し尿の活用
"香州県知事広聴広報課"
送信日時:2006年11月11日12:29
件名:
農林業の復興とし尿の活用について

 し尿は、植物の肥料であり、生き物たちの餌になり、動物と人間の縄張りを現す臭い標識であります。公害防止の法律で、し尿が悪臭と水汚染の源として、地域の特性などに関係なく全国一律に「し尿」の浄化を機械化させるのは自然の摂理に逆らう行為でしょう。
 山林や田畑での栽培は、木材や果物・穀類・野菜の収穫のほか、炭酸ガスの削減や酸素の生成、蒸発熱や木陰による気温の低減にも役立つ万能選手であります。又、食物の国産化によって、食の安全化と共に外貨の節約にもなります。山林での野糞、田畑への下肥には、計り知れない効能があります。
 これらの効能を無視した結果、化学肥料に頼って、富栄養化によるアオサの繁茂→酸欠・汚泥→海水汚濁・魚介類死滅、CO2の発生による温室効果ガス→地球温暖化→異常気象、有機物循環システムの破綻→餌不足→魚介類の減少→海洋生物界のアンバランス、糞尿臭による縄張りの消滅→動物の襲来、など子供の頃にはない現象が次々と起こっています。先祖は、「それみろ!不精するから罰が当たった」と言っています。
 県は、し尿の処理システムとして山間部や島しょ部の振興に取組むお考えはございませんか?是非、県政の軌道修正をお願いいたします。
 山間部や島しょ部の人達は、自分たちの役割の大切さを理解していても、壮年者の経済には何にも役立ちません。
 尚、この類のテーマは、何処の窓ロになりますか?
2006年11月22日15:00知事へのメールの回答

○○ ○○○様
 農林業の復興とし尿の活用について、ご意見をいただきありがとうございました。
 昭和30年代までは、し尿をわざわざ買い上げて、それを田畑にまき肥料として使用していた時もありました。
 しかし、し尿をそのまま肥料として、山林や田畑において広範囲に使用しますと、作物や植物の生育に悪い影響を与えますし、さらに伝染病の発生や寄生虫など公衆衛生上の問題が発生し、また悪臭と水質汚染の源ともなることから、現在では、家庭や事業所で、水洗化が推進されるよう、下水道や合併浄化槽などの整備を進めているところです。

 このような状況の中で、し尿の堆肥化などを推進するために、水洗トイレを見直す考えは、時代に逆行することと思いますし、社会的にも容易には受入れられないと思います。
 あなたが、環境に対し憂慮されていますお気持ちは十分伝わってきますが、現在において、し尿を山林や田畑において広範囲に使用することは、河川や海の汚染などかえって弊害の方が大きいと考えますので、ご理解をお願いしたいと思います。
平成18年11月22日      香川県知事真鍋武紀