心配性な神様 〜子守唄よりも〜 「お粥の方がいいかな?望美が食べたいものなら なんでも作るから」 目をきらきらさせてちょっと短いエプロンをつけて ベットの側に正座して座っている白龍。 「いいよ。それより貴方も休んで・・・。ずっと 動きっぱなしで・・・」 「動いていたいんだ。望美が元気になるなら 何でもしたい」 意欲満々。 看病したくてたまらないと言わんばかりの白龍に望美はため息ばかり。 「・・・。はぁ・・・。どうすればいいの」 「あれ?どうしてそんな顔をするの・・・? どうすれば望美は嬉しいの?」 「だからね。白龍自身も休んで欲しいの。 でないと私が辛いから。ね?お願い」 「・・・。うん。わかった。じゃあ休む」 ようやく望美の気持ちを理解したのか。 (よかったわ。白龍にこれ以上、疲れさせるわけにはいかないもの) 「じゃあ休むね」 「ええ、リビングで・・・ってえ?」 エプロンを脱いで綺麗にたたむと白龍は シーツをめくってベットに入ってきた。 「や、休むって・・・」 「ここで休むよ。望美の香りがする場所 が一番心休まる」 「・・・///あの・・・」 大きな腕に抱き寄せられて・・・ 「子守唄を歌ってあげようか?あ、この前 素敵な絵本覚えたんだ。”眠り姫”っていうんだ・・・。 それともやっぱり”白雪姫”が、いい?」 絵本を読むようなお子様ではない 手のひらは・・・ 静かに望美の黒髪に触れる。 (・・・。ね、眠り姫・・・。眠れそうにないわ///) 「昔々・・・」 白龍が絵本を開いて読み始めた。 (・・・。もう10回めなんだけど・・・) 静かに絵本を置く望美。 「絵本より・・・。白龍が今一番言いたいことが聞きたいな」 「私が・・・?」 「そう・・・」 「私が・・・。言いたいこと・・・」 白龍はしばし目を閉じて考えて・・・。 うっとりした瞳で・・・。 「・・・そんなの・・・。決まってるよ・・・」 サラっと 望美の前髪をすくって・・・。 耳元で呟く・・・ 「大好きだよ・・・。私の・・・神子・・・」 「白龍・・・」 何度 言われたか・・・ 何度聞いても・・・ 「・・・嬉しい・・・」 「本当・・・?絵本より子守唄よりも・・・?」 「うん・・・」 白龍はパァっと電気がついたように 笑顔になる。 「じゃあ何度でも言うよ!」 「あ、何度も・・・は、いい。は、恥ずかしいもの///」 「わかった・・・。じゃあ・・・。そろそろ眠ろう」 「うん・・・」 身をさらに寄せ合う・・・。 大きな胸板に望美は頬を寄せて・・・。 空色と 黒髪が 混ざり合う 互いの温もりが子守唄。 手を握り合って 同じ夢をみる二人だった・・・。