〜 残業・代エット(ざんぎょうダイエット) 〜
   残業代を減らしたいと思いませんか?
   それも社員にメリットのある方法で。

 「リストラ」という言葉が世間に定着して久しいですね。
 それは、多くは「クビ」を意味します。世間一般では。
 でも経営者なら
 「リストラクチャリング」=「再構築」
 であることは十分承知しています。
 昔からあるものを壊して、「今」に対応できる仕組みを
 つくり直すことです。

  在庫を減らすために格安セール?

  滞留売掛金や不良債権をなくすために有税償却?

  過剰な設備投資削減のために固定資産売却?

  そして、人件費削減のための賃下げ? 退職勧告?

 これらは、単なる「リストラ」です。処分です。
 これは経営上、数字のメリットは確かにあるでしょう。
 では、社員にとっては?

 社員にとってもメリットがなければ、
 ヒトの活力は生まれてきません。
 ヒトの活力がなければ、その先の「再構築」は難しい。
 消耗戦ですね。
 そんなのは「リストラクチャリング」ではありません。

 そのなかでも「人件費」は社員にダイレクトに関係する部分です。
 今まで日本経営の聖域とされていた「人件費」は、
 今はズタズタです。
 残念ながら「残業代カット」=「サービス残業」も横行しています。
「残業代カット」は経営者の自由な意思で認められるものでは
 ないにもかかわらず、です。
 そしてこんな事件までおこりました。

 平成15年2月、「サービス残業」をさせたとして
 労働基準法第37条違反(残業代の不払い)で、
 東京・青梅労働基準監督署によって、
 経営者が逮捕されるという事件です。
 この事件はかなり悪質だったようです。
 その業界に詳しく、前々からその経営者の評判を知る、
 私の知人・中尾氏に言わせると「逮捕やむなし」だそうです。
 通常、行政は是正や勧告を行い、改善を促すものです。
 監督官が司法警察権を行使するのは、きわめてまれなことです。
 それでもこれは、見過ごせない一件です。

 ここで、私たちは、経営倫理について考えようというわけでは
 ありません。それは、またの機会に。

 この「残業代」というのは、矛盾を含んでいると思いませんか。
 賃金は労働の対価として支払っているはずなのに、
 その「成果」ではなく「労働時間」に基づいて
 金額が決定される側面があるんですから。

 効率的に仕事を終わらせた社員には、法律は何も報奨を与えず、
 それとはまったく逆に、非効率的に仕事を長引かせる者に対しては、
 会社の利益を削って、その者の懐を暖めよ、って
 定められてしまっています。怒りたくもなります。


 でも、あることを知っていれば、強引な「残業代カット」なんて
 しなくても済むものかもしれないんです。

 「知っている」と「知らない」との違いって本当に怖いですね。
 雲泥の差があります。
 結果が正反対になることがあるんですから。
 かたやハッピー、かたや真っ暗闇のイバラの道。
 「あること」ってささいな情報だったり。
 例えば法律だったりもします。

  「法律」を知っている
     ↓
  「法律」を守る
     ↓
  だから誰にも咎められない

 といった単純な話しではありません。ここでは。
 使える部分があるんです。法律の中にも。
 経営の追い風になることがあるんです。
 利用しない手はないと思うんです。
 ましてや、会社は残業代が減らせる、
 社員はその代わりのメリットもある。
 メリットのある仕組みは、活力を与えてくれます。
 これこそ明日につながる「リストラクチャリング」=「再構築」
 ではないでしょうか。


 私の身近なところでこんなことがありました。
 システム開発の会社にシステムエンジニアとして勤める友人、
 久保大祐の話です。

 プロジェクト案件により忙しくなる会社です。
 その時は特に年末から社内の残業時間が増え続けていました。
 大型受注の追い込みで、春先までさらに残業時間が増えることは
 容易に想像がつきます。
 ピーク時の3月には月の残業時間が100時間を裕に超えそうです。

 責任感の強い久保は、その繁忙期をベストの状態で乗り切ろうと
 気を引き締めていたところでした。

 「これが一段落すれば休みの日には子供と遊んであげられる。」

 久保には3歳になる女の子がいるのです。
 そして責任感が強いだけでなく、家族思いなのです。
 オフの時には家族との時間を大切にするメリハリのある生活が、
 多忙な時でも頑張ることができるパワーにつながる、と
 日頃から言っていたのを私は聞いています。


 そんな久保が毎日精一杯、仕事に没頭している矢先。
 3月を向える直前です。
 社員の2月分の給料の額を見た事業部長が、怒りだし
 厳しい口調でみんなに言い放ちます。

 「なんだ、この額はっ! これから残業代カット!!」

 ある程度の規模の会社で、事業部制を採用しています。
 事業部の業績管理に相当力を入れているようです。


 一同唖然です。
 職場に流れたあのイヤな空気は今でもたまに思い出すそうです。
 そして「その瞬間からシラケてしまった。」と久保は言います。
 「正直、会社を辞めようかな。」とも思ったと告白してくれました。


 事業部長の気持ちも分からなくはないです。
 私も職業柄、「経営」というものを意識しますから。
 従業員とは違う目線で会社を見ます。

 仕事は「給料」だけじゃない。
 やり遂げる充実感だったり、自分を成長させるものだったり、
 自分が世の中に役立っているということを実感できるものだったり、
 ということもありますし。

 でも久保は「残業代がもらえなきゃ、残業はしない」なんて言う
 社員ではないんです。
 忙しい仕事の合間をぬって、自発的にソフトウェア開発技術者資格に
 挑戦し、そして取るほど、勤勉で意欲のある社員なんです。

 その貴重な人材を、事業部長の強引な、そして浅はかなやり方で
 ヤル気をなくさせてしまうなんて。

 両者にとってなんて不幸なことでしょう。


 幸い久保は、その後仕事量も落ち着き、また、
 人事異動で事業部長が交替したこともあってか、
 ヤル気を取り戻し、今はハツラツと働いています。
 何より家族との生活も幸せそうです。

 でも、私の中では何かがくすぶっています。
 もしかすると、久保が会社を辞めていたかもしれない。
 家族が辛い思いをしていたかも知れない。
 そう思うといてもたってもいられないのです。

 そして、私は痛烈な思いにかられました。

 「自分はこのようなトラブルを回避する方法を知っている!
  世の中の経営者に役立ててもらおう!」と。



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