2001年1月   2泊 ぱしふぃっくびいなす 東京→伊勢志摩→東京


初めてのクルーズ。出発前から緊張し、本当に見る物聞く物が珍しくドタバタの珍道中。


伊勢鳥羽での滞在時間6時間。

新幹線なら充分日帰りが可能なのに なぜわざわざ船で2泊3日もかけて行くのか?
正直に言って目的地はどこでも良かったのです。目的は「クルーズ客船」に乗ること。

 




現在、日本には4社で4隻の「クルーズ客船」が就航しています。どの船も21、000トンから28、000トン。乗客600人前後。
ちなみに 伊豆大島行きの客船は5、000トンで2、000人なので人口密度は15倍です。

そう考えるとクルーズ客船は結構贅沢です。
朝6時から24時までイベントがあり、食事は1日なんと7回。全て無料。と言うか全てクルーズ代金に含まれます。

確かに普通の旅行より割高に感じますが 内容を考えれば高くありません。
目安は安い部屋で1泊1人約4万円。これはホテルのツインルームなみです。
ですから100泊で世界1周となると 400万。 
スイートだと 100泊で2000万。当然2人で泊まるので4000万!

でも、いるんです。乗る人が。
まあ今回は近距離だった為スイートは全て開いていたようですが。

で。ようやく念願かなって今回乗れた訳ですが、決めるまでが大変でした。
とにかく世界を回る船。時間とお金に余裕の有る人が乗る船。夜はパーティー。タキシード。ドレス・・・・・
そんなイメージの船に手軽に乗ることが出来るのか?

有りました。探せば有るもんです。
バブルの崩壊と共に格安な近距離クルーズやワンナイトクルーズが出てきました。

極端なのは晴海埠頭に停泊したままレストランを開放したり。
ホテルとして利用できたり。これなら何とか手が届きそうです。

しかし、ここで欲がでました。
1泊ではつまらない。停泊したままなどは論外。もうちょっと乗りたい。
世界1周の1/50位は味わいたい。

そこで「ぱしふぃっくびいなす」(以下 ぱしびい)が今回の主役。気の早いことに前年の夏に申し込み完了。



10月になると「クルーズ会社」より案内書とチケットが送られて来ました。
案内書によると一番心配だった「ドレスコード」は全航海中カジュアル。
「良かった~。フォーマルじゃなくて。」
そうです。豪華客船=タキシード というイメージが強かったのです。

私はタキシードなんて持ってません。
「でも・・・。カジュアルと言っても買い物に行くみたいに ユニクロのフリースとドカジャンと言う訳にはいかんだろう 一応 考えないと」

もしかしてクルーに「お客様。そのお姿ではダイニングにはご案内できません」 と言われるのでは。
いやいや、あまり目立った格好で行くと田園調布のマダムに
「まあ~ 嫌ぁ~ねえ~。3等客室のくせに格好つけて。ちょっとボーイさん。あの男 船底に追い返してちょうだいな」 と言われるかも。

だんだん想像が悪い方に膨らみます
「あああ~~  私はどうすれば良いんだ?」
出発前夜。ようやく荷物がまとまりました。たかが2泊だと言うのにこの大荷物。まるで1ヶ月の海外旅行に行くようです。


心配だったのは洋服だけではありません。「ナイフとフォークの使い方は? ワイングラスって どこ持つの?」
あわてて新入社員時代に買った「社会人の礼儀マニュアル」を読み返します。

さらにもっと心配だったのはディナーでの会話。おそらく10人位の円卓のはずです。乗客の平均年齢は60歳以上とのこと。
「言葉使いには気をつけなくては」礼儀マニュアルで敬語の使い方を復習します。

「今日の円相場はいくらだったっけ? 明日は日経新聞 読んどいた方がいいかな」
「省庁再編のあたりは出そうだな」
まるで入社試験の前日のようです。



さて、当日。乗船は夕方16時の予定。
当初14時ごろに家を出る予定でしたが落ち着かず13時には すでに池袋に着いていました。
ここから晴海埠頭まで1時間。
気合の入った格好でしたが 落ち着いて考えると「仕事を終えた大工さんがなじみのカラオクスナックに行くところ」
 といった感じでもあります。

晴海に着いたのは14時過ぎ。「いた! 『ぱじびい』だ!」

とりあえずターミナルのコインロッカーに荷物を入れ、船の写真を・・・・という予定で早めに来たのですが、ロッカーが無い。
ターミナルに人もほとんどいない。そしてとにかく寒い!
「どうしよう?」チケットには「受付は16時です。それ以前にお越し頂いてもご乗船になれません」と、はっきり書いてある。

まあ。行くだけ行ってみるか」私は恐る恐るゲートの係員に聞いてみました。
「受付は16時の予定です ターミナルにお帰りください」と言われるかと思いきや 意外にも「お部屋にはご案内できませんが 船内のライブラリーでお待ちになって下さい」との事。
さすが「ぱしびい」 図書館まであるんですね。それに船内のきれいな事。1歩目から大感動です。


船室は最下階(と言っても5階)のスタンダード。まあホテルのツインを小さくした感じでしょうか。
予約が早かったためほぼ中央部。一番揺れない部屋です。
船室を隅々までチェック。どこに行っても壁を叩いて材質を確認する私。
カーテンと壁紙をチェックする奥方。しかし狭くてもなかなか使いやすくできております。

TVをつけると 「ぱしびい」のブリッジからの映像が映ります。
「おお~。飛行機と同じだ」映像には隣に着岸しようとする 「ふじ丸」の姿が映ってます。
わずか1時間ですが 2隻が晴海で並ぶことになります。

次に、船内新聞に目を通します。これには今日のイベントスケジュールがギッチリ書かれております。
「まるで工程表だなあ」工程表のバーを赤ペンで結んでいきます。これは2人とも仕事柄慣れたもの。
「これじゃあアミダクジだね」

「出航は17:00。 おおっ? 16:50からボートデッキでいきなり出航パーティーか?」
「よし!今日の予定を発表。 16:50から8階のボートデッキ。 17:10にレインボーブリッジの下をくぐって、17:15から船内見学会に参加。
え~夕食は~・・・ 7時半だ」
「しちじはん~?」

これに慌てたのは奥方でした。
なにしろ2人とも夕食は5時だと思いこみ12時にマックのサーモンバーガーを1個づつ食べただけです。
ダイニングには乗客全員が入れず2交代制で 1回目は5時半。この部屋の指定は2回目だったのです。

「だれだよ。出航したらすぐ飯だって言ったのは」
「・・・・・・・・・・・・」
しばらく沈黙が続きましたが よくよく考えたら1日7食です。食べ放題のライトミールがあるんです。
一昨年。北海道からの帰りに金が無くて フェリーの中で自販機のカップラーメン食べてた時とは違うのです。



そろそろ出航です。8階のデッキに行かなくては。
5階から8階に駆け上がります。
「寒い・・雪か?」スタッフからシャンパンと紙テープをもらいます。
岸壁では見送りの人や地上係員、タクシーの運ちゃん達がテープを拾ってくれます。

「これって掃除が大変なんだよね。バイト雇って5万くらいかなあ?」
「こんなとこでセコイ話しないでよ!」

見送りの後ろには大きな「国際信号旗」を持った人が。信号旗は「U」と「W」 意味は「安全なる航海を祈る」です。
実はこの方は隣に着岸したばかりの「ふじ丸」でサイパンから帰ってきたばかりの方でクルーズの世界では有名な方でした。


カウントダウン「3」 「2」 「1」  「ぼーーーーーーーー」 汽笛です。「乾杯ッ!」さあ出航です。
「ぱいびい」は出航直後 レインボーブリッジをくぐります。
しかし 寒い!ブリッジをくぐると ほとんどの乗客は船内に避難します。


17:15から船内見学ツアーが始まります。「ようこそ ぱしふぃっくびいなすへ これから船内見学にご案内致します」
芸能担当の女性スタッフが20人ほどの乗客を連れ 船内を歩きます。

この船には 航海・機関・サービスのクルーの他 遊びのスタッフが多数乗り組んでいます。
彼女によれば 今航海は定員600人のところ乗客300人 クルー180人と言うことでした。 

乗客3人にクルー2人。 贅沢です。宴会のコンパニオンなら3人に1人付けば良いほうで、5人に1人の時もあります。
 ちなみにサービススタッフの90%はフィリピン人なので 人件費は安いのでしょう。

さて、船内見学と言っても 大浴場とダイニング・バーの位置を確認した程度ですぐに終わってしまいました。実は、私は出航前に1人で船内を駆け回りほとんど見てしまっていたのでした。


夕食まではまだ2時間もあります。自室で スケジュールを検討します。
「よし! カジノだ!」 船内見学が予定より早く終わってしまったのでカジノが繰り上げになりました。
カジノといっても日本船なので現金には換えられません。しかし雰囲気は抜群です。

「じゃあ 軽くルーレットから」
軽くと言ったものの 結局この後ここに通い詰になり ダイニングに行ってもバーに行っても 「あら カジノにいた方ね」とマダム達に言われる事になってしまうのです。

「とりあえず赤に5枚」最初は堅実だった賭け方も段々エスカレート。
「んんんんん~~~~  「17」で一本勝負!」1月7日なので「17」。
単純です。当れば36倍なのですが そう簡単にはいきません。
夕食までの2時間 カジノにハマり多少の出入りはあったもののチャラ。チップをディーラーに預けダイニングに急ぎます。


「本当にカジュアルで いいんだよねえ」
さあ。一番心配だったディナーです。ホールで周りの乗客を観察します。
「・・・・みんな 上品だ これがカジュアル?」
私の頭では カジュアル=ユニクロ なのですが、ここでは少しレベルが違うようです。

一応、私も覚悟して来ました。この日の為に入間の「まるひろデパート」で買ったバーゲンのズボン(¥3、980也) わざわざ持ってきた黒の革靴。めったに着ないジャケット。

ダイニングは7階の最後部です。
「よし! 行くぞ!」リングに向かうボクサーの心境です。

ダイニングの入り口には黒服が立っています。「いらっしゃいませ 御席にご案内致します」一関門通過です。
しかし安心は出来ません。実はここに来る前 奥方よりミッチリとマナーを仕込まれて来たのです。

1.レディーファースト
2.背筋を伸ばしてテーブルに肘をつかない。
3.ゆっくり食べる。私にとってこれは辛い。コースではなく「最初に全部持って来い」と言いたくなる。
4・合い席なので積極的にかつ上品に会話をする。
5.「ネエチャン 生ビール イッチョウ」と叫ばない。



12時のサーモンマックから8時間近くが経過しているのに 緊張の為 空腹は感じず のどばかり渇きます。
「ノミモノ ナニニ シマスカ?」そうでした。テーブルの担当はすべてフィリピン人なのです。

あ、料理が出ました。私は奥方の注意を守り 対面の御夫婦と会話をしながら時間をかけてナイフとフォークを進めます。
すいているのでテーブルは4人だけです。 
私は普段、一度箸を取ると食べ終わるまで離しません。いや、箸どころか丼でさえ一度持ち上げたら食べ終わるまで降ろしません。

ここでヒョイと奥方の皿を見ました。「なんだよ。俺より早いジャン。」
サーモンマック1個の胃袋は よほど空だったのでしょう。すでにメインの皿にはソースしか残っていませんでした。
料理は量も多く味も抜群。
サービスのタイミングも良く「船の上の限られた時間とスペースで 良くここまでやれるもんだ」と言うのが2人の感想でした。


本日のメニュー 「新春和洋懐石膳」

 先付け   紅白胡麻豆腐 (これはうまい!)
 前菜    取り合わせ  (量が多く一口寿司も有る 年配者はこれでだけでイッパイかも)  
 汁物    コンソメロワイアル 
 魚料理   ぐじのフリット 山葵のシュールプリーズソース 
 お口休め  シャンパンのソルベ 
 肉料理   牛フィレ肉のステーキ エシャロット風味 (肉が柔らかい!) 
 生野菜   新鮮野菜の取り合わせと カッテージチーズの京風サラダ
 デザート  桜と梅酒のゼリー寄せ (なんとなく桜餅の味)


約1時間かけ ようやくメインが終わった頃突然照明が暗くなり そして「ハッピ バースデー ツーユー・・・・」ケーキを持った黒服を先頭に 賑やかな一団がダイニングに入ってきました。

300人も乗っていれば 1人くらいは運の良い人がいるはずです。 
「誰だろう?」一団はこちらに近づいてきます。「えっ?  ここ?」

なんと運の良い人は 私のテーブルの対面の奥さんでした。
私はよっぽど羨ましそうな顔をしていたのでしょう。
 黒服はこう言いました「同じテーブルの方にも 後ほどお分け致します」
その言葉どおり最後に切り分けられたケーキが出てきました。
「ラッキー!  しかし・・ このケーキの角度45度しかないよなあ。 
4人だと180度だろう あとの180度はどこ行ったんだ?」



21:00からはメインホールで 鏡割りと和太鼓のショーがあります。
一旦船室に帰り 船内新聞の「アミダクジ工程表」をポケットに入れ急いでホールへ。
この船旅で気付いた事は「乗客が時間を守る」と言う事。
最初のイベント「船内見学」でも時間ピッタリに集合場所の扉が閉められ今回も21:00キッカリに「鏡割り」が始まりました。

ステージで船長・機関長・ドクターが木槌で樽を割り 乗客には枡酒が配られます。それを見た奥方は
「ねえ。鏡割りって『おしるこ』じゃないの?」「・・・・ それは鏡開き!」

その後の和太鼓ショーの迫力にも圧倒され、終了後はすっかりその気になり両肩でリズムを取りながら船室に帰ります。
そして今日の最後はカジノへ。初めはそこそこだったものの いつの間にか30枚ほどあったチップも残りわずか。
もうすぐ24時で閉店です。「もはやこれまで・・・無念じゃ」

その時でした。隣の紳士が闇雲にドカッとチップを重ねた数字にイン。「おおおおお~~~~」カジノ内は大歓声。36倍だと500枚か?600枚か?150枚だとTシャツ。200枚でトレーナーがもらえます。
「握手してくださーい!」私は叫びました。そしてその手でチップを握り最後の大勝負。ルーレットが廻る・・・・チンチン! ベルが鳴る。
「ハイ。まもなく落ちまーす」ディーラーの声。カラカラ・・・・・

「・・・ハッ? 入った?」 やった!ついに出ました36倍。
「ハイ そちらナイスキャッチ 景品に換えますか?」ディーラーがチップの山を私の前に置いて聞きます。
しかし150枚には少し足りません「いや。貯金して明日また来ます!」



低気圧の中を走っているはずなのに 26、000トンの船はほとんど揺れません。
24:00 普段ならすっかり夢の中だが今日は興奮して眠れません。明日は6:00からスケジュールがビッチリ詰まっています。頑張って寝なくては・・・・・・



2日目



初日は予想外のカジノ通いで展望風呂に行く時間が無かったので、今日は6:00のオープン1番で風呂に行く事にしました。
その前に今朝の船内新聞で 今日の予定を再確認です。

今日は8:00に鳥羽入港予定となっておりますが、鳥羽港には大きな桟橋が無く26、000トンの「ぱしびい」は沖止めとなり、通船(はしけ)で上陸となります。

通船は8:15から15分おきに9:30まで。そこで、何時の通船に乗るか。
「今日 どこ行くんだっけ?」私は未だ寝ている奥方に確認しました。
「アワビー!」答えは只一言。



アワビとは「志摩観光ホテル」のアワビステーキの事です。上陸自由時間約6時間。ホテルまで片道1時間なので余裕のコースです。のんびり朝食を採り最後の通船で上陸しても間に合います。

しかしここで私は欲を出しました。「だけど、ここまで来て伊勢神宮に行かないとバチが当るんじゃないの?」乗客300人のほとんどが 伊勢神宮に初詣に行くはずです。「でも~・・アワビとは方向が逆よ」奥方はあくまでもアワビに固執しますが私は神様が怖い。

「んん~~よし! 両方行こう。1便に乗るぞ! オラオラ早く起きろ起きろー!」
土壇場での計画変更は毎度のことです。そうと決めたら大急ぎで展望風呂へ走らなくてはなりません。
客室のある5階から11階までエレベーターで上がります。
まだ外は日の出前。陸地の稜線がボンヤリと見えてきます。

「ぱしびい」は伊勢湾の入り口で速力を落として航行しているようです。
ゆらりゆらりと揺れる湯面を見ていると眠くなっていますが、ノンビリしてい暇は有りません。
朝食は7時です。

さて 朝食のメニューは?
一応、和食のセットらしいのですが奥にはバイキングのカウンターも有るようなので一気にテーブルの和食を片付けカウンターの洋食に向かいます。
ベーコン・卵・サラダ・フルーツに手を出しましたが、お昼にアワビが控えているのでパンには手を付けません。
後ろ髪を引かれながらダイニングを後にして いよいよ上陸です。通船には一度に80人程度が乗り込めます。

通船から綺麗な ぱしびいの船体が見えます。



ここからは電車で伊勢神宮に向かいます。
一口に伊勢神宮と言っても 外宮と内宮があり位置も離れています。
「とりあえず バチがあたらない程度」 と考えていた私達は駅から近い外宮に行くことにしました。
駆け足で外宮を周り遠い内宮には寄らず一路アワビの「志摩観光ホテル」へ。


アワビが心配な奥方は携帯電話で予約をしているようです。
伊勢神宮から特急で1時間。「おお~ ここがあのホテルか~」TVの旅番組(予算の無いTV東京ではなかなか出ない)で紹介される「アワビステーキ」とはどんな物なのでしょう。

緊張してホテルに入り いよいよダイニングへ。
「いらっしゃいませ メニューでございます」ボーイさんがうやうやしくメニューを持ってきます。
「あれっ? アワビがない!」「うそ~ 電話で聞いてたんじゃないの!」「・・・鮑って アワビ?」 
2人とも漢字に弱いのです。

「鮑ってたのんで 違う魚が出たらどうする?」仕方がありません。ボーイさんを呼びます。
わざと違うページを開いて「ええ~っと。アワビはどこかな?」
「こちらがアワビのコースになっております」
アワビのコース・・・伊勢海老の前菜とスープとサラダが付いて 一万円!



まあ覚悟はしていました。まず、伊勢海老のスープ ・・・・美味い。これだけで2000円位しそうです。
そしてついにアワビが・・・ 大きい・やわい・美味い。さすが老舗のホテルです。
アワビは当りはずれが大きいのですがこれは美味い。
結局、ワイン・サービス料・税金込みで 2人で三万円也。ランチとしては過去最高額を更新しました。



アワビを食べてしまったら もうすることは有りません。
電車に乗って一路鳥羽港に向かいます。羽港からは通船で「ぱしびい」に戻りますが この頃から風が強くなり20ノットほどになっています。
20トン程の通船は斜めになって進みます。

沖に出ると風は一段と強まり、「ぱしびい」に接舷することができません。
何度も挑戦し最後はぶつかるようにして接舷。乗客から拍手が起こります。
「ジェットコースターのオプションがあるとは思わなかった・・・」


本日の夕食は20:00の予定。
それまでにケーキバイキングで腹ごしらえをして 再度カジノへ向かいます。
「お待ちしておりました」ディーラーの間で 私はすっかり有名になっていました。
目標は100枚余りを200枚にすること。今回は堅実に2倍・3倍を狙います。
 そして奥方が呼びに来た頃。「200枚 たまったよ!」景品はトレーナー。
そして端数はまた貯金です。


20:00 ようやくディナーです。

メニューは・・・
 帆立貝のカルパッチョ・・・これは下船後のアンケートで美味しかった料理の欄に「2日目のホタテ」と書いたほどの美味。
 ベジタブルスープ
 鯛のポアレ 香草風味クリーム添え
 ローストビーフ 温野菜添え
 サラダ・デザート


予定では22:00からのクイズ大会に参加。
23:00から最後のカジノ勝負のつもりだったのですが、食後に客室に帰ると一気に睡魔が襲ってきて 不覚にもベッドに横になってしまいました。
昨夜はカジノの興奮と軽い揺れで熟睡できず 今日も朝から動き回ったので体力が限界に達したのでしょう。

「うおおお~ せっかくクイズの予習をしたのに~・・・」
予想問題は。 船長の名前。 船の大きさ 。東京―鳥羽港の距離 等と考えカンペも用意したのに・・・・
そのまま朝まで寝たかったのですが カジノに預けてきたチップが気になり気力を振り絞って目を覚まし、フラフラになってカジノへ歩きました。

そんな頭で勝てるわけもなく チップの残はついに0・・・。
「長い間 お疲れ様でした」ディーラーに言われベッドに入ったのは24時。
今日はグッスリ眠れそうです。

 



3日目

今日の午後、東京に入港です。

「未練の無いように」と2人は今日も船内を走ります。
7:00から 待ちに待ったブリッジ見学です。

航海初日フロントで、「ブリッジ見学はありますか?」と聞いたところ「申し訳ございません 今航海では予定しておりません」と言われガッカリしていたので 船内新聞で予定を見たときには飛びあがって喜びました。



波も穏やかになったのでサービスしたのでしょう。
おまけに今回は「ロイヤルスイートルーム」も見学できます。
早速朝食前にブリッジに行き キャプテンと記念撮影。朝食後はビンゴ大会。
リーチはかかるものの結局2人とも当らず。

最後に司会者が、「これからアンラッキービンゴを始めまーす」
アンラッキービンゴ? つまり数字を読んでいき最後まで当らなかった人優勝ですこれなら自信のあった私ですが4回目でビンゴ。見事敗退。


「餅つきをしま~まーす。力自慢の方 お集まりくださーい」
これなら自信があります。ハッピを借りて杵を持ちます。

入港まで後1時間。つかの間の「金持ち体験」もあと少しでおしまいです。