何処でもその唇で愛して ヒノエ君は、私がドキドキする場所を知っている。 どこに口付けたらドキドキするか。 どんな言葉を囁いたら頬を染めるのか・・・。 「・・・望美。今日もそそる背中してるな」 「わっ」 箒(ほうき)で落ち葉を掃いていたら背後から突然のハグ・・・。 ・・・大分慣れたけど でもやっぱりドキドキする。 「・・・。ヒノエ君。ここは外だよ。人の目ってもの考えてよ」 私は箒で私にくっつくヒノエ君を取っ払った。 「箒の使い方間違ってるだろ。俺の愛しい姫」 男の子の力にかなうはずもなく。 私は再びヒノエ君に背中から抱きしめられて・・・。 「・・・だから・・・。ここは外だってば・・・。きゃあ!?」 ヒノエ君は私の髪を前に流して首筋に息をかける。 「んふふー・・・。相変わらず感度がいいですね〜」 「・・・ここは外だっていってるでしょーー!!」 「外か・・・。外で愛を営むのも新鮮だな・・・」 (なっ・・・!!) チュ! ヒノエ君は口筋に口付けて・・・ 「いい加減にしなさーい!!」 ばっちん!! あんまりの悪戯に流石に頭にきちゃって・・・。 ヒノエ君の頬に一発ビンタしちゃった・・・。 ちょっと悪いなって思ったけど・・・。 たまにはお灸をすえなくちゃ。 ヒノエ君のオレ様ぶりに。 私はその夜からヒノエ君と別々の部屋で眠ることにした。 (ふー・・・。いつもだとすぐヒノエ君が乗っかって 来て・・・。って何言ってるの。私) 布団の中で一人赤面しちゃった。 久しぶりにぐっすり眠ろう。 私は目を閉じて眠りにつこうとした。 5分位して スー・・・ 襖が開いて・・・。誰かが近づいてくる・・・。 ・・・。そして掛け布団を捲って入ってきた・・・ 「ヒノエ君・・・(汗)」 「やぁ。望美。お前、眠る部屋、間違えているじゃねぇか」 「あのね・・・(汗)ヒノエ君。出て行ってよ。 今日は一人で眠りたいの」 私はヒノエ君を追い出そうとした。 けど両手をつかまれて 押さえつけられてしまった・・・。 「・・・お前のいない部屋で・・・。オレが眠れるとでも・・・?」 「・・・私は一人でゆっくり眠りたいの・・・」 ヒノエ君・・・。 ちょっといつもと違う・・・? 口調はオレ様でも・・・。 余裕がない感じがして・・・。 「・・・嫌だね・・・。お前だって・・・。 オレがいないと眠れないくせに・・・」 「そんなこと・・・」 「・・・やれやれ・・・。なら実力行使するしかねぇか・・・」 「ちょ、ちょっと・・・い、嫌・・・っ」 ヒノエ君は荒々しく強制的に私の着物の襟を肌蹴かせて 帯も無理やり取られた・・・。 何・・・? どうして。 私の意思を無視するようなこと・・・。 「・・・。お前はわかってねぇ・・・。オレがどれだけ お前にぞっこんか・・・。夢中か・・・」 「・・・!」 ヒノエ君は唇で耳に口付けた。 頬に 額に・・・ 「・・・お前に夢中で夢中で・・・。どうしてくれる・・・?」 ヒノエ君の口付けは・・・ どんどん下がっていく・・・。 「ヒノエ・・・君・・・」 胸の谷間には 唇を押し付けるほど強く・・・ 体の心が熱くなって行く・・・。 ヒノエ君の荒い息遣いが切なくて・・・。 「・・・ひ、ヒノエ君・・・。ちょ、ちょっとたんま・・・っ」 「駄目・・・待ったなし・・・。今日のオレは・・・。 火がついちまってんだから・・・」 「ヒノエ君・・・」 「体の隅から隅まで・・・口付けてやる・・・」 「・・・っ」 本当に・・・ 体、全身に・・・ つま先まで口付けられていって・・・ 私もいつのまにか・・・ 熱くなってきた・・・。 気がつくとヒノエ君は自分の着物も脱いで・・・。 私ももう観念しなくちゃいけないみたい・・・。 「・・・朝まで寝かせねぇから覚悟しろ・・・。オレの唇で・・・ な・・・」 「・・・降参です・・・」 「ふふ・・・。いい子だ・・・。一緒に・・・。熱い夢・・・。見ようぜ・・・」 「ん・・・っ」 空気が漏れないほどのキスが始まって・・・ ・・・ヒノエ君のキスには逆らえない・・・。 でも私も本当は 一人で眠ることなんでできなかった。 ・・・熱い夢を 口付けがないと眠れなくなっていた・・・。 キスから始まる・・・夢を見るために・・・。