空より好き 「ふふ!今日は一日ずーっと 一緒いられるね」 「そうね」 公園。 久しぶりに長い休日がとれたのでお弁当を作って お散歩の日だ。 芝生の真ん中で空色の敷物を敷いて 望美がつくったたまごやきをほおばる白龍。 「おいしいなぁ。望美はご飯作るの本当に 上手だね」 「そう?」 「うん。こんな素敵な望美をお嫁さんに出来て 私は嬉しい!」 「・・・お、お嫁さんだなんて・・・」 頬を染める望美。 そんな望美を余所に白龍はぱくぱくとお弁当のおかずを 全部平らげた。 「ふー!まんぷく満腹!望美の味。ごちそうさまでした!」 「・・・(汗)よかった」 「あーお腹一杯になったら・・・。眠くなっちゃったなぁ」 白龍はごろんっと 体を寝かせて大の字になった。 (ふふ・・・。本当に中身は少年のままって感じ・・・) あどけない 素直な少年。 「あらあら。白龍。食べてすぐ寝ちゃうと牛になるって 言うわよ?」 「えー。牛か・・・。でも牛になった望美に 毎日お乳を飲ませて上げられるね!おいしいお乳。 毎日望美がしぼってさ」 「ふふふ・・・」 「あ、でもやっぱり私は望美の”お乳”がいいなぁ 柔らかくておいしそうで絞りたての・・・」 「・・・そ、それ以上さわやかに言わないでッ(焦)」 (絞りたてって・・・///) 想像力も豊かな少年。 そのさわやかさに笑顔に癒されている・・・ (え、エッチなこともさわやかに言うけれど・・・(照)) 「・・・望美・・・。空が・・・綺麗だねー・・・」 「そうね・・・」 「望美も寝転がってみてごらん・・・」 「え・・・うん・・・」 望美も白龍のとなりにそっと体を寝かせた。 「ほら・・・ね?」 「本当・・・」 青い青いスカイブルー。 白龍の髪の色と同じで優しい穏やかなブルーだ・・・ 「・・・。あんなに空が綺麗なのは・・・」 「え?」 「・・・。望美の心が綺麗だからだよ・・・」 (ドキ・・・) 白龍の手が そっと望美の手に重ねられた。 「・・・好きだよ」 「う、うん・・・」 「空の青さより・・・。望美の心が好きだ 体が好きだ・・・」 (かっ体って・・・///) 「大好き・・・。大好き大好き・・・!ああもう 何回言っても足りない・・・。どうしたらいい・・・?」 「そっそんなこと言われても・・・」 「望美・・・。好き・・・。ねぇ・・・。好き・・・。 どうしよう・・・?」 (・・・ってどうして・・・そんな瞳で・・・) 白龍は起き上がり・・・ 水色の髪を掻き揚げて・・・ 望美を見下ろす・・・。 「・・・望美だけなんだ・・・。このキモチを・・・。 落ち着かせられるのは・・・」 「白龍・・・」 「・・・望美・・・。私を・・・好きって言って・・・?」 「白龍・・・」 「その可愛い唇で・・・」 白龍の人差し指は・・・ 望美の唇をなぞって・・・ 「・・・。好きよ・・・。白龍が好き。空より 何より大好き・・・」 望美の言葉に・・・ 白龍は心から笑みを浮かべる・・・ 安心して・・・ 嬉しくて・・・ 「・・・望美・・・。私も大好きだよ・・・。 愛してる・・・」 「・・・え、ちょ、あ、あの・・・。人が見て・・・ ん・・・ッ」 問答無用で 望美の唇を塞いだ・・・。 少年の心。 だが溢れる愛は誰より強く 激しく・・・ キスしあう二人の頭上を 飛行機が飛んでいく・・・ 二人の愛のシュプール。 青い空は 二人を祝うように清清しく晴れていた・・・。