来年になれば先輩の大学受験だ。 こういうとき・・・つくづく年下ということを悔いる。 今でさえ、学年が違うから会える時間もかぎられてくるのに別々の環境に 身をおくとなれば・・・ ありもしないことを考える。他の男が近寄ってこないか・・・ 想像しただけで嫉妬が渦巻いて・・・ オレはますます欲張りになっているらしい。 先輩が視界にいないこと自体、耐えられない。 いや・・・こんなに近くに居ても・・・ 「・・・?譲君、どうかした?」 「い、いや・・・何でも・・・」 一緒に勉強しよう、そう先輩が言って、今日は日曜。 先輩がオレを家に招いてくれた。 だが、オレは勉強どころじゃない。 ・・・先輩の部屋。 先輩の香り・・・ オレが求めてやまない”先輩”が詰った部屋・・・ そして至近距離に先輩・・・ ・・・どうにかなりそうだ・・・ 「どうかした?」 「い、いえ・・・」 だが、先輩は相変わらず。オレの気持ちなど察することもなく・・・ でもまぁこの鈍感さは助かる。 もし、先輩に迫られデモしたら俺は・・・。 暴走するに決まってる。 「・・・あ、ねぇ、譲くん、この公式わかる・・・?」 「どこですか。ああ、これは・・・」 ・・・! 先輩の息がかかった・・・ 「aとcの座標を公式にあてはめて・・・」 「うん、あ、そうか・・・」 オレは必死に理性を保つことに全神経を張り巡らせる。 ・・・今にも先輩を押し倒しそうだ・・・ 「やっぱ、譲くんはすごいねぇ・・・。ふふ。助かるよ」 「・・・先輩の方がすごいですよ。その鈍さが」 「え?何か言った?」 「いーえ。なんでも・・・」 全く・・・。オレを翻弄することにおいては天才だな。 貴方は・・・ 「ふう。少し休憩しようか」 「ええ。そうですね」 先輩は両手を伸ばしてリラックス・・・ ニット系の先輩の服・・・ 胸の輪郭がはっきりわかって・・・ ・・・! ってオレはどこを見ているんだ・・・。 落ち着け・・・! 「・・・ん?先輩、何か落ちてますよ?」 ハンカチかなにかだろうか、ピンクの布キレをオレは・・・ 「・・・!???」 ぬ、布着れじゃなくて・・・せ、先輩の・・・ 下着・・・ 「わ、わああ!!す、すみません!!」 オレは慌てて先輩の手に下着を返した・・・ 「・・・本当にすみませんッ」 「う、ううん。い、い、いいよ・・・。気にしないで・・・」 けど、先輩は俯いたままで・・・ ・・・どうするんだ、この空気・・・ な、何を喋ればいいんだ・・・ と、とにかく何か話題を変えなくては・・・ 「せ、先輩、そ、そういえば、ど、どこの大学に志望したんですか?」 「あ、え、えーと、ね、〇〇大学」 「・・・う、受かるといいですね」 「うん。でも・・・。寂しくなるね。大学が始ったらこうやって 譲くんと会えなくなるし・・・」 「先輩・・・」 先輩・・・貴方もオレと同じ気持ちだったんですか・・・? そうなら嬉しいな・・・ 「・・・オレも・・・寂しいです。でも・・・。先輩がどこにいても オレ・・・。側にいますから・・・」 「譲君・・・」 オレは先輩の肩を引き寄せた。 ・・・暴走・・・いや先輩を求めてしまう気持ちが走り出した。 「先輩オレね・・・。ずっと一人で馬鹿な嫉妬ばかりしていたんですよ」 「嫉妬・・・?」 「先輩が大学で・・・妙な男に目を付けられないか、とか、 他の男が近づかないか・・・とか・・・ 夢の中で相手の男たちを殴ってる夢まで見たんです・・・」 「・・・譲君・・・」 「笑ってください。自分でもこの嫉妬深さと独占欲には嫌気がさします。 でも止められないんです・・・。貴方を求めてしまうこの気持ちを・・・」 オレは先輩を見つめる・・・ 先輩も見つめ返してくれて・・・ 「こんなオレは・・・やっぱり嫌いですか・・・?変ですか・・・?」 先輩は首を横に振ってくれた・・・ 「・・・同じだよ。高校に一人譲君が残って・・・。 可愛い女子の後輩が近づいてきたりしないかって・・・。ヤキモチやいてたよ」 「先輩・・・」 「譲君を好きになって・・・。わがままな女の子になったのかもね・・・」 ・・・先輩の言葉は オレの心を本当に動かす。 「先輩の我が侭ならオレは・・・。大歓迎です・・・。もっと もっとわがままになって・・・。オレだけを見つめて・・・」 「譲君・・・」 先輩の長い髪に触れる・・・ 「この髪の毛の一本一本、先の先まで・・・。愛してます・・・」 「譲君・・・」 「・・・先輩・・・。”休憩”長引いても・・・いいですか?」 「・・・うん・・・」 オレは先輩の体を抱き・・・ベットに寝かせた。 ・・・今日は先輩の両親がいないらしい。 もしかしたら・・・もしかしたらだけど、先輩もこうなることを 望んでいたのか・・・?なんて自惚れる。 「・・・。一年オレ・・・勉強頑張ります・・・同じ大学へいけるよう・・・」 「うん・・・。待ってる・・・」 先輩のブラウスのボタンをはずしながら・・・ オレは先輩に囁く・・・ 「・・・オレはいつも・・・。貴方を求めてる・・・。触れたいと・・・ 自分の物にしたいと・・・」 「・・・譲君・・・」 先輩の・・・ キレイすぎる柔肌に触れながら・・・ 「・・・先輩が欲しい・・・。いつでも欲しい・・・」 「うん・・・私も・・・」 「・・・オレだけの先輩・・・。全てを愛してる・・・っ!」 もうオレは止められない・・・ 先輩もオレを求めてくれることを知ってしまったから・・・ 体中に口付けを降らせてオレの想いを刻み込む・・・ 「・・・先輩・・・!先輩・・・!」 「・・・ゆず・・・るくん・・・っ」 先輩・・・ オレは本当に貴方を求めています 気が狂うほどに・・・ 例え春になり、会える時間が減ったとしても・・・ 貴方を想う気持ちが・・・ 絶えることなどないのだから・・・