九郎君のおつかい大作戦 「・・・」 九郎は非常に今、逃げ出したい気持ちだ。 (嗚呼・・・。現代というのはなんという・・・) 九郎が今、いる場所は女性の病院の売店。 そして下着売り場。 望美が実は過労で倒れ入院したのだ。 ”安心しろ。オレが全部世話をするから” と、頼もしくいったものの・・・。 (お、おなごのしっ下着など、わ、わからんっ。 と、いうかもう帰りたい・・・) 急の入院だったので荷物の整理もできず・・・。 「し、しかし・・・の、望美のためだ・・・。 己の羞恥心など捨てねば・・・」 と、意を決して 看護士からきいた下着を探す九郎。 売店のおばちゃんに効けばいいのに。 やっぱり・・・ (ぶ、ぶらじゃあと、あとは・・・い、言えぬっ ああ・・・) 下着のコーナーの辺りでうろうろ、おろろする。 「お客さん、何お探しです?」 「え、い、いやあの・・・。え、と・・・ お、女子ものの・・・」 「ああ、奥さんの下着かね?はは。恥ずかしいってか? 若い旦那さんだねぇ。あはは」 (わ、笑うなっ) 「私が適当に見繕ってあげるよ。サイズをいっておくれ」 「さ、サイズ!?」 「ああ、SとかLとか」 「・・・。わ、分からんが・・・」 「奥さん、胸、大きいほう?」 「んなッ///」 直球な問いにたじたじの九郎。 「サイズが分からないんじゃ困るなぁ」 (さ、サイズか・・・。確か・・・) 九郎、思わず自分の手のひらを見つめてみる。 (・・・この手より少しはみ出す・・・) ついでに思い出しちゃう やわらかい感触。 「・・・あんたの手よりはでかいのかい?」 「!!!そ、そ、そ、そ・・・」 おばちゃんのつっこみに言葉がつまる。 「じゃあCカップはあるねぇ。これでいいか。 じゃあヒップは?」 「ヒップ?」 首をかしげる九郎。 「おしりのことさ」 「しっ・・・しっ///」 とにかくもうパニックパニック。 「しっし、しっのお、おおきさっつ などっわ、わ、お、オレはっ・・・○△□※」 さらにパニックパニック。 金魚のように口をパクパクさせる九郎。 みかねたおばちゃんは。 「ったくウブだねぇ・・・。まぁ、フリーサイズのでいいだろう」 ごそごそと 紙袋にいれくれるおばちゃん。 (・・・げ、現代の女子は・・・。 本当に強いものだな・・・) 「はいよ」 「す、すまぬ・・・。色々と」 支払いをすまして 病室へ戻ると・・・。 望美は静かに 鎮静剤で眠っていた・・・。 「・・・よかった・・・。今は静かに眠れ・・・」 現代へ帰り 戦国での疲れが出たのだろう 九郎はそっと望美の手を握り締める・・・。 (これからは・・・。オレがずっとそばにいるからな・・・) 戦が仕事だった武士も 惚れた女子の前では ただの人間。 「刀は持たぬが・・・。お前を守って生きて行くからな・・・」 そっと呟く九郎・・・。 カーテンが優しくゆれたのだった。 追伸。 九郎がちょっとお勉強したことが (・・・シーカップというのは・・・ 大きいのか・・・///) 望美のサイズをお勉強した九郎さんでした(笑)