愛しい愛しいご主人様 「神子様。朝ですよ。起きてくださいませ」 「・・・え、あ、あの・・・銀さん・・・」 朝、起きたら銀がベットの横に足をついて望美を起こす。 「ふふ。お目覚めですね。神子様」 「あ、あの・・・お、おはようございマス・・・」 望美は寝癖をぱぱっと整えて少し恥ずかしそうにシーツから出てきた。 「ふふ。神子様・・・。今日もとても可愛らしいですね」 「え・・・っ」 銀の言葉にぽ・・・っと望美の頬が染まる。 その桃色の頬をもっと・・・ (染めたい) 銀の恋心は悪戯に作用する。 「し、銀さん、あ、朝からなに言ってるんですか・・・もう・・・」 慌てる望美が一層 可愛らしく・・・。 銀はもっと悪戯になっていく・・・。 「・・・昨夜の・・・。私の腕の中の神子様も可愛らしかったですが・・・」 「・・・!!」 ぼそっと望美の耳元で囁く・・・。 「ん、んもう〜!!きっ、着替えますから出て行ってくださいッ」 バタン・・・っ。 真っ赤な顔で、寝室から銀を追い出す望美・・・。 「ふふふ・・・。神子様・・・」 快感・・・といえば、望美に対して失礼だろうと思うが 銀は満たされたくてたまらない。 望美の愛が・・・自分だけに注がれていることを (・・・いけない男だな・・・。でも神子様をもっと知りたい・・・) 望美のためならば この愛を育てるためならば なんでもしよう・・・。 「・・・神子様。お着替えはよろしいでしょうか?」 「・・・え、あ、は、はい」 まだ少し頬を染めたままで望美は恥ずかしそうに出てきた・・・。 「では朝食に致しましょう。失礼。神子様」 (えっ) 銀はひょいっと望美を抱き上げ、お姫様だっこして キッチンへ連れて行く。 「あ、あの・・・っ。ちょ、ちょっと・・・」 「・・・ふふ。神子様。どんな服もよくお似合いです」 「お、お似合いですって・・・あの・・・」 笑顔とは裏腹に・・・。 力強い銀の腕は望美を下ろそうとはしてくれない。 「はい。お座りになってください」 まるで子供のように椅子に座らせ、 「せっかくの服が汚れてはいけません」 膝の上にナプキンを置く。 「し、銀、あ、あの・・・」 ただただ・・・。 銀のペースにどぎまぎするばかり・・・。 「さぁ頂きましょう。では・・・」 緊張している望美に引きかえ、銀はマイペースに 箸を勧めていく。 (何も意識することないのよ。そう朝食朝食っと・・・) だが自分に微笑みかけてくる銀に 心のときめきはおさまらない・・・。 「・・・あ。神子様。ちょっと動かずに・・・」 (えっ) 口元のごはんつぶをぱくっと食べる銀。 「・・・。神子様の味がします・・・。でも・・・昨夜の方が・・・ 美味しかったですが・・・」 「・・・な、な・・・///」 ポトリ・・・。 望美の手から箸が落ちて・・・。 「・・・今宵も・・・。神子様を味わいたいです・・・」 動揺した望美。 「きゃッ」 バシャッ!! 湯飲みが望美の膝に落ちてかった。 「神子様!!大丈夫ですか!?」 「え、う、うん。大丈夫・・・」 「いけない。冷やさねば・・・!」 (えっ) 銀は再びひょいっと望美を抱き上げ、バスルームへ・・・。 「ちょ、ちょっと銀・・・」 「神子様の白き肌になにかあっては・・・!」 (し、白き肌って///) 望美を下ろし、望美のジーンズを捲し上げて シャワーをかけた。 「・・・し、銀、大丈夫だって・・・」 「いいえ・・・。念のためです。大切な神子様の肌になにかあっては・・・」 (銀・・・) 過剰な心配だと思いつつも・・・。 その心配されることが嬉しくて・・・。 甘えたくなる。 望美はバスタブに座り、銀は望美の足にシャワーをかけつつ マッサージ・・・。 「うん・・・」 長く細い指で・・・ 「神子様・・・。気持ちいいですか・・・?」 「うん・・・」 優しく・・・ 優しく・・・。 「・・・。なんだか・・・くすぐったい・・・。 ドキドキしちゃうよ。銀・・・」 「・・・神子様・・・」 くすぐったい・・・。 冷水なのに銀が触れている部分が・・・ 火照って来る・・・。 きゅ・・・。 銀はシャワーを止め、静かにタオルで足をふく・・・。 「・・・銀・・・。ありがとうね・・・。でも・・・ 朝から銀にドキドキさせられっぱなしで参っちゃった・・・。へへ」 「神子様・・・」 可愛らしい微笑み・・・。 銀の心は・・・ 熱く込み上げる・・・。 「・・・。神子様・・・。私など貴方に出会ったときから・・・。 この胸は高鳴り・・・止まないのです・・・」 「銀・・・」 銀はそっと・・・。 望美のつま先に・・・口付け・・・。 (・・・くすぐったい・・・) 「・・・神子様・・・。私は貴方のために生きたい・・・。 貴方だけのために・・・」 込み上げる熱い想い・・・。 銀の手は自然に望美の頬に添えられて・・・。 「愛しています・・・」 濡れた手・・・ だが触れ合う唇は 限りなく熱く・・・。 「ん・・・っ」 優しい銀の愛も・・・ 柔らかい唇から激しい愛に代わる・・・。 「ふー・・・」 あまりに熱烈な口付けから解放されて 一瞬ぼうっとする望美・・・。 「・・・しろ・・・がね・・・」 「・・・すみません。つい・・・。神子様の唇が・・・ 心地よくて・・・」 「・・・銀ったら・・・。ドキドキさせすぎよ・・・」 「・・・。お互い様です・・・」 こつん・・・と おでこを合わせる・・・。 照れくさいかわりに・・・ 「銀、朝食、台無しになっちゃったね。ごめん」 「いいえ。神子様の口付けで身も心も満腹です」 「・・・銀ったらもう・・・っ」 くすっと笑いあう・・・。 こうやって いつでもずっと一緒に笑いあえたらいい・・・。 「・・・神子様。このまま・・・入浴しちゃいましょうか」 「え」 ガチャリ、 銀は風呂場のドアの鉤をかけた。 「・・・ふふ・・・」 (な、何・・・。その含み笑いは・・・) 「さ、神子様、脱衣、お手伝いいたしましょう」 「し、し、銀ーーーッ・・・」 風呂場から望美の声が響く。 優しい彼の愛。 ちょっとだけ悪戯で・・・ でも好きな人に尽くし続ける・・・。 (愛しい愛しい神子様・・・。私をずっとそばにおいてくださいね・・・) 銀の心はいつもそう・・・ 望美へと注がれているのだった・・・。