ラブ・コール人気メンズ雑誌。 その表紙一面フルカラー。 白いスーツ姿の白龍が・・・ (かっこいいなぁ・・・) 好きな人の晴れ姿。 喜ばしいはずなのにどこか寂しい・・・。 週末も撮影でいない・・・ 「白龍がいない部屋・・・か・・・」 ソファでは、白龍にだっこされてビデオを見たり・・・ 一緒に食事を作ったり・・・ 「・・・白龍の幻が見える・・・。重症だわ(汗)」 白龍の姿がないだけで 切なさと寂しさで胸がつぶれそう・・・ 「駄目駄目!しっかり留守をまもらなくっちゃ!」 部屋の掃除に精を出す望美・・・ コチコチコチ・・・ 時計の音が やけに大きく聞こえる・・・ ”望美・・・大好き” ”望美・・・。愛してる・・・” 目を閉じれば 聞こえてくるのは白龍の優しい囁き・・・ (・・・声が・・・聞きたいな・・・) 電話に自然と視線が送られる・・・ (声だけでも・・・いいから・・・) トゥルルルル! 「・・・!」 望美の願いが通じたかのように・・・ 電話が鳴る・・・ 望美は掃除機のスイッチを切って電話に走った。 「はいっ。もしもし!?」 「・・・。望美・・・?」 白龍の・・・ 確かに優しい声・・・ 「・・・白龍・・・」 「望美・・・。ずっと望美の声が聞きたかった・・・」 「私も・・・」 受話器越しだけど・・・ 白龍の声が耳元で感じられて・・・ 何ともいえぬ安心感が望美を包む・・・ 「・・・白龍。撮影はうまくいった・・・?」 「うん。明日には帰れるよ・・・望美は・・・?今、何してた・・・?」 「お掃除してたの。リビング・・・」 「そうか・・・。じゃあ帰ったら・・・またビデオ、見よう」 「うん・・・」 何気ない会話も・・・ 今はとても大切な言葉のような気がする・・・。 「・・・嗚呼だめだな・・・」 「どうかした・・・?」 「・・・望美を・・・今すぐ・・・この手で抱きしめたいよ・・・」 (・・・っ。は、白龍・・・) 電話越しなのに・・・ 白龍の吐息まじりの言葉が・・・ 望美の心と体を火照らせる・・・ 「・・・望美と会えない時間が・・・こんなに辛いなんて・・・」 「私もだよ・・・」 「・・・今すぐ帰りたい・・・。帰って・・・。望美の声が聞きたい 抱きしめたい キスしたい・・・」 「白龍・・・」 望美の体を・・・ まるで本当に抱きしめられているような 感触が・・・ 「そして・・・望美に・・・触れたい・・・」 ドキ・・・。 「嗚呼もう・・・何か・・・我慢できないよ・・・」 言葉だけで・・・ 胸の鼓動は早なる・・・ 「・・・白龍・・・」 「・・・愛してる・・・。誰よりも・・・」 「私も・・・」 気障な言葉も 何度言っても 足りないくらいに・・・ 「・・・嗚呼・・・望美・・・。本当に愛してる・・・。 早く望美の耳元で伝えたい・・・」 「もう伝わってるよ・・・。嬉しい・・・」 「何度だって言うよ・・・。愛してるよ・・・」 世界で一番愛しい声。 今は会えないけれど 会えた瞬間の喜びは倍になる・・・ 愛の言葉・・・ その夜。 望美は耳に残る白龍の声を思い出しながら・・・ 眠ったのだった・・・