海辺の照れ屋な武士君 ・・・望美と海に来たのだが・・・。 な、な、何なんだ!?? み、見渡す限り、あられもない姿の男と女ばかり!! お、おなごなどほ、ほとんど、裸ではないか!! あ、あんな”紐”みたいな布着れのみだなんて・・・。 ・・・め、めまいがしてきた・・・。 オレはなんだか多数の色合いの傘の下(パラソルのこと) でただ、唖然としていた。 「九郎さん♪」 「望美おそ・・・ッ!??」 な、なななな!?? の、望美の格好ときたら・・・!! し、白い三角の布(ビキニ)三枚だけなんて・・・。 「お、お、おい、望美ここは自分の家ではないのだぞ!?? なんて格好を!」 オレは思わず自分の着物(ジャケット)を脱いで望美に羽織らせた。 「海だもの。水着にならなくちゃ」 「な、ならなくちゃって・・・!そ、そんな格好で泳いだら どうなるんだ!?」 って言ってるオレが今、裸身の望美を想像してしまうなんて(汗) 「ふふ。だいじょうーぶよ。私、泳いでくるねー」 「あ・・・」 慌てる俺を余所に望美はすたすたと海の中へ・・・。 わ、わからん・・・ 現代のおなごの心理はやはり俺には・・・。 恥じらいというものはないのか。 ・・・惚れた男以外に肌をさらすなんて/// ・・・俺は見せたくない。惚れた女子の肌を他人には・・・。 「・・・男心など分かってないのだから・・・」 俺を気持ちなど知らずに望美は海の中から楽しそうに手を振って・・・。 ふん・・・。 「九郎さーんちょっと来てよー!」 「仕方ないな」 俺が拗ねてどーする。 望美が楽しいならそれで・・・。 ・・・結局折れてしまうのか俺は・・・(汗) ってなんだ!あの男達は!! 「嫌だ。離してよ」 「可愛いねぇ」 茶色の長い髪の男二人が 望美の肌に馴れ馴れしく触れている!!! 俺はかあっと頭に血が上った。 「その汚い手を離せ!!愚弄どもが!!」 俺は自分の背中の後ろに望美を隠した。 「ああ?なんだ。てめぇは」 「現代の男だろうと武士だろう!??女子を口説くならばもっと 正々堂々としろ!!」 「あん?うるせーなひっこんでろ」 男達がはむかってきたので、少し手足をひねってやった。 ・・・弱すぎる。 「望美を誘うおうなんて図々しい!!消えろ!!」 男達はそそくさと逃げていった。 まったく・・・。現代の男達は喧嘩の仕方も知らないのか・・・。 「望美。大丈夫か。怪我はないか」 「うん。ありがとう!九郎さん」 「わっ」 ばっしゃーん! 抱きついてきた望美と一緒に海の中に倒れてしまった。 ・・・はしゃぎすぎな望美だけどちょっと嬉しかった/// 海から上がった俺に望美はとんでもないことを申し出てきた。 「・・・お、おいる??」 「そう。サンオイル。背中にぬってほしいの」 せ、背中って・・・。 「わっ」 望美は紐のような布をはずし寝転がって俺に背中に見せた。 ・・・胸は両手で隠して。ってどこ見てるんだー!俺は! 「・・・は、ははははしたないぞッ。望美」 「お願い。背中がひりひりして・・・」 「で、でもな、あの・・・」 望美の色っぽい声に・・・ 「お願い・・・」 「わ、わかった」 即答してしまう俺はやっぱりしりに敷かれているらしく(汗) 「で、では塗るぞ」 「お願いします」 ぬるっとした透明な液体をそっと背中の真ん中から円を描くように塗る・・・。 つるつるするこの感触は・・・この液体のせいなのか それとも・・・/// 「・・・気持ちいい」 「・・・!」 な、なんて声だすんだッ。 ・・・そ、外ということも忘れてしまうだろ/// 俺は思わず正座してしまった(汗) 「あ・・・。望美背中のこの痕は・・・?」 「///お、一昨日、九郎さんがつけたんじゃない・・・///」 あ、そ、そうだったか(汗) お、一昨日は何だかかなり燃え上がってしまって・・・って思い出してどうする(汗) 全体に塗り終える・・・ 「お、終わったぞ」 「ありがとう」 望美は静かの起き上がり、上着を着た。 そうだ。それ以上肌をさらさないで欲しい。 「・・・嬉しいな」 「え?」 「九郎さんと・・・。夏の思い出ができたから・・・」 「///そ、それは何より・・・」 気がつけば・・・ 地平線の上に夕日色に染まっている・・・。 「綺麗だね・・・」 「・・・ああ・・・」 望美の横顔の方が綺麗だ・・・ なんて気障な台詞が言えない。 その代わりに・・・ 「九郎さん・・・」 そっと望美を引き寄せる・・・。 「また・・・来ような」 「うん」 ドキドキもしたし・・・ 嫉妬もした・・・ 全部が夕日の美しさに溶けて 沈んでいく・・・。 またこの夕日を望美と共に見ようと 俺は心に誓った・・・ ・・・今度はもう少し人気のないところで、な・・・