欲しいのは君の声 クリスマス。 望美は弁慶への贈り物が決まらず困ったので聞いてみることにした。 「弁慶さんは何が欲しい?」 弁慶はじつにすがすがしい顔でやっぱり・・・。 「望美自身が欲しいでッすッ♪」 とあっさり笑顔で回答(笑) 「・・・(汗)人物は駄目です。それ以外にしてください」 「そうですかぁー。では・・・あれがいい!」 ポン!とこれ見よがしに手を叩く・・・ (・・・なんか・・・嫌な予感) その予感は的中し。 「きゃッ」 望美をソファに押し倒して・・・ 「・・・望美の・・・”声”が欲しい・・・」 ”いけない人”の顔で呟く・・・。 「・・・そ、それは・・・」 「望美の声が・・・欲しい・・・。そうだな・・・ 例えばここに口付けたときの・・・」 (・・・ッ) 長い望美の髪をすっと前に流し・・・ 耳の裏にキス・・・ 「・・・ンッ」 「・・・ふふ。そう・・・。その”声”・・・。 それから・・・ここに触れた時の声も・・・好きだな・・・」 含み笑いを浮かべる弁慶・・・ その手は・・・望美の太股をそっと撫でる・・・ スカートの中へ行ったり来たり・・・ その手は・・・ 望美の五感をくすぐるように 実に悩ましく・・・ 触れている・・・ 「・・・ッンッ」 「ふふ・・・我慢して漏れる声も・・・たまらない・・・」 耳の裏を口付けながら 手は太股をなでて・・・ 「・・・ふぅん・・・ッ」 「・・・息が・・・。段々乱れて来たね・・・。 いい感じ・・・。声も・・・悩ましくなって・・・私も興奮してきました・・・」 (駄目だわ・・・すっかり”いけない弁慶さん”モードに・・・) なんとか弁慶から逃れようと思うが・・・ (体に力が入らない・・・) 両足で体を挟まれて・・・ 身動きが取れない・・・ いやそれ以上に・・・ (私・・・弁慶さんに触れてほしい・・・) 「・・・でも一番僕がゾクゾクするのは・・・」 (え・・・ッ) 両手を押さえつけ・・・ ブチっ 「・・・!」 少し乱暴に・・・ ボタンを外した・・・。 「・・・こ・・・こわい・・・よ。弁慶さん・・・」 「・・・ほら・・・。泣く寸前の・・・その顔が・・・。 堪らない・・・」 「・・・意地悪・・・」 「拗ねた顔も・・・声も・・・。僕を・・・狂わせる・・・」 白い肌に・・・ 唇を這わせる・・・ 感触を味わうように 強く強く・・・ 「・・・んッ」 「・・・今日は・・・贈り物が貰える日だよね・・・? もっとください・・・。貴方の声を・・・もっと・・・もっと・・・」 「弁・・・慶・・・ッ」 「・・・ッ・・・。僕の名を呼ぶ君の・・・声が・・・っ 堪らない・・・。もっと呼んで・・・っもっと・・・」 ソファから・・・ パサっと新聞紙が落ちる・・・ 「望美・・・ッ。愛してる、愛してる・・・ッ」 「弁・・・慶ッ・・・」 二人の喘ぐ声が 重なる・・・ 窓の外は雪・・・ 二人の声・・・ 静かな雪の音さえかき消すほどに熱く熱く・・・ 窓を曇らせていたのだった・・・