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銀のティータイム 午後三時。 「神子様。おやつの用意が出来ましたよ」 「・・・銀。なんかお母さんみたいよね。完全に」 「ふふ。私は神子様の母であり父でありそして・・・ 恋人ですから」 チュ! 望美の頬にキス。 「さ、拗ねていないでダイニングへいきましょう」 「・・・か、完全に銀のペース・・・」 望美の生活の主導権は完璧に銀に。 (でも楽しんじゃってます。私) 銀に甘えてしまっていてはいけないと思いつつ 銀の優しさに浸ってしまう。 「神子様。ほら。神子様の好きなポッキーというお菓子です」 「あ、買ってきてくれたんだ。銀」 「はい。私もこの菓子は好きでございます。 神子様のお好きなものは私も好きですから」 さらりと甘い台詞をはいて 涼しい顔で紅茶を飲む銀。 (・・・い、イチイチ言うことに反応しちゃうじゃない) 銀には照れもなく臆面もないのだろう。 (ドキドキしてるのは・・・。私だけなのかな・・・) 余裕を垣間見えて少し距離を感じるときがある。 「神子様?どうなされました?お顔が曇っておられます・・・」 「そ、そんなことないよ」 「・・・神子様はすぐ顔に出るお方・・・」 銀は少し考えてから ポッキーを一本箱から取り出した。 そして口にくわえた。 「神子様。食べて」 (銀、それって・・・) 「この間、テレビという箱の中で男女がやっていました」 「・・・ど、どんなドラマ見てるのよ・・・」 「さ、神子様。半分食べてくださいませ」 (た、食べてって・・・///) 銀が言うとなんだか違う意味に聞こえてくる。 「今更照れることもないでしょう・・・?もっと 照れくさいこと・・・。昨晩はしたのですから」 「・・・っ///。わ、わかったわよ・・・。もう」 望美半分。チョコじゃない部分をぱくっと くわえた。 (・・・し、銀の顔が・・・) ドアップ・・・。 それも斜めでなんだか今にも キスしそうな・・・ (や・・・やだ・・・ドキドキしてきた) 段々・・・ 銀の顔が近づいてくる・・・ (ち・・・近すぎっ) ポキッ 望美は思わず顔を背けてポッキーはおれてしまった・・・ 「ふふ。神子様の負けですね」 「し、銀が勝つに決まってるじゃない・・・だって・・・」 「”ドキドキ・・・”されましたか」 「!!」 耳元でささやき、 にこっと銀が笑った。 それも悪戯な微笑み・・・。 「し、銀、貴方一体・・・んッ・・・」 銀は紅茶を口にふくむと 突然キス・・・ 「んッ・・・ンッ・・・」 コク・・・ 銀の口から・・・望美の口へ何かが注がれる・・・ 「・・・ッハ・・・」 「・・・どうです・・・?ドキドキ・・・なさいましたか・・・?」 「///も、もうう!!させすぎよッ。さっきから 銀ったら・・・」 ぎゅッ 激しいキスの後は激しいハグ・・・。 「私はどうしようもない従者ですね・・・。主人が 困った顔が見たいだなんて・・・」 「銀・・・」 「でも・・・。貴方が私にドキドキする様が見たくて・・・。 照れる貴方が可愛くて・・・可愛くて・・・」 「・・・んもう・・・」 弱い・・・ 銀の剥き出しの独占欲・・・ 嬉しくて・・・。 「・・・すみません。ティータイムが台無しですね・・・」 「ううん・・・。美味しかった。銀の紅茶・・・」 「神子様・・・」 銀の胸に顔をうずめる望美・・・。 「ねぇ。銀・・・。もう一回・・・貴方のキスが・・・ほしいな・・・」 「それならいくらでもご奉仕致します・・・。 なんなら寝室まで行きます?」 「そ、それはよ、夜になってから・・・(照)」 「はい。了解いたしました。では・・・。私の愛をもう一度 受け止めてくださいませ」 今度は二人とも静かに目を閉じて・・・ 穏やかなキス・・・ 銀の愛が望美に注がれる・・・。 銀のティータイム。 レモンティの甘酸っぱい香りの中で 二度目のキスは始まったのだった・・・。