電車にて先輩と学校は別々になったが。 一つ、嬉しいことが出来た。 「あ・・・先輩!おはようございます!」 「おはよ!」 今日は白いブラウス。先輩。 階段を駆け上がってきた。 ・・・まぶしい・・・。 朝。電車通学の俺は先輩と同じ車両に乗る。 そう。先輩も同じ時間帯の電車なのだ。 降りる時は別の駅でおりるが・・・。 先輩が降りるまで15分だけ。 俺と先輩はいっしょにいられる・・・ 「・・・一緒に乗れるのは嬉しいけど・・・。ちょっと切ないな・・・」 「え?」 「高校のときは・・・一緒の駅で降りたけど・・・。違う駅で降りるなんて」 「・・・先輩・・・」 朝から・・・ 先輩の瞳はオレの心をわしづかみにする・・・。 そんな目で見られたら俺・・・。今日学校行く気、しなくなるじゃないですか・・・。 出入り口に近い窓際の二人はたった。 ゴトンゴトン・・・。 「・・・景色みてるのって・・・。いいね・・・」 「はい・・・」 思い出す・・・。 まだ俺と先輩が・・・。単なる幼馴染だった頃・・・。 一緒にこうして景色をみることだけで 俺は満たされた気持ちになって・・・。 「あ・・・!川だ・・・」 「魚釣ってるひと、いますね・・・」 一緒に見た景色を心に刻み込んでいた・・・。 今は・・・。 「きゃっ・・・」 「先輩!」 線路のカーブで電車が揺れてバランスを崩した。 先輩の体を俺は抱きとめる・・・。 「大丈夫ですか!?」 「うん・・・」 こんなときなのに・・・。 先輩の体から香る匂いに俺は・・・ 熱くなる・・・。 「・・・譲君・・・。たのもしくなったね・・・」 「えっ・・・」 「ドキドキ・・・しちゃうよ・・・」 (・・・っ) せ、先輩・・・。こ、こんなところでそ、そんな・・・ そんな可愛く微笑まないでくださいよ・・・。 ・・・俺、人目のはばからず暴走しそうです・・・。 なんだかいい雰囲気だったのに。 プシュー・・・。 ドアが開き、人がどわっと乗ってきた。 俺と先輩は隅に追いやられ・・・ 「せ、先輩大丈夫ですか?」 「う、うん。でも・・・」 サラリーマン風の男数人が先輩を囲むようにつり革に掴まっている。 ・・・先輩の体に他の男を触れさせて溜まるか! 「先輩、内側にきてください」 俺は先輩を自分の胸の内側に移動させ、 男達から触れないように壁になった。 「・・・先輩の体には・・・。俺以外・・・触れさせたくないから・・・」 「・・・譲君・・・」 (・・・っ) せ、先輩、額をくっつけてくるって/// 「・・・。今日の譲君・・・。かっこよすぎるよ・・・」 「///」 ここが電車の中じゃなかったら・・・。 俺は今すぐ先輩を押し倒しているだろうな・・・。 嗚呼もうなんか今日、授業なんてどうてもよくなってきた・・・。 けど・・・。 次の駅で先輩は降りてしまう・・・ 「○○駅ー・・・」 アナウンスが流れた・・・。 先輩は切なそうな瞳をして・・・。 プシュー。 「じゃ・・・。譲君またね・・・」 「はい。先輩、気をつけて・・・」 「・・・」 先輩は俺をじっと見る・・・。 まだ別れたくないって顔で・・・。 「譲君」 チュッ! (えッ!??) い、今・・・!? 「この続きは・・・。今度の休み・・・ね♪じゃ・・・!」 プシュー・・・。 ドアが閉まり・・・ 先輩は笑顔で手を振って見送っている・・・。 俺は一瞬の出来事に面食らって・・・。 ぼうっとしてしまった・・・。 嗚呼先輩・・・。 今日オレ・・・まともに授業受けられるか自信ないです・・・。 ”この続きは休みの日に・・・” 妄想が始まりそうだ・・・/// ガタンガタン・・・ 電車はまた動き出す・・・。 俺と先輩の新しい恋もやっと 動き出したんだな・・・。 先輩・・・。好きです・・・