君の声
”望美・・・望美・・・” 白龍に抱かれているとき 何度も私の名を呼ぶ。 白龍のあどけなさが残る優しい声が好きだ・・・ ソファで雑誌を読んでくつろぐ二人。 「・・・望美・・・?どうかした・・・?」 「ううん・・・。ちょ、ちょっと背中が・・・」 腰の辺りを少し痛そうに押さえている。 「・・・昨日・・・少し激しすぎたかな・・・」 (///・・・何気なく刺激的なことを言うのね。白龍) 「そうだ・・・。私が解してあげるよ・・・。望美。横になって・・・?」 「え、あ、うん・・・」 望美はソファに背中を差し出すように横になる。 (な、なんか・・・微妙にドキドキするな・・・) 白龍は望美の腰に跨り、両手で腰を 押す。 「うわぁ・・・。こりこりしてるね・・・」 (・・・な、なんかリアルな表現・・・) 体ではなく、なんだかこころが火照って解れていく。 「ねぇ・・・。望美。この辺・・・?」 「う・・・うん。もうちょっと右・・・かな」 「ここ・・・?」 「・・・ん・・・っそ、そこ・・・っ」 裏返る望美の声・・・ 白龍の心臓がドキっと脈打った。 「あ・・・う、うん・・・そ、そこ・・」 「・・・」 (ど・・・どうしたんだろう・・・。望美に触れるなんて 初めてじゃないのに・・・) 「・・・うっ・・・く・・・っ」 望美の反応に体の芯が熱くなってきて・・・ (・・・声だけなのに・・・。ドキドキが止まらない・・・) マッサージする白龍の手の動きがピタリ・・・と止まった。 「・・・白龍・・・?」 「・・・ごめん・・・」 白龍は望美に背を向けて顔を見ようとしない。 「ど、どうしたの・・・!?」 「な、なんでもないんだ・・・」 「白龍・・・?」 望美は俯いた白龍の顔を覗きこむ。 「・・・望美・・・。今の私を見ないでほしい・・・」 「え・・・?」 「・・・。浅ましい気持ちでいっぱいだから・・・」 「気持ちって・・・」 「・・・。力づくで・・・望美を汚してしまいそうだから・・・」 (!!) 白龍らしからぬ台詞に・・・ 望美も戸惑う・・・ 「・・・」 「・・・」 二人の間に重たい空気が流れる・・・ 長い白いソファに少しはなれて座る二人。 「・・・。望美・・・。私は・・・望美への独占欲に溺れているようだ・・・」 「白龍・・・」 「・・・。望美の・・・悩ましい声に・・・体が疼いて・・・ゾクゾクするんだ・・・」 (・・・!) 望美は・・・ 白龍の甘い言葉に・・・ ゾクゾクする・・・ 「・・・。私もだよ。白龍・・・」 「え・・・?」 「白龍の艶っぽい声に・・・。今もこんなにドキドキしてる・・・。 ドキドキして・・・白龍に触れたいって・・・思ってる・・・」 「・・・望美・・・。駄目だよ・・・。私を刺激しないで・・・。でないと・・・」 白龍の手が・・・ 望美の頬に伸びる・・・ 「・・・望美・・・。貴方を・・・。好きになりすぎて・・・。私は・・・」 「白龍・・・」 「・・・私は・・・貴方が愛しすぎて・・・」 白龍の瞳から 滴が流れる・・・ 「白龍・・・」 何度目の抱擁だろう・・・ 何度も体は結ばれているのに ただ・・・ 抱きしめあうことがこんなに・・・ 深くて優しい気持ちになれるなんて・・・ 「・・・望美。こんな私でも・・・。好きでいてくれる・・・?」 「勿論だよ」 「よかった・・・」 望美を抱きしめる白龍の腕に力が入る・・・ 「・・・望美・・・。あの・・・」 「ん?」 「このまま・・・。望美を・・・抱いてもいい・・・?」 請うように・・・ 望美に尋ねる・・・ 望美は静かに頷いて・・・ 二人は折り重なって倒れる・・・ 「愛しい声・・・私の・・・すべて・・・」 喘ぐ声も 心全部で感じあう。 ・・・少し優しい昼下がり・・・ 互いを声を 求め合った・・・