もう絶対絶対離さない 白い空間。 消えてしまった先輩を求めて。 探して そしてやっと見つけた・・・。 「・・・先輩・・・。もう離しません・・・。どこにも 行かないでください・・・」 先輩が 消えてしまったあの瞬間の恐怖・・・。 もう二度と味わいたくはない。 景時の屋敷。 譲の元へもどってきた望美はそのまま景時の屋敷に世話になることになった のだが・・・。 「・・・先輩・・・。もうどこへもいかないでくださいね・・・」 「うん・・・。ごめんね・・・心配かけて・・・」 手を握り合って見詰め合う二人・・・。 (・・・こりゃぁ、今は俺はお邪魔無視だな) 祝いにと景時が花火を打ち上げようと思い、譲の部屋まで来たのだが・・・。 入れずに退散する景時。 (時を越えた愛・・・か。ふふ。少し妬けるけどね・・・) 障子の向こうの二人に微笑んで景時は部屋を離れていった・・・。 「先輩・・・。俺は怒ってるんですよ」 「え?」 「・・・。先輩が消えた瞬間の俺の恐怖・・・。 どれほどのものだったか・・・。先輩にはわからないでしょうね」 「・・・ご、ごめん・・・」 しゅん・・・と俯く望美。 「ふふ。でも先輩はそういう人だ。自分の命を張ってでも この世界を守ろうと・・・。でももう二度としないでくださいね」 「うん・・・。もうしない。譲君のそばにいるよ・・・」 「・・・約束ですよ・・・?」 ガシャン。 (え・・・?) 望美の手にかけらたのは・・・。 木で出来た・・・。手錠。 「な、な、何、コレ・・・?」 「景時さんに頼んでつくってもらったんです」 「つ、作ってもらったって・・・」 ガチャリ。 もう一つの手錠を譲は自分の右手にかけた。 「ふふ。これでもう先輩はどこへも行けませんね?」 「あ、あの・・・。譲君・・・」 (きゃっ) 譲はそのまま・・・ 望美を自分の膝の上に乗せて抱きすくめる・・・。 「・・・ゆ、ず・・・る君・・・」 「・・・。もう・・・。絶対に離しません・・・離れません・・・。 もう絶対に・・・。貴方を失いたくないんだ・・・」 「譲君・・・」 切ない譲の声・・・。 胸の痛みが・・・ 譲の吐息と一緒に望美に伝わる・・・。 「・・・。私も離れない・・・。譲君と一緒に居るよ・・・」 「先輩・・・」 望美の言葉に・・・ 抱きしめる腕の力が強まる・・・。 「・・・あ、で、でもあの・・・。お、お風呂のときや寝るときは はずしてね、これ・・・」 「・・・駄目ですね」 「え・・・っ」 眼鏡越しの譲の目は・・・ちょっと悪戯な瞳。 「・・・先輩・・・。さっき言ったでしょう・・・?ずっと 一緒だって・・・」 「で、でもあ、あの・・・っ」 「ふふ。俺の気が済むまで・・・。俺の想いが 伝わるまでずっと一緒です。夜も昼も・・・」 「よ、夜・・・も・・・?///」 「はい・・・勿論。夜もです」 望美は頬を染めて俯く・・・。 こんな愛らしい望美を二度と・・・手放したくない。 「・・・。朝まで・・・永遠に一緒です・・・。覚悟してくださいね・・・? 先輩・・・」 桃色に染まった頬に譲は口付る・・・。 これからはずっと いつでも沢山の口付けをしよう 「先輩・・・。愛しています・・・」 離さないで 何度でも呟く・・・。 二人の想いがひとつになった夜だった・・・。