夢から覚めても
ん・・・? 机・・・。椅子・・・。黒板・・・ ここって・・・。 教室・・・? もしかして・・・。この夢って・・・。 「望美」 「将臣くん・・・」 降るかえると机に座り込む将臣くん・・・ やっぱり・・・。いたね・・・。 「久しぶりだな。この夢みるの」 「うん」 そう。二人だけの夢。夢だけど夢じゃない。 二人だけの・・・空間。 「オレら・・・。今、眠ってるって事だよな」 「そう・・・。なるね(照)」 将臣くんも私もそれ以上ちょっと言葉に詰った。 私の記憶だと、ついさっきまで私と将臣くんは・・・ その・・・(照) 現実では一つの布団で将臣くんの肌の中でねむってるってことで・・・ 「・・・。起きたら・・・。なんか顔合わすの、照れくさいだろうな」 「うん・・・。ふふ・・・」 目が覚めたら・・・きっと私は一番好きな人の腕の中なのだろう。 でももう暫く・・・この夢の中、見ていた気もする・・・ 「かわらねぇんだな・・・。俺らの記憶の中の風景ってやつは・・・」 「うん・・・」 将臣君は懐かしそうな顔で机や椅子に触れる・・・ そう・・・。生きている世界は違っても私達の記憶の中の風景は 変わらず色あせない・・・ 「・・・あ。何だ、コレ・・・」 将臣君がみつけたもの・・・ それは私が密かに自分の机に見つけたのは・・・ 「あ、駄目!それ、見ないで・・・!」 将臣くんと私の名前を彫った相合傘のらくがき・・・ 私は慌てて手で隠したけど将臣くんにどかされてしまう。 「へぇ。お前・・・。この頃からオレのこと好きだった訳か」 「も〜!!からかわないでよ〜」 将臣くんってばマジマジと落書き見ちゃって・・・ なんかやっぱりすごく恥ずかしいな。 「くっくっく。お前らしい。ガキっぽいよな〜。女ってこういうの、好きだよな」 「悪い!?いいじゃない。女なんだから・・・!」 「・・・そうだよ。お前は女だったよ。オレにとってはずっと・・・」 「将臣くん・・・」 将臣くんに抱きしめられると夢の中でもこんなにドキドキする・・・ 現実だったらもっとだよね・・・ リアルな感触が待ってる・・・ 「・・・夢もいいが・・・。オレはやっぱり現実のお前がいい」 「うん」 「生身のお前の方いい・・・。髪も・・・。唇も・・・」 「うん・・・」 夢の中でも将臣くんの温もりは在るし・・・。感じられるけど・・・ 現実の将臣くんの熱さの方が私は好き。 ・・・夢はまた見られる・・・ だからもう・・・醒めてもいいよ・・・。 私の・・・懐かしい温かい夢は・・・。
「・・・くしゅんっ」 私は肌寒さとくしゃみで目を覚ました。 「やっと醒めたか・・・?」 「将臣くん・・・」 あったかい・・・。 私は将臣くんの胸の上で目覚めた。 ・・・い、いつのまに私、上に乗っかってたんだろ。 っていうか、そういう体勢だったけ(照) 「あ・・・。将臣くんごめん私・・・」 「すんげー寝顔間抜けだし」 「え、も、もう〜」 将臣くんは私のおでこをピン!と指ではじいいた。 「イタ・・・!何するのっ」 「くくく。それ、そのきょとん、とした顔・・・」 なんか・・・夢の中の中の将臣くんはもっと優しいような。 「・・・しっかし、お前がオレの机にあんなモン書いてたなんてな」 「だ、だからその話は・・・」 さらに私をからかおうとする。やっぱり夢の中の方がよかったかな。 「でもま・・・。所詮夢は夢だ。ホンモンのお前じゃねぇ」 「・・・将臣くん・・・」 パサ・・・ 将臣君は体を起こして今度は私を下に・・・ 「・・・お前のベットじゃねぇからな。オレは」 「もう・・・」 「ふっ・・・。色々触れねぇし・・・」 将臣くんは私の額に軽くキスしてくれた・・・ 「・・・将臣くん・・・」 「・・・オレの夢はお前だけ・・・。目の前のお前が・・・」 「将臣くん・・・」 将臣くんの唇が私の髪に触れる 肩に 首に・・・ 「・・・っ。将臣く・・・んっ・・・」 熱い、将臣くんの背中。 私は将臣くんの熱い夢を見てる。 貴方に夢中・・・ ずっと夢から醒めても・・・ ずっと・・・。