星降る夜に 「・・・!」 それは星が綺麗な夜に突然に起きた。 (体に・・・力が溢れてくる・・・) 白龍の体に異変が・・・。 「望美・・・!起きて望美!」 となりで眠っていた望美を起こす白龍。 「どうしたの?」 「・・・力が・・・。五行の力が戻ってるんだ」 「え!?」 ふわり・・・ 白龍は宙に浮いて見せた。 「・・・白龍・・・。どうしちゃったの!?」 「わからない・・・。でも戻ってるんだ・・・」 突然のことに二人とも驚くばかり・・・。 「でも多分これは今夜限りだと思う・・・」 「どうしてわかるの?」 「・・・分かるんだ・・・」 神の力。 白龍にしか分からないのだろう・・・。 望美はもしかしたら白龍があちらの世界に返ってしまうのではと 不安が過ぎった。 「望美!星を見に行こう!」 「え!?」 「望美と星を見たいんだ!」 望美をお姫様抱っこしてベランダから舞い上がる 「わッ!!」 望美を抱いた白龍はまるで背中に羽根が生えたように 夜空を飛び上がる 「白龍ッ」 「ふぅーー・・・。気持ちいいーね望美!」 見下ろせば 黒い画用紙にネオンの光りが輝いて・・・ 白龍の長い髪が風にそよぐ・・・。 「なんか・・・白龍、龍に戻ったみたいね。楽しそう」 「うん。自由に空を泳げる・・・!気持ちいいんだ! 望美はどう??」 「私も気持ちいいよ。ふふ・・・」 ネオンも綺麗だけれど・・・。 何より・・・ 白龍の楽しそうな顔が嬉しい・・・。 「はぁー・・・どこまでも飛んでいこう!望美!」 「ふふ。そうね」 街の灯り・・・ 今夜の星空は望美たちを歓迎しているのか 雲ひとつかからず光っていてくれる。 「・・・あそこに降りようか」 公園の象の滑り台の上にふわっと降り立った。 「・・・望美・・・。この公園好きだったよね」 「うん・・・」 前にデートしたとき、ここから見る夕焼けがとても好きだと 言っていた。 「どう・・・?望美。嬉しい??嬉しい??」 白龍はワクワクした顔で望美にたずねる・・・。 「うん!とっても嬉しいよ!ワクワクしてる!」 「ふふ。よかった!私も嬉しい!!」 白龍の一番嬉しいことは 望美が喜ぶことをすること・・・ そんな白龍の想いが伝わってくる・・・ 「でも・・・。望美を喜ばせて上げれるのはどうやら 今夜だけみたいだ」 「え?」 「・・・この力は・・・。明日になったらなくなってる気がする。 分かるんだ・・・」 「白龍・・・」 「・・・龍神の力が戻ればいいのに。そうすれば望美をもっと 喜ばせられる。楽しませてあげられるのに・・・」 もっと望美の笑顔が見たい 喜んだ笑顔が見たい。 好きな人のために何でもしたい 白龍のまっすぐなまっすぐな想い・・・。 「白龍。力なんてなくても・・・私は幸せだよ」 「望美・・・」 「好きな人が側に居て・・・。同じ星空を見られる・・・。 それ以上の幸せなんてない。充分だよ・・・」 望美は白龍の腕に腕を絡ませた。 「本当に・・・?望美は今・・・。幸せ?」 「うん。幸せすぎて・・・。叫びたいぐらい」 望美は思い切り息を吸い込んで・・・ 「白龍が大好きーーーー!!」 想いをさけんだ。 「・・・ね?幸せだよ。私。ふふ・・・」 「望美・・・」 ・・・愛してる 愛してる 白龍の心にはその言葉が溢れて溢れて・・・ 「・・・私も望美を愛してるーーー!!世界で一番愛してるーーー!!」 白龍も思い切り叫んだ・・・。 「///や、やだ白龍・・・。連呼しなくても・・・」 「空に輝く星に伝えたくて・・・。私の望美への想いを・・・」 「///」 ちょっとこちらが恥ずかしくなる台詞も白龍が言うと・・・ 照れもなくなっていく。 「あ・・・。ほら望美・・・。見て・・・。星達が”お幸せにって” 返事してくれた・・・」 (あ・・・) 白龍が空を指差す・・・ その方向に赤い星が本当にキラキラを光を放っていた 「星達も歓迎してくれたんだね。私と望美の愛に・・・」 さらっと望美の髪を手ですくう・・・ 「・・・(照)は、白龍ったらいつのまにそんな台詞を覚えたの・・・ テレビの見すぎ?」 「え?ううん。テレビは見ないから・・・」 (・・・素で言ってたのね。やっぱり白龍はいろんな意味で神様 かも・・・) 照れくさいけど気障だけどでも 嬉しい。 素直に嬉しい・・・。 「・・・望美・・・。星より愛してる・・・。本当に愛してるから・・・」 「白龍・・・」 ふわっ・・・ 白龍は望美を抱き上げる・・・。 「星空もいいけど・・・。やっぱり望美の瞳を見ているほうが いい・・・」 「白龍・・・」 「・・・家に帰って・・・。望美の瞳の中の星を見せて・・・? ベットの中で・・・ね」 ふわり・・・ 望美を抱いた白龍が再び舞い上がる・・・ 星を背に二人の愛を語らう場所へ帰るために・・・。 「・・・星より愛してる。愛してる・・・」 ベットの中で白龍はそう・・・ 呟いて望美を愛したのだった・・・。