そのA


<二分脊椎(にぶんせきつい)とは>
脊髄(せきずい)の形成に、異常が生じる先天性の奇形のことです。
脊髄は背骨の中にある、神経系にとって重要な役割を持つ器官です。
二分脊椎では、背骨の中にあるべき脊髄が骨の外にあるために、
さまざまな症状・障害が引き起こされます。
現在日本で二分脊椎の赤ちゃんは、年間500 名〜600 名が出生しているとみられ、
日本産婦人科医会外表奇形調査によると、二分脊椎の平均発生率は近年上昇傾向にあります。
2008〜12 年の分娩1 万件に対して、5.7 件となっており、一生車いすの生活になります。
遺伝やさまざまな原因がある中で、最大のリスク因子は「葉酸」の摂取不足であると言われています

※詳しい説明は、LITALICO【りたりこ】発達ナビhttps://h-navi.jp/column/article/35026161
を参照して下さい。

また、顕在性・二分脊椎では、90%の確率で水頭症(合併症)を発症します。 (葉酸普及研究会HP より抜粋)

<水頭症とは>
脳脊髄液が頭の内側で過剰に留まり、脳が圧迫されてしまう病気です。
水頭症を放置すると、無気力・癲癇発作・知能障害などを発症してしまう可能性が高いので治療が必要です。
通常は、生後1 ヶ月以内に「シャント術」と呼ばれる手術が行われます。
また、脳の中にある小脳扁桃や延髄という部分が、正常な位置と形でない「キアリ奇形」という異常を起こしてい
ることも多く、呼吸の問題や、飲み込みの障害などを生じることもあります。
幼児期になると、下肢の運動障害・股関節脱臼・尿意や便意を感じにくいことによる「尿・大便失禁」などを生じる
場合があり、さらに軽度から中程度の知能障害が、約半数で発症すると言われています。
<治療方法・髄液シャント術>
特発性正常圧・水頭症(以下、iNPH)は、髄液の流れを良くする治療によって、症状が改善します。
この手術を「髄液シャント術」(脳神経外科で治療)といい、この髄液シャント術には主に3 つの方法があります。


これら髄液シャント術は、過剰に溜まった脳脊髄液を他の体腔へ流すことにより、障害されていた 脳の機能を戻すことができます。
この時に、歩行障害や認知症・尿失禁といった、「iNPH」の症状が改善されるのです。