| 「飛鳥U」熊野大花火クルーズ |
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| 1 花火クルーズはお得 | ||||||||
| 夏になると、あちこちで花火大会が開催されます。 しかし、有名な花火大会になると、会場は数万人の人出で大混雑。 行きの電車は満員、シートで場所取り、トイレに並び、ビールを買いに並び、迷子になり。 花火の楽しみよりも疲労感の方が強くなります。 しかも、終わったあとの交通機関はさらに大混雑。 押し合いへし合い、何とか電車に乗り込んだら、シャツの背中にはタコ焼きのソースがべったり。 「あああ〜 疲れたぁぁ〜。 早く家に帰って寝たい!」 と、思ったことはありませんか? そんな方にお勧めなのが、客船の「花火クルーズ」 確かに花火大会の時は、屋形船やクルーザーで花火を見るツアーもあります。 屋形船は結構豪華な料理も出ます。 ブルーシートに座っての見学に比べたら、かなりお殿様ですが、そのお殿様も時間は2時間程度。 花火が終わったあとは船を降ろされ、庶民に戻って駅まで歩くことになります。 それに比べ、客船の花火クルーズでは、デッキの上から文字どおり高みの見物。 終わったら、そのまま自室に帰るもよし、バーで飲むもよし。 翌朝目が覚めれば、部屋ごと次の目的地に到着。 客船クルーズの中でも、花火が絡むとお得に感じます。 前おきが長くなりましたが、今回は飛鳥Uの「熊野大花火クルーズ」に出発です。
飛鳥Uの出航は17時。 乗船は15時半からなので、出航までに船内の探検を行います。 3年ぶりの「飛鳥U」なので、船内は結構忘れているものです。 スーツケース2個分の、荷物の整理も必要です。 「たかが3泊4日で、大型スーツケース2個?」なのですが、部屋ごと荷物ごと移動できるので、 軽くする必要もなく、何でもかんでも持ち込んでいます。 船室には今日の予定表が届けられているので、早速確認。 夕食は1回目と2回目があり、1回目は17:30 2回目は19:45から。 我家は事前に「2回目」を予約してあります。 今日のドレスコード(服装指定)は「インフォーマル」。 結婚式の2次会程度の服装ですね。 サンダル履きで乗船したので、夕食までには着替えが必要です。 今回の「熊野花火」には日本のクルーズ客船3隻が勢ぞろいします。 「飛鳥U」と「ぱしふぃっくびいなす」は、同時刻に横浜を出航。 ほぼ同じコースで熊野沖に向かいます。 「にっぽん丸」は横浜を1時間遅れで出航しますが、全速力で我々を追い越して、 いったん四日市港に寄って乗客を乗せて、熊野で合流します。 17時。「飛鳥U」が一足先に横浜の大桟橋を離れます。 どちらも17時出航との発表でしたので、どちらが先に出るか、なかなか興味深かったのですが、 どうやらこちらが先のようです。 「ぱしふぃっくびいなす」が続いて出航。 飛鳥Uの後ろに続いて、ベイブリッジをくぐります。 なかなか豪華ですね。 ベイブリッジの外には、18時入港予定の「にっぽん丸」が待機しています。 「にっぽん丸」は18時入港で急いで乗客を下船させた後、19時にはカラ船で出航。 四日市まで回航しながら掃除を行うようで、ギリギリのスケジュールでしょう。 にっぽん丸船長は、我々2隻の出航を、イライラしながら待っていたのではないでしょうか。 「ぱしふぃっくびいなす」も横に並んで航行します。
甲板で、「ぱしびい」の撮影に夢中になっていましたが、今日はインフォーマルに着替えてのディナーです。
急いで展望風呂に入って、着替えなければなりません。 飛鳥Uの展望風呂は12階の後方にあります。 我が家の船室は8階の後方。 エレベーターで直接上がれるので便利です。 船の長さは200m以上。 前の方の住民は、後ろのエレベーターまで、不動産広告だと徒歩3分ですね。 実はこのこの12階。 展望風呂以外の部分は、屋根の無い屋上部分になります。 これで皆さん迷います。 エレベーターは3箇所に有るのですが、最後方のエレベーターしか12階には行けません。 「すみません。 お風呂はどこですか?」 その屋上にいたら、お風呂道具を持ったご婦人に声をかけられました。 「お風呂が12階にある」と聞いて、屋上のテニスコートのあたりを、タオルを持ってウロウロする人を この後も結構見かけることになります。 |
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飛鳥Uのディナーは、前菜やメインを選択できます。 注文がかたよった時、足らなくなったり、残ったりしないんでしょうか。 食後に自室に戻ると、「おやっ?」 ベッドメーキングが出来てましたが、なぜか2つが、くっついたベッド。 「もしかして、新婚さんと間違われたか?」 若そうに見えたらくっつけるのか? 苗字が同じならくっつけるのか? どんなお客の場合、ベッドをくっつけるのか、基準を聞いてみたいですね。 |
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| 星が綺麗なようなので、11階最前方の甲板に出てみます。 船は15ノットで航行中ですが、風が後方から15ノット。相殺されて甲板はまったくの無風。 まるで止まっているようです。 静かな空には満天の星。 こんな夜中に甲板に出ているのは、よっぽどの物好きだなと自己満足していたら、 しばらくして我家の後から1組のご夫婦が甲板に出てきました。 「あれっ? Mさん」 7年前に にっぽん丸の済州島クルーズで一緒になったMさんでした。 以前のクルーズでも行動パターンが一緒で、しかもマニアックな場所でしばしば出会ってました。 800人も乗っているのに、今回も初日からマニアックな場所で一緒になるとは嬉しいです。 |
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| 2.熊野沖まで終日航海 | ||||||||
| 前夜は夜食まで食べて、遅くまで起きていたのですが、 貧乏性なので朝は早く起きてしまいます。 カーテンを開けると遠くにかすんだ陸地が見えます。 横浜を出て12時間以上。 そろそろ愛知県沖か? 室内のTVには現在位置が表示されるチャンネルがあります。スイッチ入れたら。 「あれ? まだこんなとこ?」 船はまだ伊豆半島を回ったばかり。今は静岡沖です。 夕方までに熊野沖に行けばいいので、急ぐ旅ではありません。 速力はノンビリの15ノットになっています。 朝食は5階のダイニングで和食を食べるか、11階のカフェで洋食バイキングを食べるか、 あるいは両方でも可能です。 早起きして甲板も散歩したのでお腹は減ってます。 和食をたいらげ、カフェのデッキに出て、海を眺めてコーヒータイム。 コーヒーだけと言いながら、バイキングなのでついつい食べて肥ります。
このクルーズには フジテレビの「早く起きた朝は」取材で、松居直美、磯野貴理、森尾由美の 3人が乗っています。 出航のときから撮影が始まってますが、スタッフは一般乗客にえらく気を使っているようです。 街中のロケであれば、「止まって止まって」と通行人をさえぎり、横柄な態度で道を独占していますが、 今回は「飛鳥」側から注文が出たのでしょう、スタッフは遠慮がちに撮影しているのが分かります。 もちろんドレスコードも乗客と同じ。 普段はボロ服のベルトにガムテープを吊るした格好のADもインフォーマルの日は、ネクタイ姿です。 |
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| 航海中は色んなイベントがありますが、その中でも我家が必ず参加するのは 「次の寄港地の観光案内」 2日目は熊野沖に停泊しますが、花火を見るだけで上陸はしません。 上陸するのは3日目の「浜島」になります。 「浜島?」 「何処?」 「なにがある?」 地図を見ても何も無いところ。 当然、飛鳥が着けるような桟橋も無いので、テンダーボート(救命艇)で上陸客を、港までピストン輸送します。 浜島到着は7時らしいですが、実際に上陸できるのは9時過ぎになります。 「浜島」とやらで何をすべきか。 観光案内の説明役は地元の若い女性が2人。 1人は海女さんの格好をしていますが、もう一人は普通の格好。 「本当は私も海女さんの格好をするはずだったんですが、船に乗る時忘れまして・・・」 と言ってましたが、本当は着るのがイヤだったのかな? せっかくの観光案内でしたが、これといって収穫も無く 「さあどうする?」 「あたし、レンタカーで鳥羽に行きたい」 女房の提案です。 どうやら鳥羽には ミキモト真珠の博物館があるらしく、これがお目当て。 博物館の隣には真珠の直売所もありそうで、連れて行くと恐ろしいことになりそうです。 真珠は恐ろしいのですが、プランを却下して彼女が怒ると晴れ女の効力が無くなり、 肝心の花火の時に雨が振ることになるので、ここは黙って従います。 女房はこのプランにかなり乗り気で、レンタカーの予約をしようとしましたが、 なんと一番近いレンタカー屋まで、車で20分。 車を持って来てもらおうと考えましたが、レンタカー屋さんは、 「そんなサービスはしていません」と冷たい返事。 「さあ、どうやってそこまで行く?」 観光案内のお姉さんに聞いたら、路線バスが出ている模様。これに乗るしかありません。 バスの発車時刻は9時25分。9時ごろにテンダーボートに乗って、間に合うのか? まあ、上陸は明日3日目の話。まだ今日は2日目の昼。とりあえず昼飯です。 昼食も ダイニングの和食とカフェの洋食 どちらでも可能。 朝と同じく両方制覇も考えたのですが、今回は洋食だけに集中。 いつでもある「飛鳥カレー」をいただきます。ちなみに和食はザルソバだったそうです。 |
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15時。飛鳥Uは、花火会場の熊野沖に錨を入れました。 あとは日が暮れて花火の打ち上げを待つだけです。 船上では、スタッフがデッキに椅子を並べています。 陸上だったら早速場所取りしなくてはいけませんが、あせる必要はありません。 何処からでも見られます。 椅子は船の左側に向けられています。 その方向が打ち上げ会場なんでしょう。 11階のカフェでハンバーガーを食べていたら、窓の外に白い大きな船が。 「ぱしふぃっくびいなす」です。 昨晩は遅くまで併走していましたが、朝起きたら見あたらず。 何処に行ってるのか水平線を探したのですが、見つけられませんでした。 白い船体はゆっくりと近づいて、ぐるっと回頭。 飛鳥Uの隣にアンカーを入れたようです。 しばらくすると赤いファンネルの 「にっぽん丸」もやってきました。 我々の後に横浜を出航し、全速で追い越して四日市に立ち寄り、そこで乗客を乗せて熊野沖にやってきました。 頑張って走って来たんでしょう、最後に合流。 これで日本の主なクルーズ客船3隻のそろい踏みです。 |
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さて、気になるのは今晩のディナー。 花火大会は19:30からなので、食事が2回目の人は重なるのでは? 心配御無用。今日の夕食は17:30から好きな時間に食べることが出来ます。 5階のダイニングでも 11階のカフェでも内容は同じ。 どうせなら、花火大会の会場が見える、11階カフェの窓際を確保。 今晩のメニューは、早く食べられるようにコース料理で無く「お弁当」。 お弁当と言っても、我家が普段食べてる290円の弁当ではありません。 じっくり味わいながら食べましょう。 食べながら チラチラと会場の陸地を見ていたのですが・・・・ 「なんか さっきと向きが違うぞ」 先ほどまで船の左にあった花火会場が、風向きが変わって船の向きが変ったため、 船首の錨の位置を基点に船の向きが変り、会場が後ろになってます。 「左向きに並べた沢山の椅子はどうするんだ?」 |
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夕食のデザートを食べながらも、船の向きが気になって仕方ありません。 既に椅子に座って、花火を待ってる乗客もいます。 座ってる人は向きに気がつかないのか、あさっての方向に体を向けて、花火を心待ちにしています。 「そっちじゃないよ」って 教えてあげたくなります。 花火をあしらった、デザートのココナツアイスを食べ終わり、我家もそろそろ花火観戦の位置を決めることに。 プールサイドで タダのビールとおつまみを配っていたので、とりあえずキープ。 「風を考えて、ベストは後ろだな」 人が少なく、花火の方向を向いている後方に移動します。 11階のカフェの外には立派な椅子があるので、ここを本拠地に設定。 「ほおーら ここがベストアングルだよ」 会場の方角を向いて、ビールを飲んで花火を待っていたのですが。 「ん? 陸が動く?」 風が変ったのか、どうやら船が向きを変えているようです。 後ろにあった陸が、左側に回ります。 それにしてもタイミング良く、椅子の向きに合うなんて。 不思議だったのですが、船尾の海面を見て納得。 いつの間にか、タグボートが船尾をロープで引っ張っています。 風にあわせて、常に飛鳥の左舷が会場を向くように微調整。 「さすがですね」 1人であわてて後ろに走った私がバカでした。 「ドドーーーーーンンン!」 さあ、いよいよ熊野大花火が始まりました。 |
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| 3.花火の始まり | ||||||||
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正式には「熊野大花火大会」 「大」が付くだけあってさすがに素晴らしいです。 打ち上げは海上の台船から打ち上げ、小島からも打ち上げます。 この大会の名物は 「海上自爆!」 すごい名前ですが、高速で走る船から海上に花火を投げ入れるそうで、駆逐艦の爆雷投下 みたいなものでしょうか。 メイン会場の海岸からは、花火の合間にかすかにアナウンスが聞こえます。 「提供は・・・・ 」と言っているのでしょうが、遠いので内容は解りません。 海上で打ち上げるので、海面に映って花火が倍になります。 お得ですね。 小島から斜めに打ち上げた花火は海面すれすれで花を咲かせます。 これまた低いので、海面に良く映ります。 |
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打ち上げが一段落すると、いよいよ「海上自爆」です。 闇の中、海岸線に沿って小型船が高速で走っているのが見えます。 「ドオーーーン!」 「ボオーーン!」 と連続で半円形の花火が海面に広がります。 クライマックスに近づいた頃、会場のアナウンスが カウントダウンを始めました。 海上のやぐらに置いた、大玉らしく、半径600mに爆風が広がるそうです。 「4」 「3」 「2」 「いちー!」 「・・・・・?」 何も起きません・・・・・ 「導火線が長かったかのな?」と思った瞬間。 「弩おおおおおおおーーーーんんんん!」 |
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海上に半円形の大爆発。 爆風で髪の毛が立つかと思うほどの迫力でした。 |
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2時間にわたる花火大会も終わりました。 海岸の会場では観客が総立ちで拍手をしているのでしょう。 飛鳥Uまで拍手の音が、地鳴りのように聞こえてきます。 飛鳥Uの乗客も大拍手です。 その時でした。 「ぼおおおおーーーーーーーー!」 飛鳥U ぱしふぃっくびいなす にっぽん丸が 順番に汽笛を鳴らしました。 浜の皆さんに感謝のご挨拶です。 汽笛で拍手とは、なかなか粋ですね。 |
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腹に響いた炸裂音、網膜に焼きついた光の玉、そして風に乗ってやってきた火薬の匂い。
感動の花火は終わってしまいました。 が、しかし、ここからがクルーズ客船の醍醐味。 陸上の観客は、これから大渋滞の中を帰らなくてはなりません。 自宅に帰るまでに疲れてしまうと、花火の感激を忘れるかもしれません。 我家はこのまま、マリナーズクラブに飲みに行きます。 花火の感動は体に残ったままです。 マリナーズクラブは6階にあるバー。 数箇所あるバーの中で、一番落ち着いた感じのお店です。 それにしても、この花火大会、入場料は? 「地元にお金を落とさないで、タダ見して良いのかな?」 屋台の焼きそばの売り上げに貢献する訳でもなく、お土産を買って帰る訳でもありません。 聞くところによると、浜辺の桟敷席は1マス(1坪)で1万円だそうです。 本気で心配したのですが、花火のプログラムを見て納得。 提供の欄に「郵船クルーズ」「商船三井」「日本クルーズ客船」がありました。 タダ見じゃ無かったんですね。安心しました。 飛鳥Uはすでに錨を揚げて、熊野沖を後にします。 一番遠い高松に向かった「にっぽん丸」はダッシュで抜錨し、 次に遠い鳥羽にむかう「ぱしふぃっくびいなす」も続いて去ったそうです。 今日の夜食が気になりますが、夕方から飲みすぎました。 今晩はおとなしく寝ることにします。 |
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| 後編へ続く | ||||||||