貴方を・・・今夜愛したい・・・ 敦盛は本当に純粋な人・・・。 でも自分から手をつないでこようともしないからちょっと・・・ 寂しいと思う望美。 敦盛が一人で野草を摘みに出かけた。 (・・・寂しいな・・)。 屋敷に一人・・・。 ただでさえ・・・。敦盛を見ているといつか突然・・・。 消えちゃうんじゃないかって不安になる望美・・・。 (離れていたくない) 「そうだ・・・。気分転換に水浴びでもしよっと」 一回やってみたかった望美。 望意は屋敷の裏の小さな滝へむかった。 誰も居ない。ここは村人も寄り付かない森の中だから前だけど・・・。 望美は静かに着物を抜いて・・・岩場にたたんで置いた。 チャプ・・・。 「冷たい・・・でも気持ちいい・・・」 小さな滝がシャワー代わりに 全身に浴びる・・・。 ひんやりと水が気持ちいい・・・。 (・・・敦盛さん・・・そろそろ帰ってきてるかな・・・) そう思いながら滝水に打たれる望美・・・。 一方。偶然、滝の近くを通りかかった敦盛。 (人がいる・・・?) そうっと草陰から様子を伺う・・・。 (ドキッ) 滝の中に・・・裸身の望美を見つけて・・・ 赤面してばっと目をそらす敦盛・・・ (///な、何をしているんだ・・・望美は・・・) 突然の裸身の望美との遭遇してただただ・・・ もじもじする敦盛・・・。 (・・・あ、あんなところで・・・) 目をそらしていた敦盛だが・・・ (・・・) 無意識に行水する望美の姿に釘付けに・・・ 白い飛沫と光り包まれる望美が・・・ (天女のようだ・・・) 美しく・・・。 好きな女子の美しさに・・・見惚れてしまう・・・。 「・・・誰!??誰か居るの!?」 「!!!!」 望美の声に敦盛は慌てふためき 「わああ!」 小石に躓いて草陰から出てきてしまった・・・。 「・・・あ、敦盛さん!」 望美はとっさにばっとしゃがんで体を隠した。 「す、すすすすすまないッ。け、決して 覗き見していたわけでは、あのその・・・っ。すまぬ、 すまぬ・・・」 敦盛は後ろ向いて何度も謝る・・・。 必死に冷や汗をかいて謝る敦盛の横顔が・・・ (・・・ふふ。なんか・・・可愛い) 「ぐ、偶然と、通りかかったらその人影が見えたので・・・っ。ま、まさか 望美だとは・・・っ」 「・・・わかってます。ふふ・・・」 チャプ・・・ 望美は滝から上がる。 「す、すぐに服、着ますからっ待っててください」 「あ、ああ。わ、私はずっと後ろを向いているから 安心していい・・・///」 初々しく照れる敦盛・・・。 (いいな。なんか・・・敦盛さんらしくて・・・) そう思って帯を締めていると・・・ なにやら服の中がごぞごそする (ん?) 見ると、まぁあ!胸の谷間に黒い虫が・・・!! 「きっ・・・きゃあああ!」 「どうした!?望美!??」 望美は思わず敦盛に抱きついた。 ・・・帯を締めないままで・・・。 (・・・) (・・・) 敦盛も望美もあまりの出来事に体が硬直して動かない。 望美のたわわな膨らみが目の下に・・・。 (わ、わ、私はど、どうしたら・・・) (・・・あ、敦盛さん、凝固してるし・・・汗) 硬直したままの二人・・・。 「くしゅんっ」 望美の可愛らしいくしゃみではっと我に帰る・・・。 「///は、早く着物をきちんと着て・・・」 「う、うん・・・」 敦盛は望美の胸元から目線をそらしてそっと 自分の羽織を望美に着せた。 「・・・あの・・・。敦盛さん」 「・・・な、何・・・?」 「・・・。だ、だ、抱きしめて・・・欲しい・・・な」 「なッ(混乱)」 自分で大胆なことを言っているとわかっている望美だが・・・ たまに少し強引な敦盛も知りたいと思って・・・。 「・・・だ、駄目だ」 「ど、どうして・・・?私のこと嫌いですか?」 「そ、そうじゃない・・・。めっ・・・目のやり場に・・・困るし」 「・・・。困るし・・・?」 敦盛は少し俯いて呟く。 「・・・わ、私の中の”男”の箍(たが)が・・・外れそうだからだ・・・///」 「・・・敦盛さん///」 大切な人だからこそ・・・安易な触れ合いはしたくない。 そういう敦盛の優しさが・・・ 望美は好き・・・ 「・・・でも寒いんです・・・。寒いんです・・・」 「・・・望美・・・」 望美の少しつやっぽい声に・・・ 敦盛は振り返る・・・。 「・・・し、暫くだけなら・・・っ///」 「はい・・・」 敦盛は両手をがくがく震わせながらそっと望美を両手に包んだ・・・。 少し水で冷えた肌だが・・・ (・・・温かい・・・) 愛しさがこみ上げて来る・・・。 「本当はいつも・・・敦盛さんに抱きしめててほしい・・・」 「望美・・・」 「離れたくないから・・・」 不安げな望美の声が 一層敦盛の想いを刺激する・・・。 「私はどこにもいかない・・・。貴方を・・・離さない・・・」 「うん・・・」 「・・・。愛して・・・いる・・・」 この愛しい体も心とも・・・ 離れたくない・・・。 この世の理から外れていようと構わない。 神から罰を受けてもいい 「貴方を・・・。愛したい・・・。私の・・・腕の中で・・・」 「・・・はい・・・」 抱きしめあう二人は・・・ その夜・・・ 結ばれた・・・ 優しい温もりで互いを包み合って・・・。 この世の摂理を無視しても いい。 ただ・・・愛しい人と居たいだけなのだから・・・。