーブルを過ぎてこちらへ?
「HAPPY BIRTHDAY!」 一行は女房の前でストップ。

 



そうです。今日は女房の誕生日。
今までクルーズでは、他の人の誕生ケーキを羨ましく思っていたのですが、今回は日程がピタリ。

ちょっと無理して福岡まで飛んできたのには、もうひとつこんな訳もあったんです。

ウエーターさんも集まって大合唱。
このとき、専属カメラマンが写してくれた写真は、翌日プレゼントしてくれます。


このケーキは後ほど、同じテーブルの乗客に切り分けてくれます
同じテーブルのご婦人たちも大喜び。
しかしデザートに出てきたケーキを見て・・・

「これって30度くらいしかないぞ。このテーブル4人だから120度? あとの240度は何処に消えた?」
こんな事を考えるのは私だけでしょうか。

さて、ディナーの後はカジノで勝負。
先日大儲けした女房ですが、今日は今ひとつ稼げません。

「歳が変わったからかなあ・・・」
「そうだろう。昨日の晩は、年度末に予算使い切ったようなもんだ」



4 ビックリのビンゴゲーム
  
最終日の朝。

いつもなら最終日の朝は慌しいのですが、今日の博多入港は15時。
1日タップリ遊べます。

ところが朝食に行こうという時に女房がダウン。
前夜のカジノでエネルギーを使い果たしたのか?

仕方が無いので1人でダイニングへ。
朝食は和食を選んで、もちろんその後も洋食のバイキングへ。
7回目の「びいなす」なので顔なじみのウエイターさんが、フルーツを大盛で持ってきてくれます。


朝食の後のメインイベントは「ビンゴゲーム」

最初は普通のビンゴ。次はラッキー7ビンゴ。
これはハナから諦めています。
クジ運の悪い私に当たる訳がありません。

狙いは次の「アンラッキービンゴ」。最後までカードに穴が開かず、残った人が勝利。
案の定、番号が呼ばれても、私のカードに穴は開きません。

5回目、6回目 まだ開きません。 7回目・・・まだ開きません。

「それでは、ここまで残っている方はステージへどうぞ!」

お姉さんに呼ばれて、ステージに上がったのは4人。
さあ、これからが正念場。

「さあ運命の数字は・・・○○番!」

恐る恐るカードを見ると・・・・お姉さんの数字は有りません。
隣を見ると年配のオジサンが頭を抱えてステージを降りていきます。

「ヨシヨシ」

「さあ、次の数字はっ!」
片目でカードを見ます・・・・・・

「あった・・・・・・」

残念ながらここでリタイヤ。
最後まで残った奥様は、クルーズ券3万円分が当たりました。羨ましい・・・

 



さて、体調を崩した女房は医務室に行くことになりました。
「びいなす」のドクターは「法医学教室の午後」の著者の西丸先生。

医務室のベッドに横になった女房は、「西丸先生の顔見ると司法解剖されるみたい」
と冗談を言う元気がありました。

これで「びいなす」は全フロア制覇です。

少し元気になった女房と昼食へ。
メインは「蟹チラシ」
女房はあまり食欲もなく、私が蟹を頂いたのですが、帰宅してから女房は、
「あの時の蟹、返してよ」とほざいてます。



この後は目立ったイベントは無かったのですが、急遽ロイヤルスイートルームの一般公開が決定。
仕事柄、いそいそとスイートに出向きます。

「びいなす」には4部屋のロイヤルスイートがあります。
目安として1人1泊20万円。 もちろん2人で泊まるので1泊40万!

はっきり言って我家より広いです。
驚くべきことに、長いクルーズになれば、このロイヤルから予約が埋まるとか。

100日の世界1周なら2人で4000万。
我家の近所なら一戸建ての住宅が帰る金額です。

 


 


 



ロイヤルの住人と知り合いになって、
「それでは今晩、ウチの部屋で飲みなおしましょう」と、誘われるのが夢ですが、
ロイヤルの住人は専用のダイニングが用意されていて、我々庶民とは会わないようになってます。

予想外のロイヤルスイート見学も出来て、もうそろそろ博多入港。
港に着いたらタクシー飛ばして福岡空港に急がないと、今日中に帰宅できません。

そうそう。今回は「博多に出張」となっているので、博多土産の明太子を買う時間も必要です。

ノンビリモードのクルーズも、入港したら一気に仕事モード。
次はいつノンビリモードに戻れるのか。