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神奈川産清酒の概況
神奈川の清酒醸造業の現状
2007年現在、神奈川県には清酒を造る蔵元が15場あります。
その内、2場は集約製造に参加しているので、実際に酒を造っているのは13場となります。
それらは、県の西部、大山・丹沢の山々を囲むように点在しています。
箱根水系の水を使う相田酒造店以外は、丹沢水系の水を使い醸造しています。
2004年度の製成数量(アルコール度数20%に換算した数量)は952klで、
数字が出ている都道府県では最下位です。
数字が出ていない沖縄と宮崎の製成数量の合計が288kl、
鹿児島県では清酒が製造されていないので、
全国で44位ということになるでしょう。
焼酎より清酒造りが盛んな県では、
最も製成数量が少ない県ということになります。
2004年度における神奈川県内の清酒の販売数量が36,908klで、
神奈川県で販売された神奈川県産酒が1,242klなので、
神奈川県産の清酒が県内需要にしめるシェアは3.3%ほどしかありません。
神奈川の蔵元の特徴
蔵元の規模
全国酒類製造名鑑 第42版(平成16年12月1日発行)によると、 神奈川県の蔵元は、製成数量が100kl〜200klの蔵が4場、 100kl以下の蔵が11場となっています。 清酒製造業全体の57.5%が100kl以下、15.8%が100〜200klなので 飛び抜けて小さい蔵元ばかりの県ということではありませんが、 製成数量が飛び抜けて多い蔵元はありませんし、 大手メーカーの清酒を造る工場もありません。 四季醸造を行う蔵もなく、醸造は冬季に行われます。 それゆえ、小規模の蔵元であるがゆえの利点 「手造り」を売りにしている蔵が多いようです。
製品の販売地域
2004年度に販売された神奈川の地酒は、94.5%が県内、 3.0%が東京国税局管内、2.5%がその他の地域に出荷されました。 この自県への販売割合は全国でも飛び抜けて高く、 神奈川に次ぐのは、長崎の87.9%と千葉の84.4%となっています。
ほとんどが県内で販売される神奈川の蔵元の製品ですが、 それが販売される範囲は基本的に蔵元ある自治体周辺に限られています。 東京の澤乃井や多満自慢のように、県内なら何処でも買えるといった銘柄はありません。 そのため、神奈川の人口の40%以上を占める横浜市などで、 神奈川の地酒を購入するのは案外困難です。 丹沢山やいづみ橋などは、県内外の地酒専門店などで見かけますが、 名門酒会や有名地酒店などで大々的に売り出されてるわけではありません。 神奈川の地酒は、造られた地域で売られ飲まれていく 地産地消の製品ということになります。製品の酒質
新潟なら端麗辛口、静岡なら酸味が少ないなど 各県ごとに地酒の特徴が語られる場合があります。 また、高知では量を飲める辛口の酒が好まれるというように 食文化や県民性を絡めて語られる場合もあります。 ですが、神奈川の地酒をワンフレーズで表すことはできません。 なぜならば、蔵ごとに酒質が大きく異なるからです。 泉橋酒造には端麗でとても辛口な製品が多く、 清水酒造には山廃造りで力強い酸味がある製品が多く、 金井酒造店には濃醇な辛口の製品が多いといったように、 それぞれが独自の個性を持っています。 各蔵元が、それぞれの理想とする酒を造る。 それが、神奈川の地酒の酒質の特徴と言えるでしょう。
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最終更新日2007年12月10日