リップクリーム 冬。 暖房をつければ乾燥する。 ・・・オンナノコの肌に大敵。 鏡を見ながらリップクリームをつける望美 「望美さん。言ってくれたら僕がいつでも その唇、湿らせてあげるのに」 「・・・結構です(汗)」 朝からこの調子の弁慶。 今日は久しぶりの休日とあって ラブモード全開なのですが・・・。 「一日中貴方を抱きしめていたいんですけど」 「・・・却下です(汗)」 ちょっとお疲れ気味の望美はゆっくり休みたいのだが・・・。 「しかし・・・。望美の国の女性は肌を手入れする道具、 たくさん在りますねぇ」 化粧水の瓶やファンデーションを マジマジと眺める弁慶。 「ふふ。 女性の肌は敏感ですからね。手入れはきちんとしておかないと」 「でも私はあんまり派手なお化粧はしませんよ。 リップクリームだけで充分」 「ええ。勿論です。貴方は何もしなくても 美しい・・・」 サラっと望美の髪をすくう・・・ 「心の強さと美しさが滲み出ています・・・」 「・・・またそんな・・・」 「いえいえ・・・。あなたには化粧など必要ない・・・。 ほら。僕が貴方を綺麗にしてあげます・・・」 耳元で甘く囁く弁慶・・・。 しかしやっぱり今日の望美には 甘い囁きより昼寝したい気分で・・・。 「弁慶さん・・・。あのう・・・私、今日出来れば ゆっくりソファで休みたいんですけど・・・(汗)」 「ああ!そうですね・・・。分かりました。 素肌には休養が一番です」 とパッと望美から離れた弁慶。 (良かった。分かってくれた・・・) と安心したのもつかの間。。 「え」 お姫様だっこされて・・・。 「休養しましょう。ソファで。僕が癒してあげます」 「・・・な、何スイッチオンしてるんですか!弁慶さんったら!」 「スイッチ?なんです?それは・・・。ふふ。 望美。さぁ。ソファで休みましょう・・・。僕の腕の中で」 「もううう!!弁慶さんてばーーー!!」 じたばたする望美を 面白そうに 楽しそうに 笑う弁慶。 ドサ。 長いソファに そっと寝かされる望美・・・。 勿論。 弁慶が上で望美が下。 「・・・。弁慶さん。この”体勢”で休養なんてできません(汗)」 「できますよ。僕が にっこり。弁慶。 「・・・(汗)弁慶さんー・・・。今日ぐらい ゆっくりさせ・・・ンッ」 容赦なく 望美の唇を塞ぐ ・・・甘く 長く・・・ (嗚呼。もう今日も弁慶さんペース・・・(汗)) 強引で ちょっと意地悪で・・・ すぐ望美の困った顔を見たがる・・・ そんな弁慶が やっぱり好き・・・ と思う・・・。 リップより 化粧水より 弁慶の熱いキスの方が ずっと 肌が 心が 艶やかになる・・・。 ・・・やっと口付けから解放されたが・・・ 「・・・うーん・・・。まだ乾燥してるな・・・。 もっと熱烈な口付けをして湿らせないと・・・」 人差し指で 望美の唇をなぞる・・・。 「も、もう充分湿ってます・・・(汗)」 「・・・。唇だけじゃない・・・。ほら。首筋に・・・ 胸元も・・・」 つつ・・・と人差し指を滑らせる。 「・・・(汗)べ、弁慶さん、何その指の動き・・・?」 「・・・僕が全身、湿らせてあげますよvフフ」 「え、遠慮しときますーーーッってきゃああ」 ドサッ。 押し倒され・・・ 望美の手から リップクリームが転がった・・・。 「僕が綺麗に綺麗に・・・貴方をしてあげますからね・・・。 いつでもどこでも・・・」 甘い囁きがと 「・・・家の中だけにしといてください・・・(汗)」 観念した望美のため息が漏れる カーテンに映る二人の二つの影が 一つに・・・ 絨毯に転がって落ちたリップクリーム。 当分必要なさそうである・・・。 望美には世界で一番甘い甘いリップクリームが 側に在るから・・・。 FIN