赤い糸 〜ずっと離れない〜 「龍神に戻っても・・・。ずっと貴方に恋をしているよ・・・」 (嫌・・・) 白龍が・・・ 龍神の姿に戻って・・・ 空高く舞い上がっていく・・・。 (行かないで・・・。行かないで!) 「行かないでっ!!」 飛び起きる望美・・・。 (・・・え・・・) 横にはすやすやと眠る・・・ 白龍の姿が・・・。 (・・・。ちゃんと・・・。いる) 「ん・・・?」 ぎゅ・・・。 シルクのパジャマ姿の白龍に抱きつく・・・。 「どうしたの・・・?」 「・・・」 ぎゅ・・・ ぎゅ・・・ 白龍の腰にしがみつく望美。 「・・・本当にどうしたの・・・?」 「・・・何でも・・・。ただ・・・。離れたくないだけ・・・」 「私もだよ・・・。神子と離れるなんて・・・。出来ない・・・」 大きな腕が 望美の体を包みこむ。 やさしさと 力強さと・・・ この腕からはなれたくなんてない 「ふふ・・・体が・・・ずっとくっついちゃってればいいのにね」 「そんなこと言ったら望美・・・。私は・・・」 ぐっと 望美の頬に手を当てる・・・。 「・・・望美の全部を溶かしたくなってしまうよ・・・?」 「・・・そっ。そんな言葉ど、どこで覚えたのっ///」 「覚えたんじゃない・・・。望美を抱きしめてるから・・・ 自然に出てくるんだよ・・・?」 (・・・汗) 最近純粋故の言葉なのか、大人になってきたのか 境目が分からなくて さらにドキドキ・・・・ 「抱き心地がいいから・・・。一日中でも抱きしめていられるよ?」 「・・・あ、ありがとう・・・」 (・・・) 何故かいつもとはちがう不安げな望美の表情に 敏感に感づく白龍 「神子・・・。まだ・・・不安?・・・何・・・不安?」 「え・・・」 「神子の心が伝わってくる・・・。私が抱きしめてもまだ不安・・・」 「抱きしめ方が足りない・・・?もっとぎゅっとがいい? それとも・・・肌と肌の直の方がいい?」 と、望美のブラウスのボタンをはずしはじめる白龍。 「そっ///そうじゃない。そうじゃないの・・・ちょっと・・・」 自分の不安がまるでコピーされるように 白龍に伝わってしまう。 (どうしよう。うーんと・・・) 望美の目に、赤いリボンがとまった。 「ねぇ。白龍。ちょっと小指出してくれる?」 「え?こう?」 「うん・・・」 望美は自分の小指と白龍の長い小指を結ぶ。 「・・・運命の赤い糸」 「運命の?」 「そうよ。赤い糸で結ばれている二人は永遠に離れないっていう おまじない」 「・・・永遠に離れない・・・」 望美の言葉に白龍は微笑を浮かべる。 「・・・赤い糸がなくとも・・・私と望美は結ばれている。 身も心も・・・」 「///そ、そういう意味では・・・」 「でも・・・この糸に誓うよ・・・。永遠に離れないって・・・」 二人の小指が絡み合う・・・。 「私達は離れない・・・」 「うん・・・」 「今日はこのまま・・・抱きしめあっていよう・・・。 いい?」 優しいまなざしに望美は黙って・・・ 頷いた。 「私の神子・・・。ずっと一緒だ・・・」 (白龍ったら”抱き癖”ついちゃったのかしら///) 嬉しいやら照れくさいやら・・・。 それでも白龍のぬくもりが 悪夢を拭い去ってくれる。 「白龍・・・好きだよ」 「私も好きだ・・・」 愛の言の葉を何度も呟いて 二人の赤い糸はその日ずっとはずされることはなかったのだった・・・。