初めての愛は貴方だけ 弁慶の質問は 突拍子もない。 「望美。貴方の愛の相手は・・・。僕が初めてでしょうか?」 (・・・?) 一瞬、意味が分からずしばし考える。 (えっ・・・それって・・・) 「・・・ふふふ・・・」 弁慶の不敵な笑みに瞬時に質問の意図を察知した望美。 「な、なななな、なな、なんちゅうことをきくんですかッ!!!」 「いやー。男してはだって気になって気になってぇ」 望美の耳たぶの後ろにふぅっと息をかける弁慶。 「・・・っ。べ、弁慶さんッ!!貴方にはデリカシーってものが・・・」 「でりかし?何でスソレは?」 「じょ、常識ってものがないんですか!?お、女の子にそ、そんな・・・」 望美は照れくさそうに俯いた。 「僕は本気で好きな人には容赦がないんです。ふふ。 それは貴方が一番良く知っているはず」 「・・・知りすぎてますよ(呆)」 あきれ果てて返す言葉も思いつかない。 「・・・で。どうなんです??質問の答えは・・・」 「・・・そんなこと答えられますか!!弁慶さんなんて知らないッ!」 バタン! 激怒した望美は荒々しく襖を閉めて出て行った。 「あらら・・・。逆鱗に触れましたかな。ふふ。 でも怒った顔もこれまた魅力的・・・」 突付いてどんな反応をするか どんな顔をするか ぞくぞくさせる。 快感という愛に弁慶は酔いしれていた。 「ったくもーーー!!」 ポチャン! 屋敷の裏の池に小石をなげる望美。 あれが弁慶の愛情表現なのだとわかっているものの ついていけない望美。 (ダイレクトすぎるわよったく・・・。聞かなくても わかってるくせに・・・) あえて、望美の口から言わせようとする (それが悔しいのよね) ポチャン 2個目の石を投げる。 (ふぅー・・・。こうやって拗ねるてるところ、きっと また弁慶さんどこかで見て・・・) 「見てますよ」 池の水面に弁慶の顔が・・・ 「わッ!!」 「ふふ。その驚いた顔、いいですねぇ・・・」 (またしてもふいをつかれた・・・) 最後の最後まで弁慶のペース。 これが二人の愛の形なのかもしれないけど・・・。 「・・・で。答えを聞きに着ました。答えてくださいますよね?」 「・・・し、しつこいですよ!!ストーカーですか!?」 「すとか?酢なら戸棚にありますけど」 「・・・(汗)も、もういいです!!」 天然ボケなのか狙ってるのかさえ分からない。 望美は弁慶に背中を見せた。 「・・・強情な人だな・・・。応えてくれないと 実力行使したくなるじゃないですか・・・」 「え・・・」 弁慶は望美を背中から抱きしめて 首筋に口付け・・・ 「・・・っ」 「どうです?答えないともっと・・・」 「・・・い、いい加減に・・・」 前に振り向かせて強引に唇をふさぐ弁慶。 「ん・・・」 応えない罰・・・? こんなに甘い罰ならもっと (言わないでおきたい) 弁慶のわなにはまっていく。 (それがすきなの。それが・・・) 熱く長い長いキス・・・。 ようやく解放されても 「・・・ふぅ・・・ッ」 体は強く火照って・・・。 「・・・どうなんです?」 「・・・わかりました///」 にやっと笑う弁慶。 「ふふ。なれば早速家に帰って床を敷かねば」 「ど、どうして床・・・(照)」 ひょいと抱き上げられたら もう逃げられない。 「・・・応えは分かっていますけど・・・。 ”実践”で応えていただきましょう」 「もう・・・。弁慶さんには敵いません・・・」 意地悪で少しひねくれた愛。 でもどの愛より 自分を大切にしてくれることを望美は知っている。 「私の愛は・・・。最初も終わりも弁慶さんだけです」 そう 弁慶に望美は愛されながら伝えたのだった・・・