お年玉音楽配信「2006年に入手した音源から」


 皆さん、あけましておめでとうございます。
 旧年はどんなレコード/CDを手にいれました?2007年の目標のブツはありますか?

 えっ、そんなの興味がない?
 はっはっはっ、そりゃ駄目です。21世紀の大人のたしなみですぞ。

 というわけで、昨年入手した音源から何曲かをお聴きいただきます。
 まだ2006年の総括が終わっていないので、昨年のベストというわけじゃありません。思いつくまま気のむくままに、ちょいと選んでみただけ。ただし内容はどれも純度の高いソウル・ミュージック、お年玉だと思って、ありがたくお聴きなさい。

※音楽を聴くにはReal Playerが必要です。再生できない場合は、こちらより無料版(画面右下)をダウンロードしてください。

  第一章:新譜編
  第二章:ジャケット画像〜今年の収穫この一枚
  第三章:旧譜編
  第四章:おまけ〜珍映像

第一章:新譜編






 21世紀のニューソウルと言うべきJohn Legendの活躍がまぶしかった。歌はうまいのだか下手なのだかわからないけれど、なにか伝わるものがあるというのが実に70年代ニューソウルを彷彿とさせる。
 Each Days Gets Better / John Legend
 どうです。バックの音は60〜70年代のデトロイト・サウンド(Invictusとか)の音でしょ。

 次はジャヒーム君、既にベテランの域ですが真摯に歌に向かう姿勢がすがすがしい。ここではキャッチーな曲を選んでみる。
 The Chosen One / Jaheim
 このバックトラック、どこかで聴いた曲・・・そうです。ウィリー・ハッチの"I Choose You"のネタ使いですYO!
 そして真打ち、アーバン・ミスティック。1stで我々の度肝を抜いたシンガーですが、それがフロックでないことを2ndでも実証。21世紀のリアル・ソウル。素晴らしい。バラード表現も素晴らしい彼ですが、ここではアップをどうぞ。
 My Block / Urban Mystique
 うふふ。これもネタ使いですね。なんとデルフォニックスのあの曲を使っています。僕の知る限り、これがネタに使われたのは初めてじゃないかなぁ。えい、お年玉企画なんで、オリジナルもおまけで聴いていただきましょう。
 Trying To Make A Fool Of Me / The Delfonics
 ウィリアム・ハートの砂糖菓子のようなファルセットはいつ聴いても絶品ですね。
 2006年もすごかったのがR.ケリーの活躍。これはもうブラック・ミュージックの巨人ですな。こんな天才と一緒に生きられる幸せをかみしめてますか、皆さん?
 というわけでR.ケリーがプロデュースした美メロを2曲聴きましょう。
 Charlie,Last Name Wilson / Charlie Wilson
 歌うチャーリー・ウィルソンは元ギャップ・バンド。キャリアからすれば大先輩。しかしR.ケリーのマナーに染まってしまった、とは言い過ぎでしょうか。
 しかし臆面もなく自分の名を歌にしてしまうあたりは年輪の風格ですな。
 もう一曲R.ケリー絡み。大御所アイズレー・ブラザースです。歌うロニー・アイズレーってもう60歳超えている筈。その歳でこの歌の艶は何なんだ。アルバムのタイトルも"Baby Makin' Music"だしね〜。
 Just Came Here To Chill / THe Isley Brothers
 アーニー・アイズレーのメロウなギターもたまらん。極甘危険。
  付録:こちらで上記全曲を続けて配信←お仕事のお供に、恋のBGMにどうぞ



第二章:おまけジャケット画像:今年の収穫この一枚

 まずはエロジャケ部門。ルディ・レイ・ムーアのレコードは常にエロジャケだが、このアルバムは、あまり見かけないと思う。そのためネットオークションでヒートアップし、かなりの額で落札。エロジャケを集めているソウル・ファンは多いということを再認識。


 お次はインパクトあるジャケット。「ジャンゴ松井&ザ・エックス」のシングル盤。この髭と厚手のカーテン地みたいな揃いのジャケットが素晴らしい。しかも彼らのコーラスはなかなかの実力。ムード歌謡の奥は深い。



第三章:旧譜編
 遂にスペンサー・ウィギンスのCDが英国Kentからリリースされた。我々日本のソウル・ファンが熱い思いを捧げてきた彼が、ようやく評価されるときがきた。
 ただ、あまりに遅すぎる。あと10年早ければ、彼をもう一度ソウルの世界に引き戻せたのではないか。そう考えると無念とすら思う。
 Take Me Just As I Am / Spencer Wiggins
 これをお読みの方はソウル・ファンであるとは限らず、こうした曲を聴いても「古い」「暗い」と感じられるかもしれない。だが一度最後まで聴き通してほしい。豪放のようで細かなテクニックに満ちた歌唱。どこまで伸ばしても張りを失わない声。
 これぞソウル。かってメンフィスにはこんな男がいたのだ。
 先のスペンサーと並ぶのがビル・コディのCD化。クレイジョンというレーベルの録音で、これは20年以上前、日本で編集盤が出て以来入手が難しかったもの。僕は当時買い逃し悔しい思いをしていただけに嬉しかった。
 Get Your Lie Straight/ Bill Coday
 塩辛い声でどこまでも突き進むこの姿にシビレる。それにしてもこの時代のバックの演奏のなんと豊かなことよ。
 これはちょいとお恥ずかしい。このフィリップ・ミッチェルのレコードを入手したのは10年以上前だが、久しぶりに取り出してデジタル化したところ、その内容の素晴らしさに驚いた。
 Falling From Heaven / Phillip Mitchell
 どうです?スウィートでしょ。さらに恥ずかしいことに彼のアルバムは2枚を持っているだけだと思いこんでいたのだが、レコード棚を探したら4枚も持っていた。しかもどれを聴いても素晴らしい。なにか得したような、損したような----。
 もう一曲、これも25年前(!)に買ったLP。同じくデジタル化していて大名曲を発見。
 Touch / The Originals
 オリジナルズの柔らかいコーラスに、ファルセットのタイ・ハンターが色を添え、そこに荒々しいバリトンがかぶってくるという、グループファン驚喜の構成----ええなぁ。
 リイシューCDは、たくさん買いすぎて、そのなかからどれか一曲というのは難しい----だったら、いっそ小唄風の軽いのをひとつ。
 英Grapevineが出したシカゴのDaker(Brunswick)音源のコンピは一昨年、日本で出たものと相当ダブるが、しかし大好きなのでそれも嬉しい。
 Broken Home / Ben Monroe
 Windy Cityシカゴらしいソウル小唄。粋だねぇ。
 年末に衝撃のニュースが届いた。
 12月25日、ジェームス・ブラウン死去。
 JBの偉大さについては、何世紀も語り継がれるだろうから、くどくど書かない。
 ただJBはファンクでのみ語られるきらいがあるが、80年にはこんなポップな曲も歌っていた。
 That's Sweet Music / James Brown
 強力無比なオリジナリティはないものの、やはり彼の歌のうまさが光ると思うのだが、どうだろう?
 実はこの曲で僕はJBの魅力をはじめて知った。25年前のこと。
  付録:こちらで上記全曲を続けて配信←お仕事のお供に、恋のBGMにどうぞ



第四章:おまけ

 2006年、最も熱かったのがYoutube。
 そのなかでも最も腰が抜けた映像がこれ。
 マンハッタンズのプロモーションなのだが、なんと歌っているのは夭逝したジョージ・スミス。改めて素晴らしいシンガーであることを痛感。
 しかし、それにしてもこのシチュエーションは何?普通の公園で白手袋のマンハッタンズが歌い踊る。その間抜けぶりをまずはご覧ください。
(下の画像をクリックすると再生します。ただしブラウザのJava Scriptを有効にし、Flash Playerが必要。見られない人はがんばってね。それだけの価値はあるから!)

The Manhattans
 いかがでした。最初の「テレフォン」の歌詞のところでカメラのピントを手前に持ってくると公衆電話が写るとか、なかなか構図を考えているくせに、通行人が通りまくっている公園で歌い踊るというのが「間抜け」でしょ。でもそれがソウルだよなぁ。
 残念なことに映像が途中で終わり曲が最後まで聴けない。
 というわけで音源も用意しておきました(お年玉ですから)。
 これは彼らがDeLuxeでアルバムを出す(最初の"With These Hands"が1970年)前のシングル(1969年)。ただ衣装を見ると70年代っぽいんですが?
 The Picture Because Quite Clear / The Manhattans (Deluxe 109)



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