「『ときわ丸』ってなんだ?」
2014年4月、久しぶりに電車に乗った時に、吊り広告で見た船名。
大きな文字で 「新型客船ときわ丸就航! 記念ツアー!」
どうやら旅行会社の広告のようですが、その下の文字が遠くて見えません。
「ちょっとすいみません・・・・」 迷惑にも満員電車の人波を押しのけて、広告の下へ移動。
良く見ると 新潟・佐渡間の航路に新造船が完成したようです。
「国内の客船の事なら俺に任せておけ」と自慢していたくせに、新造船に気が付かないなんて情けない話です。
スマホを取り出して広告の写真を撮ろうと思ったのですが、満員電車でゴソゴソやってると痴漢に間違われそうなで断念。
電車降りてからじっくり検索することに。
さて、そんな日から1か月ほど経過した5月10日の土曜日。
いつものように早めに事務所に出社。その時、なぜか頭の中に「ときわ丸」が出現。
時計は8時過ぎ。「いまから行けば間に合うか?」
自宅から新潟港まで関越道で300キロ。9時に出れば14時には着くでしょう。
ネットで佐渡汽船のページを見たら、16時に佐渡行きが有ります。ただ「ときわ丸」「おけさ丸」の2隻体制なので、偶数日と奇数日で配船が異なります。「今日の16時は・・・・やった「ときわ丸」だ」
すぐに自宅に電話。
「仕事中止。今から佐渡ヶ島行くから急いで泊まりの準備して!」
「・・・・・・」
一瞬驚いた女房も、久しぶりの船旅と、日本海の魚が頭に浮かんだのか即OK。
ちょっとでも車を軽くするため、トランクの大工道具や脚立を下します。
出発はちょっと遅れて9:45。普段の土曜朝の関越は下りが大渋滞なんですが、GWで皆さん遊び疲れたのか、不思議とガラガラ。新潟に向かって快調に飛ばします。
新潟港着は予定の14時。佐渡行きのターミナルは、まるで駅のようです。
スイカでも乗れ、伊豆諸島行のような乗船名簿の記入もありません。
佐渡まで2等で2,510円。6,770円の特等(ホテルのツインルーム程度)も見てみたいのですが、航海時間2時間20分なので、ほとんど船内探検で終わってしまうと思い今日は2等で。
1時間で結ぶ水中翼船は6,510円なので、フェリーは格安です。
15時10分に佐渡から「ときわ丸」が到着。これから清掃整備して、50分後に佐渡に折り返す
飛行機のような時間割。
新潟では船尾のゲートから車を出し入れさせるので、5,000トンの大型船を、縦列駐車のように接岸する神業が見られます。
さあ清掃も終わったようで、ターミナル内に乗船のアナウンスが響きました。いよいよ「ときわ丸」に乗船です。
ときわ丸到着 ホテルのようなロビー
ときわ丸-2ブリッジを渡り、「ときわ丸」船内へ。「すごい! ホテルみたいだ」茶系でまとめられ、3層吹き抜けのフロントは、まるでホテル。荷物をコインロッカーに預け、さっそく船内探検です。
1階2階は車両甲板で3階からが客室となります。3階はフロント・売店・イベントホール・スナックコーナー・2等室。4階は1等室・2等室。5階は特等・スイートルーム・展望室。土曜だと言うのに、乗客は1,500人の定員に対して300人ほど。余裕で探検が楽しめます。
新潟港は、海から信濃川の河口を上ったところに有り、河口の幅は200mちょっと。
この幅で125mのフェリーが180度回頭するのは、見ていてもドキドキです。
回頭が終わると18ノットで佐渡に向かいます。
この日は風が強かったのですが、スタビライザーのおかげでローリングも無く、快適に航行。
佐渡までの中間点では、僚船の「おけさ丸」や水中翼船とすれ違います。充分探検を楽しんで、2時間半で佐渡に到着。
佐渡港には、途中で急遽予約したホテル「吉田屋」から迎えのバスが来ていました。
こちらは、たった2人なのに大型バスで・・・・
「いらっしゃいませ」 部屋に来た中居さんは若いMさん。
「新しいときわ丸は、揺れませんね」とMさん。
「ゴールデンウイークは座れないほど満席でしたよ」今日は週末なのにガラガラだったので、佐渡汽船の経営を心配したのですが、これを聞いて安心しました。
佐渡には飛行場もあり、前回来た時は、新潟から往復とも飛行機でした。
10人乗りの小型のプロペラ機です。
ちなみに島民でさえ、飛行場が有ることを知らない人が多く、残念ながら現在は、定期便は無期限で運休中だそうです。
さて、翌朝。
島に上陸しホテルに着いたのが、前日の午後7時前。
急いで温泉入って晩飯。
今朝も散歩して朝飯食べて、9:15の「ときわ丸」で慌ただしく折り返し。
送り迎えの運転手さんも「佐渡に何しに来たの?」と不思議がっています。
できれば古い「おけさ丸」にも乗りたかったのですが、タイミングが悪く午後まで待てず、前日と同じ「ときわ丸」で新潟に戻ります。
「ときわ丸」は操舵室の後ろに見学用の小部屋があり、ガラス越しに操縦を見学できますが、残念ながら撮影禁止。特に秘密は無さそうなのですが、最近は電車の運転席で運転中にオヤツ食べてる映像がyoutubeに投稿されて問題になったりしているので、警戒しているのでしょうか。
なお、見学室の公開時間は中間点あたりの30分ほど。船内アナウンスにご注意下さい。
操舵室の下の階は、大きな展望室。前面に多数窓が有るので、窓の前に立てば船長の気分が味わえます。
新潟港に着いたら、自宅まで300キロを運転しなくてはいけないので、帰りはビールは飲めません。
船内の2等室は、一部「飲酒禁止」の部屋もあるのでご注意。飲酒禁止と言うより、宴会禁止という事でしょう。
佐渡航路の2等室は、車座になって日本酒で宴会のイメージが有ったのですが、意外にも皆さん静かでした。
売店ではワンカップが売られていますが、さすがに新潟の銘酒がずらり。
自宅用に全種類買おうと思っていたのですが、すっかり忘れ、航海の後に後悔することになります。
新潟港に着いたのは、11:35。
突然の船旅でしたが、大満足の2日間。
さあ、次はどこかな。