LOVE IS 雨宿り(銀編) 久しぶりのデート。 だが帰り、どしゃ降りに遭い・・・ 「神子様が濡れては大変だ!」 『ご休憩処』 という看板を見つけた銀は・・・。 「神子様!ここへ一時避難いたしましょう」 (ちょ・・・銀・・・!こ、ここって・・・!) と、強引に二人が入った場所は・・・。 「・・・///」 部屋の真ん中に大きなベットが一つ。。 割と中はシンプルで・・・ 「・・・///」 望美はベットの上にちょこんと正座して・・・。 一方銀は・・・。 「ふむ・・・。空調はまあいい。神子さまの体温が下がらぬように 適度な温度だ」 エアコンの温度をチェック。 さらに 「ふむ。温かそうな着替えも設置・・・。ごつい布だが 吸水性はありそうだ」 白いガウンを入念にチェック。 「いつでも着替えられます。神子様。 しかし何故・・・2着もあるのでしょうか」 「・・・///し、知らないわよッ」 さらにさらに。 「・・・ふむ・・・」 (な、何・・・) ベットに近づいてきて・・・ 「ふむ・・・。これなら神子様もお昼寝には 申し分ないだろう」 (・・・。銀・・・。やっぱり知らないのね。 此処がどういう場所かって・・・) ”ご休憩” する場所だと思っているらしい。 ・・・言葉の如く・・・。 「よかったですね。神子様・・・。良い場所があって・・・」 「え、ええ・・・」 「・・・?神子様・・・?顔が赤いようですが・・・」 (ひゃっ) ためらいも無く銀は望美の額に手を合わせる 「あ・・・。すみませ・・・」 「い、いいの。私が一人で変に意識してるだけなの」 「・・・変に・・・?」 「い、いいの。あ、雨がやむまで静かに休んでましょ・・・?」 「はい。そうですね・・・」 丸い小窓が 細々とした雨をはねらせる。 ッチッチッチ・・・ 腕時計の秒針の音 「静かですね・・・」 「うん・・・」 雨の音だけ この場所がちょっと特別な場所なことさえ 忘れるくらいに 静かで・・・ 「・・・ふあ・・・」 「・・・。珍しい。銀があくびするなんて・・・」 「え?そうですか?あんまり・・・。 神子様との時間が・・・キモチがいいので・・・。気が緩んだのでしょう。 幸せすぎて・・・」 「い、言い過ぎだって・・・///」 「いいえ。私は嘘はいいません。神子様と一緒に居られる時間は 至福すぎて・・・」 (・・・。銀が言うと・・・。気障な台詞が自然に 入ってくるから困るな・・・///) 嬉しさと照れくささと。 ちょっと大胆なこともしてみたくなって・・・。 「じゃあもっと・・・。幸せにしてあげる」 「え?」 フワリ。 「あ・・・」 銀の頭をそっと 自分のモモに寝かせる・・・ 「・・・。どう・・・?///」 「・・・嗚呼・・・」 見上げれば 大好きな 大好きな望美の優しい瞳 頬には 真綿のように柔らかな感触。 「嗚呼・・・」 「銀・・・?」 「嗚呼・・・。神子様・・・」 言葉にならない 幸福感に 「・・・天国のよう・・・。神子様に見つめられ 神子様の肌のぬくもりを感じられ・・・」 「・・・お、大げさな///」 「このまま・・・。神子様の肌に・・・溶けてしまいたい・・・」 (って・・・!!) 無意識なのか 銀はモモに頬を 強く押付けて・・・ (し、しし銀・・・ったら・・・) 「・・・神子様・・・神子様・・・」 「し、銀・・・。あ、あの、ちょ、ちょっと・・・っ」 銀の髪が くすぐったい 段々と・・・ 髪はスカートの奥のほうへ・・・。 「神子様・・・神子様・・・みこ・・・。・・・」 いつのまにか 銀は・・・ 夢の中・・・ 「・・・。ふぅ・・・。もう・・・。相変わらず・・・。自然体でドキドキさせるのが・・・ 上手いんだから・・・」 雨宿りした場所は 銀には説明しにくいちょっとドキドキな場所。 「・・・雨に少し感謝かな・・・。ふふ。好きな人の 寝顔が見られるんだから・・・」 サラ・・・ 銀色の髪をすくう・・・ 「いつも側に居てくれて・・・。ありがとう・・・」 眠る銀にそう呟く望美だった・・・。 2時間後。 ホテルを出た二人。 「神子様。すみません。神子様が休憩されるはずだったのに 私が寝てしまうなんて・・・」 「いいのよ。気にしないで。おかげで 銀の寝顔、たーくさんみられたから。ふふ」 「わ、私の寝顔など・・・っ」 「・・・ふふ。可愛かったよ」 「神子様ッ///」 照れる銀・・・ ぺろっと舌を出して 悪戯下に笑う 望美の腕を掴んで耳元で囁く・・・ 「今度此処に来た時は・・・。私が 神子様の寝顔を拝見します・・・。勿論・・・。一晩中で・・・」 「銀・・・!?」 「・・・長い長い・・・”ご休憩”ですね・・・」 「銀・・・貴方・・・っ!?」 「ふふふ・・・」 意味深に笑う銀・・・ (今度デートするときは・・・。 あの”界隈”は通り過ぎないといけないわね・・・///) ドキドキ雨宿り 晴れた空の下 手をつないで二人は 照れくさそうに歩いていった・・・。