恋愛上手なサンタクロース 「おやおや・・・。俺の姫君はお休み中なのかな」 夜中。 望美の部屋の窓が開く。 白龍の逆鱗で、時空を行ったりきたりするヒノエは、今宵も 望美の元へ夜這いに来たらしい。 「ふふふ。可愛い寝顔しちゃって・・・」 つんつんと望美の頬をつつくヒノエ。 (サンタクロースとやらになった気分だな) この間、現代の風習、クリスマス、というものを聞いたヒノエ。 サンタクロースという架空の人物が、夜、子供達にプレゼントを持って やってくるという。 (・・・オレなら・・・。望美が欲しいってお願いするんだけどな〜) 贈るのも悪くはないが。 贈られたい気分。 「・・・そんじゃあ・・・。少しだけいただいちゃいますか♪」 ギシ。 毛布を捲ってそっと望美の横に添い寝する。 「あー・・・。望美の温もりーぃ。なんか悶えてきちゃう」 ちょっと刺激的なこと言っても すやすや寝顔の望美。 「むなしいなぁ。照れ顔が見られないなんて」 ちょっとつまんないので色んな刺激を色々与えてみる。 そっと頬を手の甲で撫でてみる・・・ 「いつ触ってもすべすべだねぇー・・・。癖になりそ」 「ン・・・」 眠ったまま頬をぽりぽりとかく望美 「・・・虫でも止まったリアクションだなぁ。よし んじゃもちっと色々」 今度はスーっと首筋を一指し指でなぞる 「・・・ン・・・ッ?」 「お・・・、今度は若干・・・感じたかな?ふふ」 ヒノエサンタ、 ちょっと調子に乗ってきた。 「じゃあ・・・。もっと感じそうなとこ・・・」 パジャマのボタンを一つ・・・ 外して・・・ 「こんにちはー♪オレの谷間ちゃん」 白いブラの谷間が顔を出した。 「・・・んじゃ、おじゃましまーす・・・」 今度は片手全部で静かに襟から差し込んで・・・ 「・・・!?」 ぱっと望美の目が開いた。 「あらー・・・起きちゃった」 「な・・・な、何やってるの!?ってきゃああ!!」 肌蹴た胸元を隠す望美。 「いやー。サンタクロースになったつもりで 夜這いに着たんだけどー。色っぽい望美にくらっと・・・」 「随分助平なサンタクロースですこと・・・!」 「ふふ・・・。そうさ。オレは望美専属のサンタクロース。 お前の望むものならなんでも叶えてやる・・・」 ニヤリといつものように気障な笑みを浮かべて 望美の両手をつかんで体の上に馬乗りに・・・。 「・・・ちょ・・・。こ、これのどこが何でもかなえてやる、よ・・・!!」 「え?違う?”ヒノエに抱かれたい”っていう願いじゃないの?」 「ち、ちが・・・。んぅッ」 指導権を握られてはもう抵抗しても無駄。 唇さえも塞がれてしまったら・・・。 「・・・っハァ・・・」 深いキスに唇を離されてもぼうっと意識が一瞬飛ぶ。 「・・・お前の願い・・・。このヒノエサンタが叶えて やるよ」 「・・・。強引なサンタなんだから・・・」 「・・・ふふ。本当は俺がお前を抱きたいって・・・。 本物のサンタに願ったからな・・・」 サンタクロースは年に一度だけ願いをかなえる。 けれどヒノエも望美も毎日願ってる。 「・・・いつも一緒にいたい・・・ってな・・・」 再び激しいキスが始まる。 脱がされてしまったパジャマが投げ捨てられ・・・ 激しい動きに ベットが軋む。 「メリークリスマス。愛してるぜ・・・」 雪が舞うクリスマス。 いつも欲しいのは互いの温度。 そして想い。 今宵もまた・・・ 確かめ合う二つの心。 雪は そんな二人の熱を冷ますように 静かに静かに降り続けたのだった・・・。