ご主人様コレクション 「ふふ。ふふふ・・・」 銀は最近とあるものに凝っている。 「・・・また。神子様の可愛い写真が撮れました」 望美から借りたカメラを持ちながら嬉しそうに写真を アルバムに貼り付けていく銀。 実は最近、カメラに凝っていて撮ったものといえばやはり・・・。 「遅刻しそうな神子様。ふふ。慌てた顔がお可愛らしい」 タイトルまでつけて・・・。 『お風呂にて。神子様が長湯で倒れそうになる。・・・快方 したが、湯姿の神子様に私の自制心が壊れてしまった』 「・・・。このときの神子様は・・・。とても・・・///」 写真を見ながらその夜の望美の喘ぎを思い出す銀・・・。 (・・・神子様・・・) ”銀・・・ッ銀・・・ッ” (・・・神子様・・・) ウィーン。 ガガガガ! 「はっ。いけない!洗濯機を回していたんだった!」 洗濯機の音で、銀の妄想は終了・・・。 アルバムいっぱいに望美の写真。 何枚撮っても何枚貼っても もっともっと知りたい・・・。 望美の色んな顔が・・・。 (神子様・・・。神子様をずっといつも抱きしめていたい・・・。 私はいつから・・・。こんなに欲張りになったのだろう・・・) 側にいれば居るほどに ”もっともっと”望美の全部を知りたいと願ってしまう・・・。 (私は従者・・・。求めてることばかりではいけないのに・・・) だが・・・ 写真に写る望美の笑顔・・・。 「・・・愛している・・・神子様・・・」 この笑顔を見ていると どうしようもない愛しさが沸いて沸いて・・・ 「ただいまー!銀!」 パシャリ! 「!?」 学校から返ってきた望美をフラッシュが出迎えた。 「まぶしい・・・何?」 「あ、神子様。すみません。驚かせて・・・」 銀はカメラをポケットにいれた。 「また写真撮っていたの?」 「はい。沢山の神子様の姿が撮りたくて・・・。ふふ。 ほら、こーんなに」 リビング戻って、アルバムを嬉しそうに望美に見せる銀。 アルバム5冊を見せる銀。 (いつのまにこんなにたくさん・・・(汗)) 『ごはんつぶを口元につけたまま眠る神子様』 『テレビを見て涙する神子様』 望美の日頃の姿がそこに沢山映されていた。 そして最後の一枚。 (・・・こ、こんな”時”のまで・・・///) 『・・・私の隣で眠る・・・神子様・・・。可愛らしい・・・寝顔』 「これが私の一番のお気に入りの写真です・・・ふふ」 (///し、銀ったら・・・) 銀がつけた写真のタイトルに頬を染める望美。 「どれもこれも・・・。私の宝物です。神子様の笑顔が・・・」 「銀・・・」 ぎゅっとアルバムを抱きしめる銀の姿に 写真を撮りすぎたと注意しようと思ったが萎えてしまった・・・。 「フィルムがあまっているんです。最後に一枚取らせてもらっても よろしいでしょうか・・・?」 「え?う、うん。いいけど・・・」 銀はソファに座った望美にカメラを構えてレンズを向ける。 「こ、こう・・・でいいの?」 「はい。できましたら笑ってください」 「笑えっていわれても・・・」 「・・・。神子様・・・。愛してます」 (えっ。な、何突然・・・) 望美の頬はいっぺんに染まった。 「ふふ。その表情・・・。お可愛らしいです。では撮りますね」 (・・・。し、銀ペースだわ。完璧に・・・) 少し戸惑いながらも レンズに向かって微笑む望美・・・。 「・・・?銀・・・?」 だがいつまでたってもフラッシュもたかずに撮ろうとしない。 「・・・どうしたの?銀・・・」 「・・・」 銀はカメラを静かに置いた。 「・・・。レンズの中から神子様を見ていると・・・。 駄目です・・・。私の中の”欲”が暴れだす・・・」 「”欲”?」 「・・・貴方に触れたいという・・・。浅ましい欲が・・・」 (銀・・・) レンズの向こうの望美・・・。 手を伸ばせばすぐ触れられる 写真を沢山撮っても・・・ ”本物の笑顔”には適わない・・・。 「・・・神子様・・・。私は貴方を好きすぎて好きすぎて・・・ どうにかなってしまいそうです・・・」 「銀・・・」 「貪欲な従者など在ってはならないのに・・・」 銀は跪いて望美にあやまる・・・。 「・・・。神子様。このような私ですが・・・。ずっとおそばに置いていただけますか・・・?」 「・・・。当たり前じゃない・・・銀がいなくちゃ私の方が 寂しくて泣いちゃうよ・・・」 「・・・神子様・・・ッ」 望美の手を引き寄せ、力の限り抱きしめる・・・。 レンズ越しじゃない 本物の温もり・・・ 「・・・望美って呼んで・・・。銀・・・」 「え・・・」 「銀は従者なんかじゃない・・・私も主じゃない・・・。 ただの・・・女の子だから・・・」 望美は銀の首に手を回し・・・。 「・・・望・・・美・・・」 「銀・・・。好き・・・。愛してる・・・」 ”愛してる・・・” 本当は言って欲しかった ずっと欲しかった 言葉・・・ 「・・・望美・・・ッ」 ふくよかな胸に顔をうずめると聴こえてくる 愛しい鼓動・・・ もっともっと 愛したい 「・・・し、銀あの・・・夕食が・・・。んッ・・・」 激しく絡み合う手と手・・・ 「・・・私の夕食は・・・。貴方ですから・・・。 いただきます・・・」 「・・・///」 優しい微笑みも 二人倒れこめば 激しい生の”男”の顔になる。 「愛して愛して・・・貴方を一生・・・愛しぬきます・・・」 溢れる想いをぶつけてくる 耳元で囁かれながら・・・ 望美はその夜も抱かれた・・・ ・・・この世で最も好きな腕の中に・・・。 追伸。 パシャ。 翌朝。 裸身でシーツに包まって眠る望美をちゃっかり銀は カメラで撮っていたのだった・・・。 (ご主人様コレクション・・・。もっと増やしていこう。ふふ・・・) 暫く銀のアルバムつくりはつづきそうである・・・(笑)