愛しのベビーフェイス 朝起きると・・・。 「は、白龍・・・貴方・・・」 「あ・・・」 いつも望美を抱きしめていた大きくて広い腕が細く小さくなり・・・ 声も可愛いさえずりのような声に。 「・・・小さくなっちゃったのか・・・私・・・」 「・・・どうして・・・」 あどけない瞳。声。 最初に会ったときの水色の髪の少年の姿に・・・。 「神子・・・。私このままなのかな・・・」 「大丈夫よ。きっとそのうち元に戻るわ」 「うん・・・」 「・・・ふふ。でもなんか・・・。懐かしい」 白龍をそっと抱き寄せる望美。 母になった気分だ 「神子・・・。いい匂い・・・」 胸に頬を摺り寄せる白龍。 「気持ちいい・・・。あったかい・・・」 小さな手がお乳をすがるように優しく包む。 (///子供だからいいけど・・・。大人の白龍だったら・・・) 「しばらくお昼ねしよう。白龍」 「うん!」 干したてのシーツの上で ごろんと寝転がる二人。 お日様の光りが 二人を照らす。 「・・・可愛いなぁ・・・。ふふ」 子供がいるってこんな気分なのかな・・・。 守ってあげたくなる・・・。 「白龍の子供ってこんな・・・って何言ってんだろ(照)」 自分と白龍の間に子供が生まれたら。 川の字になってお昼ねしたい。 「・・・ふふ・・・」 長い髪が風になびく。 望美も暫しうとうと・・・夢の中に入っていった・・・。 それから二人は川原へお散歩。 土手を手をつないで歩いていたら・・・。 「まぁあ可愛らしいぼっちゃんですね」 同じくお散歩中の親子にそう声をかけられて。 「私はぼっちゃんじゃない・・・。望美の恋人だ!」 と白龍が怒ったので慌てた望美。 「んもう。白龍ったら」 「ごめん・・・。でも・・・。子供の姿じゃ・・・。望美を守れない・・・」 しゅん・・・と俯く白龍。 体は小さくとも 好きな人を守りたい気持ちは一緒で・・・。 「ありがとう。白龍。その気持ちだけで嬉しいよ」 「神子・・・」 白龍の視線まで腰を下ろして望美と白龍は見詰め合う・・・。 (・・・子供の姿だから仲のいい母子に見えるだろうけど 大人の姿で見つめあってたらちょっと恥ずかしいかも(照)) 家に帰って。 夕食も済ませてお風呂の時間。 「白龍。一緒にはいっちゃおうか」 「え、う、うんっ」 白龍は少し恥ずかしかった。 お風呂は何度も一緒に入っているのに・・・ (大人の姿のときは・・・。私が望美を強引に一緒に入っていたから・・・) 「はい。シャンプーハットしようね」 望美は白龍にシャンプーハットをかぶせて しゃかしゃかあわ立てる。 「の、望美。私は子供じゃ・・・」 「はーい。じっとしてて。シャンプー目にはいっちゃうよ」 「望美ってば・・・」 完全に母親気分の望美。 (嫌じゃないけど・・・でも) 望美に頼りにされたい。 頼るんじゃなくて・・・。 「白龍。100まで数えよう。ちゃんと肩まで浸かってね」 と望美は数を数え始めた。 (早く大人の姿に戻りたい・・・。早く・・・) 望美は50まで数えたところでぼーっとのぞせてきた。 「望美!しっかしして・・・」 (ふわー・・・。白龍・・・) 「望美!」 「えっ」 白龍の声が低く聞こえる。 「ああ。よかった。気を失ったかと思った・・・」 狭いバスタブ。 広い胸板が目に入った。 大きな腕の中にいる望美。 元に戻った白竜に抱きしめられていた。 ・・・お互いに裸身で・・・ 「えっ。元にもどったの!?」 「うん・・・。望美・・・」 「・・・あ、ああちょ、ちょっと」 望美はあわてて両手で胸を隠した。 「沢山私を子ども扱いした・・今度は望美の番だね」 (な、何ちょっと悪戯な目は・・・) 「・・・私が体を洗ってあげるよ」 「え、ちょ、ちょっと」 望美の両手を万歳させる白龍・・・。 「・・・。私の言うことを・・・聞いて・・・?」 白龍の少し切ない声に 望美の抵抗も静まり・・・。 「・・・私の愛しい望美。抱きしめられた分、今度は私が・・・ 抱きしめるから・・・」 ほのぼの、石鹸のいい匂い立ち込めるお風呂場が ドキドキ・・・愛を確かめ合う場に・・・。 「湯冷めしないうちに・・・上がろうか」 お姫様だっこして ベットに連れて行く・・・ 「今度は私が愛してあげる」 大人の白龍。 子供の白龍 どちらも大好き。 望美をたいせつに思う気持ちは同じだから・・・。