大島弾丸ナビ報告

前編 八丈島?




航空図でも、八丈島は欄外です
赤い丸は進入禁止区域
大島・三宅島経由で、八丈島まで300キロ


「八丈島に行きたい!」と 訓練生のKさんが言い出しました。

埼玉のホンダ飛行場から、なんと八丈島まで行こうと言うのです。
羽田空港からジェットで行けば、たったの50分。しかし、こちらは鈍足のセスナ。 

「300キロだから・・・・・・」
もし向かい風なら、3時間のコース。

燃料は何とかもちますが、膀胱は制限を越えるでしょう。

「それなら大島で1泊だ」

大島まで前日の午後飛んで、そこで1泊して宴会。
翌日早く八丈島に行き、急いで大島まで帰り、トイレ休憩の後、日没までにホンダに戻る。

このプランなら何とか行けそうです。
ですが、問題は天候。

大島から八丈島まで 風によっては2時間も海の上。
八丈島まで行っても、天候が悪く飛行場に降りられなかったらアウトです。
燃料と膀胱の心配をしながら、大島まで帰るしかありません。

今回はセスナ2機で行動。
各々クラブ員3名と教官1名の4人が乗り込みます。


さて、当日。

前夜は、「打ち合わせ」と称して宴会を行い、4時間も「打ち合わせ」を行ったのに、
決まったのは 「明日13時集合ね」だけ。

で、事前の打合せで4時間もかけて 「当日は13時集合」と決定したはずなのに、

13時前に来たのは たった2人。

みなさん、今朝の天気図を見て、落ち込んでいるのでしょう。
天候はこれから下り坂。

そこで、いろいろな代替案が出てきました。

1. とりあえず大島まで行って、月曜に仕事のある人はANKで帰る。

2. 目的地を名古屋に変更、帰れないなら新幹線で帰り、セスナは格納庫を借りて避難
   天候が回復しだい教官が持って帰る。


3. このままホンダで、タッチアンドゴー大会を行う。

4. このまま車でラドン温泉に行き宴会。


いろいろ妙案が出ましたが、 「急げば今日中に帰れるのでは?」 と誰かが言い出し、
結局のところ決まったのは 
「大島弾丸ナビ」   


時計は既に14:15

大島空港の利用時間は16:30まで。
利用時間と言っても、この時間までに 「半径5マイルの外に出なきゃいけない」と言う
きびしい規則です。

15時に出発、16時に大島着陸、急いでトイレに行って、16:15に大島離陸
なんとか16:30までに、5マイルの圏外に出れそうです。

1番バッターの私は、あわててナビログを書き始め、皆で分担して航空局にプランファイル。

スピードアップの為、お泊りセットの着替えや、一番重かった私の仕事道具を降ろし
更なる軽量化を図る為、トイレにも寄ります。

離陸まであと15分?

「ジャーーーン!」 「スクランブル!」 航空自衛隊戦闘機のの緊急発進のつもりで、
1番機往路担当の私は急いで機体へ走ります。


1番機離陸は14:52。 本当に間に合うのか?
                    

さて、そんな訳で慌てて離陸した 1番機と2番機。

コースは 大宮→横浜→城ヶ島→大島。

急いで作ったナビログは、上空風の計算を間違えたようで予想以上に東に流されます。
「荻窪」を通る予定が、いつの間にか進路は新宿。

「羽田に近寄らな〜い」 と教官に怒られて慌てて右に変針。
それでもまだ流されて、中央線をクロスしたのは「中野駅」

多摩川あたりで羽田のDMEは6.5マイル!
「6マイル割らな〜い」 とまたまたお叱りを受け 機首を右に振ります。

羽田から5マイル以内に入ることは厳禁。安全を考えて6マイルを守ります。



多摩川以南は意外に気流が安定。
目標は横浜ランドマーク。

横浜の大桟橋に停泊中の豪華客船「ぱしふぃっくびいなす」が停泊中です。

「YOU HAVE (あなたが操縦)」 と教官に操縦を代わってもらい、操縦桿から手を離し
「ぱしふぃっくびいなす」を撮影。

横浜から横須賀を抜け城ヶ島へ。
時間は 15:30。  よし! なんとか間に合います。

                      

後編 とりあえず大島



大島RWYは「21」 このまま真っ直ぐの進入です。
なんと言っても初めての大島着陸。

降下目標の高圧線も、太郎右衛門橋もありません。 どこでどうやって降りるのか?

10マイル前で空港が見えて来ました。
ただいまの進路は220度。

このままだとRWY「21」斜めにアプローチになるので もう少し右に振って
滑走路にアラインさせたい。

      が・・・・

「まっすぐ向かう〜。RWY見えないんですか?」 と、教官の怒鳴り声。

「とっくに見えてます」 (だからアラインさせたいんです・・・・)

「右に行かな〜い」   

「でも・・・アラインが・・・・」 (斜めに着陸できないので、回り込みたいんですぅ〜)

「まっすぐ向かう〜 まだ8マイルでしょう」

「8マイル?」   
滑走路があまりにも大きいので 2マイル位かと思っていました。

大島へのアプローチ シミュレーターでの事前練習



落ち着いてDME(無線で距離を測り、デジタルで表示されます)を見ると、まだまだ8マイル。

3000FT 6マイルから降下開始。
そろそろ「大島radio」に5マイルのレポート。 
無線での報告義務ポイントです

無線を取って、周波数を合わせ、咳払いをひとつ。

「あああ〜 大島レディオ・・・」と言おうと思ったら。

「ANA○○○・・・なんとかデパーチャー・・・なんとかトランジット・・・・」

先にエアラインとの無線交信が始まり、なかなか終わりません。
その間に DMEは 5.8  5.5  5.2 と減っていきます。「どうしよう・・・」

迷っていると隣から 「降下率500/分を守る〜」と教官の怒鳴り声。
高度忘れてました。

なんとか5マイルぎりぎりで無線があいて、急いでレポート
風は100度から5ノット。左からのクロス。

滑走路は大きく見えるので500FTに下げてフルフラップにしたいのですが
DMEはまだ3マイル。

自分的にはどうしても高く感じますが  PAPIは 赤赤赤赤「低い?」

(PAPI:滑走路左手前にある4つのライト コースから低いと赤が多くなり高いと白が多くなる)

「下げなーい!」 と言われてもまだ1000FT以上。

エアラインと目線が違うのかな? と思ってヒョイと首を上に伸ばしたのですが、赤4つは変わらず。

高度を下げたいのを我慢して、1000FTで水平飛行。 
「これ以上下げなーい!」 と言われるものの 近づくにつれPAPIは 白白赤赤 から 白白白赤

「逆に高いのか?」
本当にこの高度で良いのか?

「教官 本当に大丈夫ですか? 昨日飲みすぎじゃないですよね」
このあと 「良いんですか?」 「大丈夫ですか?」を連発。

大島空港は滑走路の手前横に丘があり、横風のときはその影響で風が渦を巻きます。
これに入ると小型のセスナは劇揺れになり、危険な事に。

そのため丘をかわして、滑走路の真ん中あたりに接地する場合があります。
滑走路はホンダエアポートの倍以上の長さなので、こんな芸当が可能です。

かなり高い高度で滑走路脇の丘を越えて 「パワーカット!」
どう考えてもオーバーランしそうですが、いつまでたってもエンドは近づかず。

高度が下がるにつれ、滑走路の幅がどんどん広がります。
「いったいここは どこ?」
あまりにも大きな滑走路なので、距離感が狂います。

オーバーランだと思ったのに 余裕で1/3あたりに着いて 半分前でストップ。
なんという大きさでしょう。

PAPIは「白白白白」 かなり高いのですが、真ん中狙ってます
雨も降ってきました。横風も吹いて吹いてます。



大島到着は15:53。
続いて2番機も降りてきました。

さあ 急いでお金払ってトイレに行って 16:15には折り返しで離陸しなくては。


折り返しは、別の訓練生が担当。
自分は後席で缶コーヒー飲んで休憩です。


八丈には行けませんでしたが、良い経験になりました。


大島空港にランプイン。 さあ、急いで折り返し。

   

おしまい

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